初段6SN7(1/2)-カップリングコンデンサー-ドライバ6SN7(2/2)-カップリングコンデンサー-300Bと、なんでもない構成に、いろいろな付加回路(球持ちを良くするため)をつけながらも、ワイドレンジ、ローノイズ、を実現したものです。
ボリュームノブが、青/黄色で光っているのが、TU-873です。白だと同タイプの2A3使ったTU-872になります。TU-872も欲しかったんですが、当時は手に入りませんでした。
後に入手:TU-872
左手前シャーシ上にあるノブスイッチが電源で、電源の投入は、遅延リレーが効いていて、ポップノイズも無くソフトスタートです。
右手前シャーシ上にある2つのノブスイッチが2入力切替とテープモニタで、プリアンプ抜き(今は無しでCDを直接つないでいます)で使うこともできます。
自作といえば「一本なん万もする300Bなんか、あほらしくて使えるか!」というのが普通で、やるとすれば2A3でしょう。ところが、このところの300Bの流通過多で、300Bも買えてしまうところがすばらしいです。
同タイプの2A3使ったTU-872が、4万以下で、買い得にもかかわらず、店頭ではおめにかかりませんでした。同タイプというのは、同一回路で時定数の違いというのが実情で、どうせ買うなら300Bという実情に即したものでしょう。300Bは2A3と比較するとわかりやすいので、試聴は、2A3使ったTU-897と並べて行いました。
出力トランスの良し/悪しがはっきり出て、「300Bもいいけれど、2A3も捨てがたい」という印象です。
シングルでも、300Bならもっと低域が明瞭に出るところですが、このTU-873は、そこまでは良くないです。
回路図の書き方が面白くで、アース記号を使わず、左右含めて、全件結線を一枚に書いています。このため、初段がどういう回路かぱっと見でわからなくて、最初6SN7のパラレルかと勘違いしました。プレート電圧が高めなのが、音色にはっきり出ています。
TU-898と比較すると、TU-873は、「パワーがあってローノイズなだけ」ということです。言い換えれば、真空管アンプが初めてな人には、「音楽の見え方が変る」くらいの存在感があります。
エレキットのアンプとしては、真空管特有な技巧などはCDからの直接入力などが考えられていないTU-898や、2A3のTU-897のほうが、古くからの真空管ユーザを泣かせる音がします。
ただし、TUー873は、組み上げた直後なので、これから一ヶ月も鳴らして、ねじ類をまし締めすると改善される余地を残しています。