TenTec社のModel1254

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会社で昼休みにfj.rec.hamを眺めていたら、TenTecというアメリカのキットメーカーのMODEL1254というゼネカバ受信機キットの記事が紹介されていました。早速うちに帰って調べてみると、100kHzから30MHzまで、AM/SSB/CWが受信できるという代物。値段も$195という格安で、少ない小遣いでも何とかなる金額、う〜むとしばらく悩みましたが、結局注文してしまいました。

まずはメールで問い合わせたところ、Shippingは$45で合計$240になると返事があり、早速FAXで注文しました(クレジットカード払い)。注文時には注文書に加えて、クレジットカードの表と裏のコピーを送れ、とのことだったので言われたとおりにそうしました。注文したのが5月17日、到着は結構早くて8日後の5月26日でした。配達の郵便局の人に税金と手数料代で800円徴収されました。

ダンボールの箱の中に結構がさつに、抵抗や半導体、コンデンサーやコイルなどがバサッと入っていました。やたら詳しい解説書がついていて、これなら間違いを犯さずに組み立てられそうです。

組み立ては7段階のフェーズに分かれていて、それぞれのフェーズが終了するたびにチェックできるようになっています。

まずは部品のチェックをしました。結構これが大変で、小一時間はかかりました。解説書に書かれているのとは異なる部品がありますが、それぞれについてすべて注意書きが付属しているので迷うことはありませんでした。というわけで、さいわいにして欠品はありませんでした(ツェナーダイオードが一本余分に入っていました)。相当数の部品なので、絶対に欠品があるに違いないと確信していましたが、まあよかったよかった。


というわけで、早速組み立てに入りました。まずはPhase1です。これはフロントパネルの裏側にあたる、表示部やスイッチ類が載る基板への部品の実装です。周波数を表示するLEDと緑色のインジケーターのLED、ロータリーエンコーダー、スイッチ類と抵抗をハンダ付けします。ここまでは特に問題なく終了。このphaseでのチェックはありません。


Phase1はいわば練習です。次のPhase2からがメイン基板への実装であり、本番です。この写真がメイン基板ですが、相当複雑です。道のりは遠そうですね。
これがphase2の実装を終了したところです。左上の部分が、コントローラーのPICとPICを動作させるためのPLL、LEDのドライバーなどです。また、右下のあたりが電源部です。ここまで終わった段階で、フロントのディスプレイ基板と接続してphase2の動作チェックをします。
これが動作チェック中の写真です。ACアダプターから15Vを供給し、電源スイッチを入れると、周波数表示部に15.000.0(KHz)と表示されれば正常です。(クリックすると拡大します。)

さて、Phase3の実装が終わったところで、VCO(Volotage Contorolled Oscillator)のチェックですが、うまくいきませんでした。VCOの制御電圧を調整するのですが、なんだか変です。この受信機にはVCOが低い周波数用と高い周波数用と2種類用意されており、受信周波数が13.24MHz付近でVCOが切り替わります。つまり低い方用は、0.1MHz〜13.24MHzまで担当、高い方用は13.24MHz〜30MHzまで担当です。調整は、VCOの一番低いところ(つまり低い方用で0.1MHz、高い方用で13.24MHz)で制御電圧が2.5Vになるように調整し、最高の周波数で8.5V程度になることを確認するのですが、もっとも低い周波数で2.5Vになるようにコアを調整しても、高い周波数で8.5Vまで上がりません。5V付近から高くならないのです。

PLL-ICのLD(Lock Detect)にテスターをあたってみると、シンセサイザーがロックしていないようです。VCO自体はちゃんと動作しているような感じです。そこでループまわりが原因と考え、部品の付け間違いがないか再度チェックしましたが、わかりませんでした。

いろいろ調べた結果、結局原因はループフィルタを構成するトランジスタを逆向きにハンダ付けしていた、という基本的な間違いでした。私としたことが、トンでもない間違いをしてしまったものです。原因を発見するまで2時間以上ムダにしてしまった……。

トランジスタを付け直して、再度チェック、周波数を上げてゆくと、今度はVCO制御電圧はスムースに2.5Vから8V付近まで動きます。ただ上限の周波数付近まで周波数が上がらず、LDピンで確認するとロックがかかっていません。工程が進むと、そこらあたりの調整があるんでしょう(きっと)。というわけで、ここまでの作業は無事終了とする。


次にPhase4です。ここは、オーディオ部、AGCと455kHzの第2IF段です。チェック項目は3段階あります。

まずは低周波増幅段を実装した段階で、オーディオ部が正常に動作しているかどうかをスピーカーのノイズで確認します。

2つ目はプロダクト検波器とAM検波器が正常動作していることを、入力部にドライバーなどの金属物を接触させるとノイズが増えることで確認します。

3つ目はIFアンプやフィルターを実装した後、AMとSSBのノイズが違うのを確認します。ここでIF入力に同様にドライバーなどの金属物を接触させると、さらに雑音が増えるのを確認します。

私がこの最後のテストをやった時は、AMモードにすると、さまざまな放送局のAM放送がごちゃ混ぜの混信状態で小さくスピーカーから聞こえてきました。ドライバーがアンテナになって強い電波を受けているのでしょう。

というわけで、無事すべてOKでした。

次はPhase5です。ここでは初段のミキサーと周辺回路の実装をおこないます。コイルやバランを沢山ハンダ付けしなければなりませんが、方向に注意します。実装後のテストは、ミキサー入力部にリード線を接触させて雑音が増加することを確認します。それがOKならば次にSSBモードでシンセサイザの発振周波数を45.000MHzに設定(受信周波数を0.000.0kHzに設定する)するとビートが聞こえることを確認(これは第一中間周波数の45MHzと同じ周波数のVCOがまわりこんで受信できることの確認)し、さらにクラリファイア(受信周波数の微調整)を動かすとビート音が変化することを確かめます。いずれもOKでした。

Phase6ではRF入力回路と初段ミキサーを実装します。写真が上のものとさかさまです。ここまでで基板のハンダ付けはすべて終了。ミキサーとフィルタの周囲に金属のシールドケースをつけます。

結局ツェナーダイオードが1本、150pFのセラミックコンデンサーがひとつ余分に入っていたことがわかりました。また一箇所0.01uFのセラミックコンデンサーを付けるところに間違えて0.1uFを付けてしまったために、最後に0.1uFが一つ足りなくなりました。間違えて付けたところが奥まっていて、取り外しにくいのでとりあえずそのままにしてアンテナ入力のところの0.1uFは未実装。

Phase7ではケースに基板を組み込み、調整をします。VCOにもシールドケースをつけ、おまけにシールド板で上からハンダ付けします。

というわけで、ようやく完成

さて、完成した1254で早速短波放送やアマチュア無線の信号を聞いてみました。気づいた点は、
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