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発振回路の実験をしているとき、その回路が発振しているかどうかを調べるにはどうしたら良いでしょうか。
こんなときRFプローブがあると実に便利ですね。
回路は実に簡単で第1図に示す様なものです。
回路が簡単ですから必要が生じたときにその都度バラックで作っても良いのですが、この際、実用品としての1本を作って見ることにしましょう。
使用する部品は次の通りです。
(1)真鍮線 1.4φ 50mm
(2)コンデンサ 2pF 1
(3)コンデンサ 1000pF 1
(4)Geダイオード(1N60、OA90等) 2
(5)同軸ケーブル1.5D2V 650mm
(6)2X6X10碍子(せともの) 1
(7)カラー3X8 1
(8)5mm熱収縮チューブ 40mm
(9)アルミパイプ外8mm、内6mm、長さ130mm
(10)テスターチップ(後で説明します)
(1)部品を第1図の番号の順に組みたてます。
(2)配線が終わったら同軸ケーブルの先端をテスターのDC電圧計につなぎ、RFプローブの先端をハンデイトランシーバのアンテナの部分にさわり「送
信」にしたときメータが振れることを確認してください。
(3)組みたてた部品が装填するパイプ等でショートしないように熱収縮チューブをかぶせ、ヘヤドライヤで加熱収縮させます。
(4)アルミパイプの中に(3)までで作った回路を入れ、真鍮線、碍子とアルミパイプの部分とカラーと同軸ケーブルの部分をエポキシ接着剤(2液混合
型)で固定します。
(5)テスターチップはあなたがいつも使っているテスターにあわせて選んでください。後に紹介するキットの#006には直径が2mm(細)のもの
4mm(太)の物があります。また、後に述べる#244のバリアブルフルスケールメータ用として3.5φのイヤホンプラグを用意したものもあります。
(6)接着剤が固まった段階で真鍮線の先端を都合の良い長さで切り、先端部をやすりで尖らせます。この先端部をハンダメッキしておくと接触不良を起しに
くくなりますのでおすすめします。
(1)RFプローブをテスターにつなぎ、先端部をRF電圧の発生している所に触ればテスターの針が振れます。 振れの大小でRF電圧の大小が判り
ます。
ただし、テスターの示す電圧はRF電圧の絶対値ではなく、あくまでも相対値ですからご承知おき下さい。
(2)RFプローブに使用するテスターは「アナログテスター」を使用してください。「デジタルテスター」ですと、同調回路の電圧の最大点に調整しようと
いう場合に、数字が変わるだけなので感覚的に何処が最大点なのか判りにくいためです。
(3)RFプローブには「アースラインがないので電圧が検出できないのでは……」と心配される方がいらっしゃいますがその心配は要りません。実際に作っ
て使って見れば一目瞭然です。
高周波の回路実験をやっているとRFプローブは実に便利な測定器です。しかし、困ったことも起ります。それはテスターを1台独占されてしまうとい
うことです。
そこでおすすめするのがこの「バリブルフルスケールメータ」です。
回路は実に簡単で、第2図に示すようにラジケータに、スイッチで直接か、250kΩのC型カーブのボリュームをシリーズにつなげただけの物です。
入力端子は3.5φの2Pイヤホンジャックを使いました。ここにRFプローブまたはテスターリードをつなぎます。
スイッチが1つ設けてありますが、スイッチを下側に倒しておけば只のラジケータで、RFプローブのメータとして使うことができます。感度はいつも一定で
すから、発振の強さがどうであるかという様な比較にも使えます。
スイッチを上側に倒せばラジケータの感度を自由に変えることができます。
ボリュームは250kΩのC型カーブの物を使用しています。パーツを自分で調達するときはC型カーブのボリュームは手に入りにくいですからB型カーブの
100kΩか250kΩを使用してください。
バリアブルフルスケールメータはタカチのSW-75Bというケースに入れて非常にスマートな物に仕上がりました。
(1)ケースの工作図面を第3図に示します。ケースがプラスチック製ですからアルミケースとは工作法は少し異なりますが、ドリル、やすり、リーマ、ナイ
フなどがあれば比較的簡単に工作することが出来ると思います。糸鋸も有効な工具です。
(2)メータの目盛はそのままでも良いのですが、10分割目盛に変えたい方は第4図の目盛版と交換してください。この目盛板は見たところでは等分目盛に
なっていませんがキットに使ったラジケータで実測したものです。メーターをご自分で調達する場合にはラジケータによって目盛が違うものがありますから実測
して目盛板を描いて下さい。
(3)配線は簡単ですが間違わないように気をつけてください。
(4)テスターリードは第5図に示すように赤黒のツイストビニル線に3.5φのイヤホンプラグとみの虫クリップを取り付けたものです。
(5)バラック組みたてが終わったところ(メータを接着剤で固定する前)で動作テストを行ないます。
テスターリードを取り付け、スイッチをボリューム側に倒しておきボリュームを回して真ん中辺にセットしておきます。乾電池を電源としてメータを振らせボ
リュームを回してメータの振れが変化することを確かめてください。
(6)メータをエポキシ接着剤でケースに固定してください。
(1)RFプローブ用メータとして使う場合はスイッチは固定にして置くことによって発振強度をいつも同じ目盛で測ることが出来ます。もし目盛を振
り切ってしまうようなときにはスイッチをボリューム側に倒して下さい。
(2)テスター(電圧計)として使う場合はその装置の電源電圧でメータが振るスケールを示すようにボリュームを調整してから各場所の電圧を測ることに
よってその場所の電圧が電源電圧の何%の電圧であるかを読み取ることが出来ます。これがバリアブルフルスケールメータの名前の由来です。
(3)使用する回路の電源電圧をこのバリアブルフルスケールメータに入力し、ボリュームを調整させてメータを振るスケールにセットします。その時のボ
リュームのつまみ位置を目盛としてふって置けば、未知の電圧をボリュームの目盛から読み取ることも出来ます。
このように非常に簡単な回路であっても結構有意義な測定器を作ることが出来るものです。測定器を自作することによって今まで良く判らなかった技術
的な疑問が自然に解けていくこともあります。ぜひこれを機会に簡単な測定器を自作していこうではありませんか。
なお、このRFプローブとバリアブルフルスケールメータのキットは下記から発売されています。
228-0004 座間市東原4-23-15 有限会社FCZ研究所。電話046-255-4232。価格は、#006=\860(チップの細2mm、
太4mmの指定をしてください)。#244=\860、#038=1,960 共に消費税・送料込みです。
<第1図>RFプローブ回路図
<第2図>RFプローブ内部構造図
<第3図>バリアブルフルスケールメータ回路図
<第4図>ケース加工図(表から見たもの)
<第5図>メーターパネル
<第6図>テスターリード
<第7図>外観と実体図
<第8図>目盛の振り方