我が家(3.5名席)の食卓に広げました。自分の作業机もあるんですが、これが修理中?のため、家族が外泊している間に、食卓を占領しての組み立てでした。だから、妻子が帰ってきるまでの連続作業となりました。
キットは、上手に梱包されているので、コンパクトに見えるのですが、実際、シャーシを組み立てる段階になると、4人掛け食卓くらいの広さが確保できると、楽です。
200セット限定のキットなので、コスト削減のため、一枚プリントを数枚に割って使用します。カッターで、丁寧に傷を入れて、机の角で力を入れれば、簡単にきれいに分割できます。電源基板の後ろは、スピーカターミナルの配線に当たるので、ヤスリ掛けするといいでしょう。
基板に切れ目を入れたり、ピンを立てたりの力作業の時には、ふんだんに入っていた梱包の段ポールを下に敷くと、後で家族にどやされることも無いでしょう。
A基板と呼ばれる、真空管ソケットの取り付けられる基板の裏(プリント板としては部品実装面)です。リード線を配線するために、数十本のピンを立てるのがつらい作業ですが、リード線配線のつきを良くするために立てるピンなので、配線時に最終的に半田付けされるので、気楽(=力まかせ)につけても大丈夫です。
間違えるとすれば、電解コンデンサーしかないところで、パターンも大きく、シルクではっきり部品番号と向きが書かれているので、安心です。
ちなみにメーカー製品だと、電解コンデンサーのマイナス側にシルクで印があるのが多いですが、プラス側に印がありました。
きれいに仕上げようと思えば、背の低い部品からつけていくべきですが、マニュアルの指示は、間違わないように種別ごとになっています。だいたい数の多い抵抗やコンデンサーを、4回くらいにわけて、部品を取り付ける(半田ごてを切る)、部品を付ける(こて先をぬれ雑巾でぬぐいながら)を繰り返していけば、誰でもきれいに仕上がります。
ポイントは、マニュアルの指示に、「青から緑に」とかで、部品を差し込む向きを示しているので、まずそれを確認することです。普通の実装面は下側に、パターン面は上側にきて、真空管ソケットがつきますから、通常と逆さまです。
部品点数が少ないので、間違えて取り付ければ、次につける部品が足りなくなるので、すぐわかります。
熱をもつカーボン皮膜の抵抗は、基板側に放熱のために通風の穴が開いています。これは、基板で真空管を実装するための、エレキットのノウハウだとおもいました。
丁寧に絵が書かれているので、それと見比べればソケットの向きを間違えることはないでしょう。
碍子ソケットが、ろう紙に包まれていたのを取り出すときには、ビニール袋を破くのと違い、なぜか妙に和みました。
これが、最後にどうA基板と繋がれるのかが、このキットのオチです。最後まで、これだけは、解説しません。
オチが書きたい、、「キットを組み立てるのが好き」な人には、たまらん「オチ」です。だから、書くわけにはいかない、、けど書きたい。
ここらへんが、このキットの組み立ての時間的な中間地点(=4-5時間経過して、腹が減る頃)です。予算の関係で、キットを買った人(=私)には、いちばんつらい(=違うの買ったほうが良かったんじゃない?とか考え出す)ところで、嫌な記憶に残る単純作業なんですが、そこに感動のネタを撒いたのは、私はすばらしい構成だとおもいます。
また「ピンを立てて」と書いてあるのを見たときは、「寝ようか?」とおもいました。時間や、作業場所場所にゆとりのあるひとは、これ以降を翌日にまわすといいでしょう。
ここで、私が、ふと考えた言い訳は、「199人の他の人も、これ我慢した(する)んだ」という、苦しみの共有でした。
右に3つ黒い四角が並んでいるのが、ブリッジダイオード、左に小さい黒が写っているのは、直流点火のリップルフィルターであるFETです。整流管使ってアンプを組み立てたのが真空管の最後だった私としては、このリップルフィルタには感動しました。
このFETのヒートシンクとしてシャーシを利用するのは、今は無き「タスコ」のTNC-22の3端子レギュレータみたいで、コストダウンの定石です。
入力端子が、かようなウェハで簡略化されているため、配線の手間と失敗が激減されています。
これ見たとき、昔味わった、プリアンプを部品集めて自作した時の苦い記憶が蘇りました。直しても直してもケースに組んじゃうと音が出なかった、、そのときは、音質よりも、音が出ることが先だと観念したのが、懐かしいです。