ミニ 4バンド(14-21-28-50) 2エレ八木 アンテナ

このアンテナは風と雨の対策を全く考慮していません。

くれぐれも戸外での永久設置はしないでください。

ベランダ用仮設アンテナとして使用してください。


   周波数変更の激しいコンテスト用として14, 21, 28, 50MHzの2エレメント4バンド八木アンテナです。

   ベランダで作業が出来る最大の大きさは4mですので、エレメント長は4mブーム長が2mです。

   バンド毎のマッチングが不要になるように全バンドの給電点インピーダンスを50Ωで設計します。

   帯域幅が取れないので、CW専用です。


目 次

アンテナの設計

トラップ、ローディングコイル製作

エレメント製作

ブームの製作

調 整

完 成


 1.アンテナの設計

   アンテナシミュレーションソフトMMANA-GAL_Basicを使用しました。

   データのダウンロード(MMANA-GAL_BasicとMMANAの両方で使えます)

   トラップ方式です。21、28、50MHzのトラップと調整用のヒゲが必要になります。

   300mmていどあれば調整できそうなので、ヒゲの初期値を300mmとします。

   最高周波数50MHzの半波長は約3mですが、ヒゲの分を確保するため短縮します。

   両側で300*6=1800mmをヒゲ用に取ると50MHz用に取れる長さは4000-1800=2200mmです。

   14MHzの検討でヒゲを長くすることにしたので、50MHZはエレメント長2000mmにします。

   一般的にはヒゲの長さをを加減してトラップの調整をしますが、ここではコイルを伸ばしたり縮めたりして調整します。

   セグメントを指定して1セグメント当たり0.05mとしてセグメントの数でコイル位置を指定します。


  (1)50MHzローディングコイルの決定

    エレメント長4.0m、反射器付き2エレメント、半径4mmのアルミパイプでアンテナを作成します。

    固定セグメントとして50mm/1segですので、Segに80を書き込みます。


前方エレメントの中心に給電点を設定し、

ブームから0.45m離れた点(両側、e30とb30)に短縮用のLを挿入します。

50MHzのトラップとしてブームから1.00m離れた点(両側、e19とb19)にLを挿入します。

同調周波数を50.3MHzとするとCは自動で計算されます。

 

下図のように設定して最適化します。

GAINとF/Bを少し上げて、SWRをセンター付近にする。Stepは実用的な0.01(uH)とする

LOAD(負荷)のインダクタンスを左右同じにして輻射器と反射器にグループ化して最適化します。

 


コイルの位置によってSWRとインダクタンスが変化します。

適度なインダクタンスでSWRが良い点のバランスを取る必要があります。

SWRが1.04が得られました。


  (2)トラップの検討

    SWRを睨みながら、コイルが大きくなり過ぎないようにコイル位置を検討します。

    浮遊容量が2pF程度ですので、5pF程度を最小限度にしてヒゲを調整します。

    50MHzのトラップは28MHzの短縮コイルとして働くので、L5~L8をエレメント毎に最適化します。

    21MHzも同様の方法でL9~L12を最適化します。

    14MHzも同様の方法でL13~L16を最適化します。


SWRが低く、コイルの巻き数が少ない、最適のひげの長さを探した結果です。

50MHz短縮コイル            50MHzトラップ兼28MHz短縮コイル

 


28MHzトラップ兼21MHz短縮コイル     21MHzトラップ兼14MHz短縮コイル

 


21MHzのSWRが高いのですが、調整で落とすことにします。


 2.トラップ、ローディングコイル製作

   50MHz用ローディングコイル、21, 28, 50MHz用トラップ、計16個のコイルを作ります。

   コイルはテグスを利用したスペース巻き、コンデンサーは10D-2Vの浮遊容量で製作します。


コイルとコンデンサーをまとめました。



  (1)コイル製作

     コイルの製作方法を参考にして作ります。(コイルの製作方法)

  (2)コンデンサー製作

     コンデンサーの製作方法を参考にして作ります。(コンデンサーの製作方法)


50MHz短縮コイル          50MHzトラップ兼28MHz短縮コイル


28MHzトラップ兼21MHz短縮コイル   21MHzトラップ兼14MHz短縮コイル


 3.エレメント製作

   エレメントの製作方法を参考にして作ります。(エレメントの製作方法)

   調整しながら組み立てるので、最初に50MHzのアンテナ部分だけを組み立てます。

   輻射器、反射器とも2つに分けてブーム上で結合しますので片側2000mmです。


エレメントの構成です。


 4.調整

  (1)50MHzのローディングコイルを所定の位置に入れ、エレメントの全長を2x1000にします。

  (2)50.0から50.6MHzまで100KHzおきにSWRを測定します。

  (3)最終結果のSWRカーブになるようにL1からL4の巻き数を加減します。。

     最良点がずれていたら、輻射器と反射器の両方を均等に1/4回位増減させます。

     最良点でSWRが落ちない時は輻射器と反射器を別々に増減させると良い場合があります。

     調整が取れてきたら最後はヒゲエレメントを10mm程度増減させて合せ込みます。

  (4)50MHzのトラップ(L5-8)とヒゲになるエレメントを取り付けます。

     28MHzエレメントの長さはコイルの付け根までになるので、パイプはコイルの分だけ短くなります。

  (5)28MHzのSWRが下がるように、50MHzと同様にL5からL8の巻数を調整します。

     調整が取れてきたら最後はヒゲエレメントを10mm程度増減させて合せ込みます。

  (6)50MHzのSWRが調整時(3)と同じになるまで同軸コンデンサーを1mm位づつ短くして行きます。

     コンデンサーを大きくする方向になった時はコイルを少し縮めるか巻数を少し増やします。

     この時は(5)に戻って、ヒゲを再調整して下さい。

  (7)28MHzのトラップ(L9-12)とヒゲになるエレメントを取り付けます。

  (9)21MHzのSWRが下がるように、28MHzと同様にL9からL12の巻数を調整します。

  (10)28MHzのSWRが調整時と同じになるまで同軸コンデンサーを1mm位づつ短くして行きます。

  (11)21MHzのトラップ(L13-16)とヒゲになるエレメントを取り付けます。

  (12)14MHzのSWRが下がるように、21MHzと同様にL13からL16の巻数を調整します。

  (13)21MHzのSWRが調整時と同じになるまで同軸コンデンサーを1mm位づつ短くして行きます。

  (14)50、28、21、14MHzのSWRが調整時と同じになっているかどうか確認します。


 5.完成

  (1)調整前のシミューレーション結果。

各周波数のSWR特性



  (3)SWR周波数特性

     シミュレーションより良い結果が出ています。シミュレーション方法は改善の余地がありそうです。

     14, 21MHzの帯域幅は予想通り狭いのですが、CW周波数範囲内ではSWR=2.0に収まっているので使えそうです。

     28, 50MHzの帯域幅は予想より広くなりました。なぜ???です。



  (2)調整後の各部寸法



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