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「マグネチックマイクロループアンテナ(以下MMLと略)」というアンテナがあります。
このキットは430MHzのMMLアンテナを作るものです。
MMLアンテナは、第1図に示すような全長1/4λ以下の小さなループアンテナをバリコンを使って送信周波数に共振させます。 するとこのループから磁
力線が発生します。 次の瞬間電流の流れる方向が反転し、この磁力線の変化によって電気力線が発生します。
こうして発生した磁力線と電気力線のチェーンがすなわち「電波」なのです。
MMLアンテナのラジエタになるループの全長は一般的に0.1λから0.2λ程度です。
435MHzの場合、0.1λで68.9mm、0.2λで137.9mmになります。 こんな小さなループですからプリント基板で作れば再現性は非常に
良くなるはずです。
これを「MMLプリンテナ」(別名ループプリンテナ)と命名しました。
第2図をご覧ください。 430MHzのMMLプリンテナの基板です。 両面ガラス基板にラジエタループをプリントします。 このプリント基板に給電
ループとトリマコンデンサ、及びBNCコネクタを取り付けるだけで430MHzのMMLプリンテナができ上がります。
(1)第3図に示すように、コネクタのセンターピンに1mmの錫メッキ線をハンダ付けします。この時
センターが歪まない様に気をつけてください。
(2)錫メッキ線に3X15の碍子(セトモノ)をかぶせ、コネクタにセットします。
(3)第4図のようにコネクタを(1)の切り込みにはめ込み、プリント基板の両面でハンダ付けします。この作業は必ず60W以上のハンダごてを使い、速
やかに行なってください。
(4)コネクタから出ている錫メッキ線をコネクタの方に押し込んでから適当な長さに切り、マイクロストリップライン(プリント基板の細いライン)にハン
ダ付けします。
(5)ループの中央(マイクロストリップラインの近く)の穴に第5図に示すように鳩目を打ち込みます。
(6)全長40mmのテフロン線で給電ループを作り、給電ラインの先端と(5)の鳩目の間にハンダ付けします。
(7)第6図に示すように、ラジエタループの先端部にトリマコンデンサを取り付け、両面でハンダづけづけします。
このアンテナはトリマコンデンサの調整だけで使用する周波数にセットできます。 次に上げるいずれか
の方法によって調整を行なってください。 尚、調整用のドライバーは絶縁されたもの(セラミックドライバなど)を使ってください。
(1)SWRメータを使い、SWRを最低にする。
(2)電界強度計を使いメータの振れを最大にする。
(3)アンテナのそばにRFプローブを置き、メータの振れが最大になるようにする。
(4)リピータなどの信号を受信してSメータが最大になるようにする。
(1)コネクタのプリント基板取り付け部をエポキシ接着剤で防水、補強します。
ゲインアップ
以上の調整でMMLプリンテナは完成ですが……。
ここで、FCZのキットらしい新開発の技術を紹介することにしましょう。
第7図に示すような「リフレクタ」を取り付けることによってゲインを大幅にアップさせることが出来というものです。(PATENT PENDING)*
製作手順は次のとおりです。
(1)真鍮線を所定の長さに切ります。
(2)取り付け位置はプリント基板に▲マークが付けてありますからその位置に真鍮線を左右均等にハンダ付けします。
(3)目の保護のため真鍮線の先端部にガラスビーズをエポキシ接着剤で固定します。
でき上がったMMLをハンディトランシーバのアンテナ端子に取り付けてください。
アンテナの向きを縦方向にすると垂直。横方向にすると水平偏波のアンテナになります。
430MHz帯では、一般に垂直偏波が使われています。 ただ、山の上等、ロケーションの非常に良いところでは混信をひどく受ける場合がありますから、
そんなときはお互いに連絡をとりながら水平偏波にしてみるのも面白いと思います。
このアンテナはただ運用するだけでなくMMLアンテナの入門用としていろいろな実験のお役に立つと思います。
<第1図>電磁波の発生
<第2図>プリント基板(表裏)
<第3図>コネクタ センターピンの接続
<第4図>コネクタの取付け
<第5図>鳩目の打ち方
<第6図>トリマの取付け
<第7図>FCZ新開発ゲイン向上法