W4BPD, Gus M. Browning の手記 ・ DXpedition物語 (その40)   アマチュア目次へ戻る

                                                        
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第19章 (3) ひどく血だらけのデッキ    

 WXステーションを運営していた4名の人達と船の4名の乗組員達が、そこの起伏の多い土地の上の、
古い手入れのされてない、錆びたように見える起重機へ行こうとしました。彼らは、船の無線オペレータ
ーと連絡を取るためのウォーキートーキーを持っていました。(それはCB無線機でCB周波数だったと思
います。)

 私たちは、島のまわりの水辺のあちらこちらで、沢山のアザラシ、セイウチ(ひどく汚れたように見え
る生物)それに何匹かのペンギンを一寸見たあとで船に戻りました。ペンギンはひどく野性的で、私たち
が近づいたら水の方に向かいました。ペンギンは水に潜り、沖の遠くに行くまで決して姿を見せませんで
した。老いたセイウチは、絶えずうなり声をあげ、泣き叫び、もしセイウチに近づくと飛びかかられそう
でした。

 私たちは船で昼食をとり、それから岸に居る乗組員達と作業の進捗状態について連絡をとりました。彼
らは遅れていると言いました。彼らは、それを設置するための場所にデリックのパーツを届けるには、そ
の日の残りの時間全部かかるだろうと言いました。私は、その夜は岸からの運用はないだろうと思いまし
た。

 そこで、岸にいる乗組員達が、その夜船がどこに居るかが判るように、船の全ての燈火を点灯しました。
そして、それは、その場所でするにしては非常に悪いことでした。
 それはこのようでした;真夜中頃、私は上陸するのは翌日になるだろうとその時仲間達に言いながらオ
ンエアーしていました。乗組員の一人が、ドアをノックしてもし私が珍しいものを見たいなら、デッキに
出ないかと私に言いました。私は外へ出ました、そして、私がこれまでに見たこともない、とてもひどい
血塗られた光景を見ました。

 ゴフ島の周囲には何百万匹もの夜飛ぶ鳥が居たに違いありません、そして船の燈火が彼らの目をくらま
していました。鳥たちは、船の燈火に飛び込みました。鳥たちは、首が折れ、羽が折れ、何匹かは頭が取
れて、あるいは鳥の胃袋が飛び出してデッキの至るところに散らばっていました。そこら中が血だらけで、
鳥の胃袋の中からの小魚が至るところに散らばっていました。デッキはひどく臭く、船とシールドされた
燈火のサイドに飛び込んで無惨に死んだ鳥達を見て吐き気を催しました。船長は、たちどころに、船の燈
火を消すように乗組員に言いました。

 私はオンエアーして、何人かの仲間にデッキの至るところで起きた、鳥たちのこのひどい混乱を言いま
した。そこで起きた全ての混乱について、判らせられたかどうか私は確信していませんが、私は仲間達に
告げようとしました。

 私は、午前2時頃に寝ました、そして、午前6時頃に起きました。私はデッキに出て、そして、至ると
ころが混乱していました。船尾から船全体にホースで水をかけねばならず、至るところのデッキのそれら
の生臭いにおいを取り除くためにごしごし擦られました。それから、私たちは岸にいる仲間達とウォーキ
ートーキーで連絡しました。彼らは、デリックを組み立て始めていました、それから、食事のコールでし
た。

ゴフ島へ下船

 その後で、乗組員達がその汚れを掃除しているのを見ました。それから、岸の乗組員達に別のコールが
あり、彼らは昼食後のどこかの時間でデリックは組上がるだろうと言いました。私は、一寸眠るために、
寝床に潜り込み午後4時頃に目覚めました。

 彼らは、もう少しでデリックを組み上げるところでした、しかし、東南からの風に変わり、私たちがロ
ードアップするために使おうとしているバスケットを持ち上げるデリックの場所のまさにスポットの下で
10フィートの波が砕けました。上陸することは今や不可能でした、そして私たちはさらに一晩船で過ごし
ました。

 私は再びオンエアーに戻り、日中に何が起こったかを仲間達に言いました、そして、疑いなく翌日には
私は固い台地の上にいるだろうと彼らに告げました。私は、彼らが失望したのが判りましたが、私が失望
したほどではなかったと思います。やれやれ、私は、MMで運用する代わりに、カウントされる場所から
運用したくてたまらなかったのです。

 その夜、私は真っ暗なデッキに出ました、そして私は間抜けにもフラッシュライトをひらめかせたとた
んバン!私がそのスイッチを切る前に2羽の鳥が私にぶっつかりました。その光は、一切れのチーズがネ
ズミを引きよせるように鳥たちを引きつけました。私は、夜間に、それらの鳥がいるところでライトを持
つことは危険だと知ることが出来ました。

 私は、その夜早く再び寝床に戻りました。私は、翌日には間違いなく行われるのを判っている翌晩の運
用がピークコンディションになることを望みました。私は、翌朝午前7時頃に起きました。デッキに出て、
どうなったかを私は見に行きました。今回は、僅かに数羽の鳥があっただけでした。なぜなら、その夜は、
船は真っ暗で鳥たちは前の晩のようには船に引き寄せられませんでした。

 上陸していた乗組員達はウォーキートーキーで呼ばれ、全てはそこに全部セットされて、彼らはデリッ
クで積み上げられるべき最初の荷をQRXしていると、私たちに言いました。その時、私は船長に、無線
機と一緒にデリックで積まれる最初の荷になりたいと言いました。彼は、OK、次にあなたの無線機を陸
にあげる準備をするようにと言いました。全く、それは何の問題はありませんでした、あらかじめ、私は
既に必要な準備の殆どを済ませていました。

 上陸用のボートが船のトップから下ろされたときのデッキの場所に、すべての物が置かれました。ガソ
リンの一個のドラム缶が無線機の横に置かれました。無線機が中に入っている私のスーツケース全部と、
W8PQQが一月前に送ってくれた油紙で上手に包まれた防寒具と一緒に上陸をQRXしていました。

 殆どがロックロブスターからできた急ぎの朝食のあと、(わたしは、もうそれは飽き始めていました)、
全てのものが積まれた上陸用ボートは下ろされました。積まれたものは、沢山の材木、釘、ボルト、ネジ、
ハンマー、鋸、そして、大工道具でした。私たちが船を出発したとき、ボートは本当に一杯でした。早い
時間には、海は、かなり穏やかな様子だったと私は言います。

遂にゴフ島に    

 私たちは、遠くのその真っ直ぐ切り立った崖へ向かいました。私たちがそこにより近づくと、崖はより
高く見えました。遂に、私たちは丁度その真下に着きました;それは、実際に非常に高く、荒々しく、乱
雑に見えました。私たちは、ウォーキートーキーを持っていてデリックの仲間を呼びました、そして言い
ました、「彼女を下ろして」と。およそ12フィート四方の大きさで、床がベニヤ板の大きな金網の籠が下
りてきました。

 檻のようなのが開けられ、それら建築用の材料と一緒に、私と私のジャンクが押し込まれました。全て
が籠の中に置かれました、そして籠のトップのワイヤーがロックされました。それは、内側からは開ける
ことができませんでした。私は本当にその中に閉じこめられました。崖の上に居る仲間に私たちを上げる
ように、信号が出されました。私は、遠くに行きました。

 遂に、私は固い地面に行く途中でした、しかし、私がそこへ着くかどうか確信はありませんでした、な
ぜなら、デリックのスチールケーブルはひどく錆びているように見えることに私は気がつきました。付け
加えれば、上げられているとき、ケーブルはひどくきしみ、うめき声をあげていました。私は、南大西洋
の未知の島にある、ひどく旧式のようなデリックによって上げられている籠の中に、野生の動物のように、
閉じこめられて居ました。

 時に、DXpeditionでのクレージーな仲間達は、私たちが「ニューワン」と呼ぶものを仲間達に与える
ために、殆ど何でもするでしょう。私が岸に上げられている間に、もしそのケーブルが切れたら、
DXpeditionは突然の中止がやってくるだろうと私は確信しています。私は「怖かった」ですか?もちろ
ん「私は怖かった!」また、それは、控えめに言ってです。

 上がる途中で、私は、崖の横側に全ての鳥の洞窟があるのに気がつくチャンスがありました;それは、
まるで百万もあるように見えました。それらのひとつひとつに一羽か二羽が居ました。鳥たちは、私を見
ていて、私が通り過ぎたときなにかギャーギャーと鳴きました。私は社交的になったように鳥たちに手を
振りました。

 私が、ほぼ中間まで昇ったとき私は船を見ました、それは非常に小さく、そしてはるか下の方に見えま
した。もしそのケーブルが切れたら、その金網の籠は、確実に大きく飛び散り、それからその岩だらけの
ラグーンの底へ沈みます。私にとって、それは「この世からおさらば」です!」

 トップに上がるまで、少なくとも10分はかかったと私には思えました;多分、それは僅か数分でした
が籠の中の私にとっては、はるかに長いように思いました。籠がトップに着いたとき、水際の方から揺す
ぶられました、そして、大きな落下をしなくて、私は救われたと確かに感じました。その、黒い岩のよう
に見える崖は、たしかに大丈夫なようでした。私は、下ろされ、籠の錠が開けられたとき籠から出ました。
遂に、私は固い地面の土地の上に居ました、再び私が行うQSOはDXサーのためにカウントされるでし
ょう。

 上陸した男達は皆、私がすることに非常に興味を持っていました、それでも、なぜ私がゴフ島からオン
エアーするハム局を設置するためだけに、その沢山のトラブルのあるところへ行くのか、彼らは理解でき
ませんでした、楽しみは、いま直ぐに始まろうとしていました。
 
092M042007   2007.4.19
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