5.2 Forest Glen Sanctuary

 8月13日水曜日、夕べは晩飯も食わずに寝てしまった子供たちは朝から元気いっぱいだ。今日はオーストラリア旅行の目玉の一つであるカンガルーやコアラとの対面だ。ここ、Forest Glen SanctuaryはNoosaからKlausの家のほうへ戻り、さらに少し行き過ぎたあたりにある。つまり、よりBrisbane寄りにあるというわけだ。 ここを選んだのは、Sunshine coastで唯一といってもよいくらいの動物園だからだ。動物園といっても、いるのはシカにカンガルー、コアラ、ウォンバットそれにエミューくらいしかいない。コアラ以外はほとんど放し飼いになっており、園内を車で回れるようになっている。富士サファリパークと同じスタイルである。
 午前10時15分、Noosaのアパートメントを出発する。距離的にも30~40分くらい走ればいけるので結構のんびりしたものだ。車はNoosaへ来るときとは違い、Bruce Highwayを使うため、いったん西に向かう。EumandiでBruce Highwayに乗る。Klausにもらった地図を頼りに走る。Highwayといってもこのあたりのいなかだと片側一車線だ。
 午前11時ごろ、看板を頼りに走っていけば自然と到着した。入り口らしきところには人がいない。クラクションを鳴らせと書いてあったので鳴らすと、中からアルバイトと思われる女の子が出てきた。まあ、のんびりしているというか、客がいないというか。。。。。
 とにかく入り口で子供二人分のえさ込みでAUD$28.-払い、中に入った。前後には車は僕らのMagnaだけだ。車は林の中を進む。少し離れたところにシカがいる。僕らの車に気づいたようで、こちらに寄ってくる。えさをもらいなれているようだ。
 子供たちはえさをほおり投げている。とても手渡しでは食べさせられないようだ。えさをやるだけなら、手に噛みつくことはないと思うのだが、いやなのだろう。最初は放り投げていたのが、だんだんシカたちが近づいてくると、窓を少し開けた状態でやるから、シカの唾が窓にべっとりとついてしまった。これには参った。
 僕はというと、一眼レフのEOS55で寄ってくるシカを何枚か写した。運転席に座ったままだから、体をうまく曲げられず、ポジションが定まらない。 そこから、また少し移動すると、カンガルーがいた。カンガルーもえさをもらい慣れているので、寄ってくる。やはりオーストラリアへ来たのだから、シカよりカンガルーのほうがウェルカムだ。


車へ寄ってきたカンガルーを映す。車を見つけると、餌をもらえることが分かっているので、たくさん寄ってくる。

 近くで見るカンガルーは、なんだかいろんな顔をしたやつらである。シカはどれを見ても顔が変わらないが、カンガルーは人間のように一頭づつ顔が違って見える。なかなか表情を見ているだけでも面白い。
 ずっと止まったままにしていたら、後ろから車が近づいてきた。少ないといっても、お客はちゃんと来るようだ。 時間にして20〜30分くらいかかっただろうか。園内を一回りした。富士サファリパークのような猛獣はいないが、窓を開けてシカやカンガルーなどに触ることもできる(さわりはしなかったが)ここはなんとものんびりしたところである。
 ぐるっと一回りした後、コアラのいるところへ行った。コアラの飼育施設といっても、東山動物園のように(僕は行ったことないが、新聞などで見る限り)、ガラス張りのしっかりしたものではない。檻もなく、人間さまが直接触れないように、高さ1mほどの柵があるだけである。それも半分屋根があるが、半分は露天だ。写真だってバシバシフラッシュたいて撮ってもおこられない。第一飼育係はそこにはいないのである。ほんと、小学校にあるウサギや鶏の飼育小屋と同じ感覚だ。


何をするわけでもなく、ただ木に掴まっているコアラ。
間近で見るとやはり愛嬌がある。

 飼育されていたコアラは5頭くらいいただろうか。みんなユーカリの木の上でじっとしている。その中の一頭は母コアラで、赤ん坊コアラを背負っていた。子供たちも、もちろん僕も見るのは初めてだから、じっくり見せてもらった。周りにはそんなに人はいないから、ほぼ独占状態で見ることができた。
 コアラを見ると、次にしたくなるのが、コアラを抱いた写真撮影だ。なになに、看板を見ると、お一人さまAU$4.-と書いてある。ポラロイドで写真を撮ってもらうと、AU$8.-のようだ。レストラン件管理事務所へ行き、係りの人にお金を払い、子供たちが抱っこするのだ。

コアラを抱いてご満悦の子供たち。

 コアラを柵の中から出してもらい、指定された撮影場所に連れて行く。まずは上の子供が抱っこ。EOS55で何枚か撮った。ストロボはガイドナンバー48の大き目のやつだから、ばっちりいい写真が取れると思ったが、何と、ここで大失敗をしでかしてしまったのだ。何カットか写真を撮って、それじゃあ最後に家族で撮ってもらおうとカメラを係りの人に渡し、ふとカメラに取り付けられたストロボを見ると、やや上を向いているじゃないか。このストロボ、首振りができるようになっていて、バウンス撮影できるのだが、こんなオープンなところではバウンスどころではない。いやな感じがしたが、撮ってしまったものは仕方がない。果たして、現像があがってきた写真を見てがっかり。その大半は光が半分しかあたっておらず、撮ったからだの上半分とか、左半分しか明るくなかった。うーん、まったく残念なことをした。もう少し、注意深く撮るべきだった。せっかくの記念の写真になるはずだったのに。。。
 さて、話を元に戻そう。時間はとっくに12時を回っていた。管理事務所的なレストランで、簡単に食事を済ませ、今度はウォンバットのいるエリアに行ってみた。ウォンバットはしっかり柵に囲まれていて、触ることはできない。というよりも、触ると危険な動物らしい。


ずんぐりむっくりのウォンバット。これもコアラと同様、何とも愛嬌のある姿だ。

 このウォンバット、ずんぐりむっくりした体つきで見た目は愛敬たっぷりだ。子供たちはいっぺんに気に入ったようだ。が、コアラのように触ることはできないから、少し見ていただけで飽きてしまった。
 このウォンバットの柵のすぐ隣が、カンガルーが放し飼いになっているエリアで、ここは面白かった。最初は恐る恐るカンガルーに近づいていったが、彼らはちっとも動じず、逃げる気配が無い。すぐ横まで来ても大丈夫だ。そして体をなでたりしてもぜんぜん平気。こうなったら子供たちもすぐ近くにきて、いっしょに写真撮影だ。しっかりと飼い慣らされているようだった。
 ここのエリアには5、6頭のカンガルーがいた。彼らの顔つきがなんだか年いったおじさんみたいな顔のやつがいたりして、なかなか面白い。エリア内にいるさまざまなカンガルーにそれぞれ近づいてみた。中には近寄ると嫌がるのもいるようで、2本足でぴょんぴょん逃げるのもいる。おっ、これはめずらしい。檻の中のカンガルーでは、絶対見られない光景だ。それに結構速い。流し撮りを試みたが、うまくいかなった。フレームの中央に入れるのは難しい。




カンガルーと遊ぶ子供たち。
全然人間を怖がらないので、さわっても平気だ。でも、ほんとにさわっても大丈夫かな?

 しっかりとカンガルーと遊んだ後、またコアラのいるところへ戻ってきた。すると、中国人団体客がコアラを見ていた。こんな光景、日本人とまったくいっしょである。
 とにかく、今日はオーストラリアの目玉の一つのコアラ・カンガルーと対面できたので子供たちも満足しただろう。 午後2時10分、Forest Glen Sanctuaryを出発してBig Pineappleへ向かうことにした。そして5分後到着。ここはパイナップル農場を、ちいさな汽車で一回りできるというのが、うりのようであるが、何と入場料を取るではないか。うーん、これだけのことで金を取るならと、入るのを躊躇してしまった。
 ところが、入り口脇に車を止めた目の前は、パイナップル畑で、その脇から中へ入れるようだ。まあ、いけないことといえばいけないことだが、ちょっと中に入って、土産物のパイナップルでもあるか見たいと思い、家族でそうっと畑をすり抜け、何食わぬ顔で中へ入っていった。土産物屋をぐるっと見て回ったが、特に目新しいものもなく、今度は出口から堂々と出ていった。
 まあ、ちょっと肩透かしを食ったBig Pineappleだったが、入り口のすぐ隣にある。大きなパイナップルの張りぼての中に入ることができて、子供たちも喜んでいたからよしにするか。

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