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寺子屋シリーズ#016に「CWをステレオで聞こう」というものがありました。
これは、第1
図に示すようにモールス信号を二つに分けてそれぞれローパスフィルタ(LPF)とハイパスフィルタ(HPF)にかけ、その出力を右と左のイヤホンに振り分
けて聞くと言うものです。
その結果、入力されたモールス信号はその音程によって頭の中で右から左へと、あたかもパノラマのように広がった空間の一点に定位します。(第2図)
もし、ここでモールス信号の周波数が変化したとすると、信号は頭の中の空間を右から左へ、左から右へと動き回ることになります。(第3図)
今、二つの局が混信状態になっているとします。この信号を「CWをステレオで聞こう」に入れて聞くと、二つの局はその周波数の違いによって頭の中の空間
の二点に定位します。(第4図)
人間の耳は二つの異なる点から発せられた音に対して選択的に聞き分ける特性を持っています。 この特性によって混信する二つの信号を聞き分ける事ができ
るのです。
この偉大なトリックはLPFとHPFによる出力電圧の差だけではおこりません。 実はLPF,HPFを通るとき少しだけ位相に変化を生じるのです。 こ
の位相の変化こそトリックの種なのです。
この「CWをステレオで聞こう・」は、回路を簡単にするため、フイルタ部をパッシーブフィルタで構成
しました。 回路図を第4図に示します。
回路の上半分がLPFで、下半分がHPFです。
出力回路には、カセットステレオのイヤホンをつないでください。
HPFの出力回路にある100Ωは、イヤホンで聞いた感じの左右のバランスを合わせるためのものです。
第5図にその入出力特性を示します。 一般的には、この様な特性を示すグラフには横軸に対数目盛りを用いますが、ここでは、ダイアルの動きを考慮して直
線目盛りとしました。
配線にはFCZ基板 5p×2を使い、第6図に示すように行います。
出力は一般的な、左の耳にLPFの出力が来るようにしてありますが、好みで反対にセットしてもかまいません。また、切り替えスイッチで右と左を切り替え
るようにするのも良いでしょう。
電源は5Vから15Vあたりまで使えます。
受信機の外部スピーカ端子に本機の入力端子をつなぎます。
出力には、カセット用のステレオイヤホン、またはヘッドホンを接続してください。
音量調節は受信機側で行ってください。 大きな音にしようとすると、音質が歪んでしまうことがあります。歪まない程度の音量でお使いください。
一般的には耳の中の仮想空間の中央部付近に目的の信号が来るように受信機のダイアルで調整します。
ダイレクトコンバージョン受信機でCWを聞くと、ダイアルを回す方向に移動する信号と、反対方向に移動する信号があります。 これはCW信号より上側の
ビートを受信しているか、下側のビートを受信しているかの違いから起きる現象です。 この現象を利用することによって送信する周波数を的確に選択すること
ができます。
耳に押し込むタイプのイヤホンの場合は都合により(SSBのUSBかLSBかにもよる)右と左のイヤホンを入れ替えると言う事も可能です。
信号がステレオになっているかどうかは、右と左の出力をショートしてみると信号が一か所にまとまりますからすぐわかります。