私がもっとも良く比較試聴した、3.5Wの出力管である2A3。
左が7年前に購入して、今では先っちょが茶色になってきた、金文字プリントのCRなんだけれども日本選別のプリントがあるもの。
右が、最近購入した青文字プリントのある商社選別の中国球。写真の写りの関係で、外観に差があるけれども、作りも音もほとんど違いがわかりません。
ガラスの下半分くらいが銀色に光っているんだけれども、これが「ゲッター」といわれる、真空度を保つための吸着剤の類なんだけれども、さすがに7年使うと、半分くらいに減っていますね。
味わうべきは、小さい写真(10日前)と大きい写真(10日後)で、右側の青プリントのゲッターのつきが、若干減ったことがわかる点です。ようするに、昔の高い球のように、数十時間通電後に検査、出荷ということをしていないので、新品に火入れした直後は、かようにゲッターが減ることもありますが、けしてそのままゲッターが減り続けるわけではないです。
小さいほうが10日前の写真です。購入時期で7年、流通経路も違うのに回してみると、そっくりでしょう。
上記は、安い球は、バーンインが必要、選別ブランド、マッチドペアというのも?というのを言うための例です。落ち着けば、どの球でも長いこと使えることにはかわりありません。もちろん、無選別のはいきなり壊れても換えてもらえないでしょう。
左の赤いマークのついたのが、ソブテックの一枚プレートの2A3です。
一枚プレートというのは、RCAの初期にあったもので、ガラスの中の灰色-黒の鉄板で覆われた部分に、カマボコとも背骨ともいえるふくらみがわかるとおもいますが、それが右の中国球は2本、左のソブテックは一本です。
形状が、RCAともまったく違い、多く流通したRCAが2枚プレートだったことから、言われないと2A3に見えないソブテックの2A3ですが、2002年一月現在で、これが低歪で初期変動も少なく、一番良いと私は大変気に入っています。
これを見かけたら、買えるだけ買っておきましょう。
左の赤いマークのついたのが、ソブテックのKT-88です。
ソブテックのKT88は形状が、GECとも、写真の右の曙光電子系?の中国球とも、まったく違い、KT-66に見えるのですが、ちゃんと使えます。
ガラス管としても丈夫ですし、形状がGECなどのクローンである必要は無いのです、、といいたい所ですが、実際アンプに刺すと、音は良いし、安定度もピカイチなのですが、プッシュプルなどで並ぶと、見た目は「間抜け」で最悪です。
これも見かけたら、買えるだけ買っておきましょう。
右が、先のソブテックKT-88、左がJJスロバキヤのEL34です。
ともに5極管ですが、ギターアンプ用途で、新造管が安定供給されています。