Key Click Mod by Inrad (準備中)

 

* FT1000MPのKey Clickに関してはW8JIのWebに詳細が書かれています。Inradの改造もW8JIの方法の簡易版です。興味のある方はご覧ください。

 

概要

FT1000MPはCWキーイングの波形(立ち上がり立下り)があまりに俊敏なためキークリックを引き起こします。このこの改造では符号の立ち上がりを2.4ms→4.0ms立下りを1.0ms→2.2msになまらせることになるそうです。

 

Inradからのdocumentはこちら

改造の実際

 

IFユニットの指定個所にR+Cを追加、RFユニットにRを追加

改造の手順

最初にお断りしておきますが、改造自身はR+Cを一箇所、Cを一箇所追加するだけの回路的には簡単なものですが、作業的には泣きが入りそうなくらい大変なレベルのものです。MPと心中するくらいの覚悟のない方は止めておいたほうがいいと思います。

まずはネジを全部はずして上下カバーをはずします。

最初の改造はIFユニットですからIFユニットの場所を確認します。IFフィルタが並んでいるのがIFユニットです。基板がとまっているネジを全部はずして、基板が裏返せるようつながっているケーブルをすべてはずします。はずしたケーブルの場所は覚えておきましょう。(基板に色が印刷されています)

基板をひっくり返したら、documentと基板をよく照らし合わせて部品を取り付ける場所を探します。見つけたら場所にあわせて送られてきたCとRを加工します。CにRを抱き合わせて(逆でもいいですが)サイズをあわせてきります。準備が出来たらこんな風に

CRをつけます。パターンが細かいので老眼が入ってくると虫眼鏡があるといいかもしれません。明るい照明が必要です。念のため基板パターンとの絶縁のためビニルテープを切ってはさんでおきました。

 

さてもうひとつのCはRFユニットにつけます。実はこのボード、ファイナルユニットの下にあるんですねえ。まずMPをひっくり返してねじをはずしてファイナルユニットをひだりっかわによけます。

これだけで内容物のかなりの部分をどけてしまいますので筐体がゆがんでしまうみたいですねえ.(あとで戻すときねじが簡単に入らず大変でした。)下に見えているガラスエポキシのボードがRFユニットです。こいつのねじをはずして、後ろに出ているジャックを(前にずらして)穴からはずして左側に立てかけます。

これで裏(半田)面が出てきました。出すだけならこれで終わりなんですがねえ。こいつに半田付けするんですよ、この状態で。半田付けするのは右側やや上。で、

こんな感じ。中央に見える表面実装のTrにくっついている黄色いCが追加分です。サイズにあわせてCの足を切ります。はじめて表面実装の部品に半田付けしましたが半田ののる部分が小さいので半田ごてでCをくっつけるのは至難の業です。Trに予め半田を盛ってくっつけたわけですがなかなか大変な技です。あんまり時間を掛けてTrをお釈迦にしたんじゃ元も子もないし。なかなか神経を使いました。

 

でその苦労の甲斐があったかということになるわけですが…

効果の程

 

事前にMPをダミーにつないでCWで短点の連続(約35wpm)を100W送信して、漏れる電波をIC706(CWモード500Hzフィルタ)で聞いてみました。かなり硬い音で、約1.34kHz幅のご本尊の信号の下約0.8kHz、上約1.3kHzにSは振らないながらもカツカツとキークリック音が聞こえます。成る程、実害はそれほどではないかもしれないけれど聞いて分かるくらいのキークリックです。

この改造では符号の立ち上がりを2.4ms→4.0ms立下りを1.0ms→2.2msになまらせることになるそうです。

改造後に同じように符号を聞いてみると信号の上下に聞こえていた耳障りなクリックは綺麗になくなっていました。またご本尊の信号自身もちょっと角が丸くなって耳障りでなくなったようです

耳で聞いて分かる位改善されるとは思っても見ませんでした。

尚、キークリックmodについてはW8JIのWebに詳しく出ています。興味のある方はご参照ください。

 

* 1000MPのMLで最近”key click modを施したら信号が丸くなりすぎて了解度が下がった”という書き込みがありました。私自身はそう感じていませんし、相手の局からそういわれたこともないのですが、相手の局がわざわざ指摘してくることもあまりないかもしれません。改造してみて何かお気づきの方がおられましたら教えていただければ幸いです。(2002/12)


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