CI-Vというのは、ICOMのリグをパソコンなどのRS232Cで制御するインタフェースで、例えばパソコンから周波数やモードをリグに設定したり、リグの周波数をパソコンで読み取ったりができる。これだけだと、どこのメーカーでもやっていることだが、ICOMのCI-Vは、リグ同士で通信して周波数などコピーし合うという特徴がある。
CI-Vそのものは、MAX232C一個で実現できる。ちょっと難しいのは送受信が一本だという点と、いざ自作(汚い工作)するとインターフェアーに悩み、結局きれいに作り直したら、買ったほうが安かったという経験をもつので、とりあえずは一個メーカー製のCT-17というのを買ってみることをお勧めする。CT-17の他に、手に入りにくくなったCT-16というサテライト専用の多少なりとも独創的な機能の入った便利品もあるが、これはあまり使われないだろう。
CI-Vのソフトウェアはメーカから出ているわけではなく、仕様が公開されていて、それによって様々なアプリケーションが出ている。メーカ公開の仕様はBASICで説明されているが、Cで公開されたフリーソフトウェアを見たほうがわかりやすいし、そのまま使える。アドレスや機能はリグによって異なるが、たいていリグのマニュアルでなんとかなる。
出来合いのソフトウェアで使ってみたのは、
など。
衛星の 自動(周波数のみ)追尾 。手で上り下りの周波数を補正するより正確で格段に楽。
パケットクラスタの周波数をリグに転記。
HyperLog で表示される周波数をリグに転送、聞こえる/聞こえないの判断が速くなり、すぐコールバックできる。以前は、テンキーで入力していたけれど、これだと複数出てきた時に迷って困っていた。
このログソフトの良いところは、パケットクラスタとAX25のリンクが切れていても、モニタだけしていればこうした周波数の転記が可能なところである。パケットクラスタの出ている周波数に流れる他のユーザに対する送信データを拾って使うことが出来る。
基本(そのに)でIC-732に転記された周波数とモードを他のIC-760Pro,IC-706に転記。これは、同じCI-V(CT-17)に繋がれたリグに対して、IC-732が周波数、モードの変化をブロードキャストする。ICOMのリグは出荷時の設定で、他のリグからの受信(レシーブ設定)を受けるようになっているので、自分にその周波数とモードが合えばそのように周波数とモードが変更される。私の場合、IC-732,IC-760Pro,IC-706がそのようにつながっており、それぞれアンテナが異なるので、ロングパス/ショートパス,モノバンドアンテナ/オートワイヤーアンテナ(AH-3)で、良く入る組み合わせを物色するのに便利である。さらに、IC-706の場合、テンキーがないので使えないと言っていいほど操作性が悪いのだが、IC732のテンキー入力あるいは、IC-760Proの大型ダイアルおよび卓越した操作系からの操作でIC706が使えるので、とても重宝している。
基本(そのに)の逆で、リグの周波数、モードがパソコン側で読み出せる。パケットクラスタへの入力、QSLラベルへの周波数、モードの転記など使い道がある。とにかくリグのダイアルを回すとハソコンの周波数表示が動くので、繋がっている実感があって楽しい。
勝手に周波数、モードが変わってしまう。リグのレシーブモードを必要に応じて切らないと、そう勘違いする時がある。
物理的な線で複数のリグとパソコンが繋がるので、スプリアスを多く輻射すると、おもわぬ怪奇現象をおこす時がある。
なかなか楽しめるので、ICOMのユーザは是非お試し下さい。