5月29日夕刻に設営、30日12:00に撤去

2004 WPX(spring)CW


米国のCQ Magazine社主催でWPXというワールドワイドのコンテストがあって、春夏二回「どこまで飛ぶか?」の確認の意味で野次馬的に出ています。
春のCWは、5月29日のUTC0:00-31日0:00の間に交信した局の数で争われます。日本時間では、土曜日の午前9:00-月曜日の午前9:00までの二日間です。
ねらい目は、29日の日没と30日の日没ですが、今回は事情があって30日昼には撤去しています。
これまでは自宅の高層アパートのベランダ(40m高)に張ったワイヤーアンテナでやっていたんですが、今回は、2階のベランダに張った(7m高)ワイヤーアンテナで出てます。
おもな違いは
  1. アンテナ設置場所の地理的違い
    海抜40m+地上高40mの、晴れると遠方に名古屋港まで見渡せるベランダに張っていた頃には、日没時にロングパスとショートパスのエコーがかかる時間帯が一時間ほどありました。
    ところが、山国の盆地、一般住宅の2階のベランダに同じエレメントを張っても、日没だから、、というような変化はまったくなく、まるで国内7MHzそのものの入感しかありませんでした。
  2. IC-706と706MKIIGの違い
    電源入れたときのノイズの出方だけでも、かなり新旧違うのですが、これをWPXで両方使って比べてみました。ところが、前記のとおり、国内7MHz専用みたいな入感しかないロケーションだったため、微差?というよりも違いは明確だけれども、効果は?あまり無しというものでした。

交信結果は、想像以上に、コンデション、ロケーションで明暗が分かれました。
ロケの悪いところに住んじゃったら、名古屋のアパート以下なのかなぁ、、
実家2階ベランダにAH3設置
   
2階ベランダの支柱にAH-3、アースは12mのアース線を、そのまま垂らしてカウンターポイズ。    
エレメントの先は、移動用の4段ポールで吊って、ほぼ水平の10m高かな。    
1.9MHzまで、すんなり同調が取れましたが、、

聞こえるべきものが、全く聞こえない

というものでした。    
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最初は、これまで使っていたIC-706。ALL JAは、これで十分できましたが、、ヨーロッパ、東海岸がまったく聞こえません。打ち上げ角の高いVダイポールみたいな、国内専用状態でした。    
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日没時だというのに、14MHzで近隣の国が数局入感するだけ。しかたなく7Mhzを聞くと、いつもの国内局の合間に米国西海岸のビッグガンが点在する感じ。    
14Mhzはともかく、7MHzはJA局をかき分けることにになるので、フィルター無しの706にはきついので、(予備に買ったばかりの)706MKIIGを初めて使うことにしました。
706MKIIGの使い始め
   
外観は無印706そっくりですが、MKIIGの中身はまったく違います。
特に、内蔵スピーカが、706無印では、ケース内に固定されず転がっていたのが、MKIIGでは、天蓋にねじ止めになっています。よって、無印706の勢いで天蓋を外そうとするとスピーカケーブルが切れます。    
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機能的に違うのは、無印706が、装着できるフィルターが1個だったことに対して、MKIIGは、2個装着できます。これでSSB/CWともに装着できることになります。    
一つめのスロットにFL-100(9Mhz、CW、500Hz)を刺しました。    
文字通り、刺すだけなので、場合によっては抜けによる接触不良もあるでしょう。    
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操作パネルは、実は差し替えても動いてしまいます。大きな違いは
  1. 左下のノブの機能    
    無印706は、RITとSHIFT、MKIIGでは、RITまたはメモリーチャンネルとSHIFTです。
  2. バンド切り替え    
    無印706がTSスイッチ+メインダイヤルでバンドを切り替えていたのに対して、MKIIGは、UP/DOWNボタンで切り替えます。
  3. パネルの色目    
    MKIIGだけ、モスグリーンで、本体と色が合っていません。ボタンの照明など凝っているけれど、液晶の表示見れば押す場所わかるので、実際役に立つのだろうか?
  4. メインダイヤルのノッチ    
    無印706は、指を入れる凹みがあるだけ、MKIIGは、指を入れるところが自在になっています。
   
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セットモードのフィルター指定、メニューのパドルの指定、セミブレークの指定を経て、CWでフィルターを入れて7MHzに出られるようになりました。    
同じ25Wの速度でも、706のキーヤーと、微妙にフィーリングが違います。    
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で、率直な感想では、出てくるRFもAFも無印とMKIIGでは、違いすぎるので別のリグと考えたほうがいいです。

無印の706とCWフィルター入れたMKIIGでは、まったくの別の無線機なのですが、それだけ違っても、残り半日コンテストでやれたことは同じでした。
ひたすら7Mhzで国内局をかき分けて西海岸の局とやるか、14Mhzで粘ってヨーロッパを探すがです。
これが、名古屋のアパート(地上高40m)だったら、日没に21Mhzでヨーロッパの奥深いところを漁り放題、たまにアフリカ、南米も出来ていたので、やはり重要なのはロケーションでしょう。山国の盆地でDXをやろうとおもったら、数十M高のタワーが要る(周りの山をかわして打ち上げ角を押さえる)のかもしれません。
たまたま自分が、高層アパートのベランダに張ったワイヤーアンテナで、WPXを満喫できるロケーションに居ただけで、普通の人にはWPXなんて興味なくても不思議ではないというのが、今回わかりました。
存在が認められなければ、興味がわきませんから。
WPXのコンテスト中でも7MHzは、いつもの国内QSO(=カードご交換よろしく)で満杯、意地になってワールドワイドのコンテストの邪魔をしているんでは?と思っていた時期もありました。
しかしながら、この7MHz「カードご交換よろしく、、」集団は、WPXの期間中に、それなりのアンテナと時間帯では全世界が入感するという経験が無いのだから、それまでと変わりない事をしているだけだと、わかりました。
これが、日本だけの珍現象かといえば、そうではなくて、たとえば7MHzで明け方JST3:00-4:00頃になるとヨーロッパのラグチュウ(=無駄話)が、必ず聞こえてきます。これなどコールサインを言うことなく、10分以上PTT握ったまま一方的に話していたりします。
ご近所(=国内)で話し込むには、数十m高のタワーだとか八木は無縁なわけですが、たとえ「聞こえない低いアンテナ」でも打ち上げ角によっては地球の裏まで飛んでいくので短波帯だけ、いまだに4アマ10Wなどどいう縛りがあるのだとおもいます。
あと再認識したことですが、やはり14MHzだけは、コンデション/ロケーションの影響が他の周波数帯ほどなく、ほぼ聞こえるのでDX向きです。よって「14MHzは2アマから」という縛りが非常に効いています。
今回の経験で、一般の住宅でDXをやろうとした場合、周りに山とかビルが無いという条件で、

少しでも高台の2階の屋根の上にルーフタワー

でも建てないと、普段DXがまったく聞こえないということがわかりました。
けっこう厳しい条件ですねぇ、、

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