14-21-28 ミニ トライバンド 2エレ八木 アンテナ

このアンテナは風と雨の対策を全く考慮していません。

くれぐれも戸外での永久設置はしないでください。

ベランダ用仮設アンテナとして使用してください。


   ベランダに仮設しているのですが、面倒なアンテナ交換を少なくするためにトライバンダーに挑戦してみました。

   周波数変更の激しいコンテスト用として14MHz、21MHz、28MHzの2エレメント3バンド八木アンテナです。

   ベランダで作業が出来る最大の大きさは4mですので、エレメント長を4m、ブーム長を2mに決定。

   バンド毎のマッチングが不要になるように全バンドの給電点インピーダンスを50Ωで設計します。

   帯域幅が取れないので、CW専用として作ってみました。


目 次

アンテナの設計

トラップ、ローディングコイル製作

エレメント製作

ブームの製作

調 整

完 成


 1.アンテナの設計

   アンテナシミュレーションソフトMMANAを使用しました。

   トライバンド化はトラップ方式とします。

   21MHzと28MHzのトラップと調整用のヒゲが必要になります。

   300mmていどあれば調整できそうなので、ヒゲの初期値を300mmとします。

   最高周波数28MHzの半波長は約5mですが、エレメント長は4mですので、短縮します。

   両側で300*4=1200mmをヒゲ用に取ると28MHz用に取れる長さは4000-1200=2800mmです。

   14MHzの検討でヒゲを長くすることにしたので、28MHZはエレメント長2700mmでスタートします。

   セグメントを指定して1セグメント当たり0.05m=50mmとしてセグメントの数でコイル位置を指定します。


  (1)28MHzローディングコイルの決定

    エレメント長2.7m、反射器付き2エレメント、半径4mmのアルミパイプでアンテナを作成します。


前方エレメントの中心に給電点を設定し、ブームから0.25m離れた点(両側)にLCを挿入します。

2uH/Q=500からスタートします。

 


下図のように設定して最適化します。GAINとF/Bを少し上げて、SWRをセンター付近にする。

LOAD(負荷)のインダクタンスを左右同じにして輻射器と反射器にグループ化して最適化します。

 


SWRが1.9と高めの結果です。

エレメント間隔を短くすると下がるのですが、このまま進めます。


コイルが決定しました。「アンテナ定義」右下を見て下さい。


  (2)トラップの検討

エレメント長を4mにします。Segは80に変更します。


28MHzのトラップはブームから1.35m、21MHzはヒゲを250mmプラスして1.6mの点に挿入します。

28MHzのローディングコイルはインダクタンスを揃えるために位置を変えています。


    コイルのインダクタンス、周波数を入力するとコンデンサーの値は自動で計算してくれます。

    28MHzのトラップは21MHzの短縮コイルとして働くので、L5~L8をエレメント毎に最適化します。

    浮遊容量が2pF程度ですので、5pFを最小限度にしてヒゲを短くして行きます。

    この時のヒゲの長さはLCの位置の変更になりますので50mm毎に増減しながら最適化を繰り返します。

    14MHzも同様の方法でL9~L12を最適化します。


試行錯誤を繰り返した結果です。


 2.トラップ、ローディングコイル製作

   28MHz用ローディングコイル、21MHz、28MHz用トラップ、計12個のコイルを作ります。

   コイルはテグスを利用したスペース巻き、コンデンサーは10D-2Vの浮遊容量で製作します。

   表の線間は巻線間スペース(mm)です。


  (1)コイル製作

     コイルの製作方法を参考にして作ります。(コイルの製作方法)


  (2)コンデンサー製作

     コンデンサーの製作方法を参考にして作ります。(コンデンサーの製作方法)


 3.エレメント製作

   エレメントの製作方法を参考にして作ります。(エレメントの製作方法)

   調整しながら組み立てるので、最初に28MHzのアンテナ部分だけを組み立てます。

   輻射器、反射器とも2つに分けてブーム上で結合しますので片側2000mmです。


エレメントの構成です。


 4.調整

  (1)28MHzのローディングコイルを所定の位置に入れ、エレメントの全長を2x1370(+20)にします。

  (2)28.000から50KHz又は100KHzおきにSWRを測定します。

  (3)最終結果のSWRカーブになるようにエレメントの長さを調整します。。

     輻射器と反射器の両方を片側10mm程度短くして行きます。

     最良点でSWRが落ちない時は輻射器と反射器を別々に変化させてみます。

  (4)28MHzのトラップと20-30mm長めにしたヒゲになるエレメントを取り付けます。

     28MHzエレメントの長さはコイルの付け根までになるので、エレメントを少しカットします。

     後日の微調整の可能性を考慮して、スペーサーの少し手前でつないでおきます。

  (5)周波数を21MHzにします

  (6)21MHzのSWRが下がるように、28MHzと同様にエレメント長(ヒゲ)を調整します。

  (7)28MHzのSWRが調整時と同じになるまで同軸コンデンサーを2.5mm程度短くして行きます。

  (8)21MHzのトラップと20-30mm長めにしたヒゲになるエレメントを取り付けます。

  (9)周波数を14MHzにします。

  (10)14MHzのSWRが下がるように、21MHzと同様にエレメント長(ヒゲ)を調整します。

  (11)21MHzのSWRが調整時と同じになるまで同軸コンデンサーを2.5mm程度短くして行きます。

  (12)28、21、14MHzのSWRが調整時と同じになっているかどうか確認します。


 5.完成

  (1)調整前のシミューレーション結果。

     MMANAデータのダウンロード

各周波数のSWR特性


  (2)調整後の各部寸法


  (3)SWR周波数特性

     シミュレーションより良い結果が出ています。シミュレーション方法は改善の余地がありそうです。

     帯域幅は予想通り狭いのですが、CW周波数範囲内ではSWR=2.0に収まっているので使えそうです。


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