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寺子屋シリーズ239 雨降り検知器


 空は晴れ渡って絶好の洗濯日和です。 しかし、これが曲者、空が急に暗くなったと思うとすさまじい勢いで雨が降ってきました。 夕立ちです。洗濯物を早 く取り込まないとグショ濡れです。
 そこで考えたのが「雨降り検知器」です。
回路は非常に簡単なものですが、家の中で仕事をしていてブザーが鳴るので外を見ると雨が降っていたという優れものです。
 電子回路製作の入門用の回路として最適です。


回路の説明

 第1図に示す2つの電極の間に水滴が落ちますと電極間の電気抵抗が小さくなります。つまり、電気が流 れやすくなります。
 第2図を御覧ください。電源電圧(9V)からR1(1MΩ)の抵抗を通して先ほどの電極に電気をかけておきます。 電極が水で濡れていなければ2つの電 極間の電気抵抗はほとんど無限大ですから電流は流れません。つまり電極の両端電圧は9Vということになります。
 R1と電極の間に第3図のようにC MOSのゲート(1)を接続してみましょう。 このゲート(1)の入力電圧が電源電圧の1/2以上のとき(電極が乾 いているとき)、その出力は"L"となります。
 雨が降ってくると電極の間に水がかかり、電極間の電気抵抗が低下します。 そしてその抵抗値が1MΩ以下になるとゲート(1)の入力電圧が4.5Vより 下がり、出力が"H"になります。
 出力が"H"になったときブザーがなるようにすれば「雨が降ってきたらブザーがなる」回路ができるわけです。
 しかしこのままでは、いったん雨がふりだすとブザーがなりっぱなしになってしまいます。 そこで
ゲート(1)の出力をゲート(2)に入力します(第4図)。ゲート(2)の出力はゲート(1)の出力が反転していますから、電極が乾いているとき出力があ り、雨が降ってくると出力がなくなります。
 この二つの出力をスイッチで切り替えることによって「雨が降ってきた」ことを知ったらブザーを切ることができます。
 しばらくして、雨がやんで電極が乾くとブザーが再びなり出します。スイッチを元に戻すことによってブザーはなりやみ、再び雨が降りり出すのをワッチする 体制に入ります。
 C MOSの4011はゲートが4っありますからゲート(3)と(4)を使ってブザーを鳴らす発振器をつくります(第5図)。 ブザーはセラミックブ ザーを使います。


作り方

 全体の回路図を第6図にプリント基板のパターンを第7図に示します。
 部品の取付けは第8図を参照してください。CMOSのICは静電器に弱いですから扱いになれないうちはICソケットを使うようにして下さい。


テストラン

 基板の配線が終わったら、電池、ブザー、スイッチ、検知電極を仮に取付けてテストをします。 もしそ のままでブザーがなり出したらスイッチを反対側に倒してください。
 検知電極に水を一滴落としてみましょう。 ブザーがなり出すと思います。スイッチを反対側に倒すとブザーはなりやみます。
 水を拭きとってしまうと(電極が乾燥すると)またブザーがなりだします。 部品の取付けが正常でハンダ付けがしっかりできていれば確実に働きます。
 うまく働かなかったときは何処かに部品の取付けミスがあるか、ハンダ付け不良がありますから良く調べてください。


 
ケースに入れよう

 動作が完動したら好みのケースに入れましょう。 回路が同じでもケースが違えば見違えるようにカッコ 良くなります。第9図を参考にあなたのオリジナルなケースにいれてください。


バリエーション

 (1)検知電極を第10図のようにするとお風呂の水位検知器になります。
 (2)第11図のようにLEDをつけると雨が降ってきてブザーがなり、スイッチを切り替えても電極が濡れている間、LEDが点灯します。     
 (3)発振器のコンデンサC1の容量を第11図のように、3.3μFにすると1秒間に約2回程度のオンオフ信号を得ることができます。 ブザーを発振器 内臓のものに交換することによって間欠的なブザーを鳴らすことができます。この際、電解コンデンサの極性に注意してください。
 (4)本機はブザーを鳴らしているときを除いてはほとんど電流を消費しません(約10μA)。 待機の場合電池の消耗はほとんどありませんから電源ス イッチはなくても構わないのですが、検知が不要な場合は電池をはずすか、電源スイッチを取付けてください。