・戻る |
このページにはまだ図面の張り付けが済んでいません。 あしからず |
このキットは松下のガリューム・砒素FET、3SK129を使用した、430MHz受信用、低雑音プ
リアンプのキットです。
G-10ガラスエポキシ両面基板を使って同調回路を形成しているためキットの再現性は抜群です。
第1図にプリアンプの回路図を示します。
アンテナに入った信号はマイクロストリップラインで形成された同調回路で430MHzの成分を選別されます。 そして、同時にインピーダンスを高めら
れ、3SK129のG1(第1ゲート)に注入されます。
3SK129のG2(第2ゲート)は
S(ソース)に直結し、ソース電圧によるバイアス電圧を得ております。 本来なら第2ゲートに単独バイアス電圧を供給すべきですが、ソース電圧を流用して
も性能上ほとんど差異がないため、この回路を使用しました。 尚、パスコンはソース、第2ゲートの両方に入れてあります。
ドレーンの出力回路はU字型に折り曲げたマイクロストリップライン共振器を使いました。 ドレーンに+電圧を供給するためマイクロストリップラインは直
流的にはアースから浮いております。 この同調はトリマコンデンサで行います。トリマのホット側とコールド側によく注意して下さい。
電源には
8Vのレギュレータを取り付けてありますが、すでにレギュレータを通って来た電源を使用する場合はレギュレータをはずし、入出力間をジャンプさせてもOK
です。尚、この場合、電源電圧は必ず
10V以下として下さい。 10Vを越すと3SK129を破壊してしまいます。
(1)半田ごては20w〜30W位のものを使用して下さい。
(2)プリント基板のパターンを第2図と比べて不良がないか確かめて下さい。
(3)アンテナ回路のC1,100pFを第3図に示す様に45゜の角度に取り付けます。(NFの値を下げるための処置)ここで使う100PFのコンデン
サのリードは第4図、第5図に示す様に極力短くなるようにして下さい。 これは430MHz帯という周波数において、リード線がコイル(リアクタンス)と
して動作しない為のどうしても必要な処置です。
(4)入力側同調回路のTC1,6pFのホット側(3SK129のG1側)のリードを第5図の様に折り曲げます。 そして、プリント基板にさし、コール
ド側(アース側)を両面、ホット側をマイクロストリップラインの表面に半田ずけします。
(5) 3SK113のG1,SについているC2,C3(1000pF)を第5図に示すように半田付けします。
(6)R1,100Ωを取付けます。これはチップ抵抗を採用していますので気をつけて取付けて下さい。
(7)FET,3SK113は静電気で破壊されやすいので最後にとり付けます。
(8)C4,100pFを取付けます。(3)と同じ要領です。
(9)TC2,6pFを取付けます。(4)と同じ要領です。
(10) C5,C6(1000pF)を取付けます。
(11)IC(78L8.2)を第5図の様に取付けます。
(12)RFC(100μH)を取付けます。
(13)スルーホールマークの付いている穴にコンデンサのリード線の切れはしを通し両面で半田ずけします。(第5図)
(14)FET,3SK113を半田ずけします。ドレーン(D)リードが一寸長くなっています。 3SK113のリードが黒く変色していることがありま
すが、そのときはプリント基板のはしか、細かいサンドペーパ等で綺麗にしてから半田付けして下さい。
(15)最後に入力、出力、電源ラインを配線します。
入力端子にアンテナ、出力端子からトランシーバへの配線を行い、電源(10V〜15V)をつなぎま
す。
受信機のモードはCWか SSBとします。
スピーカから出るノイズが最大になるように2つのトリマーコンデンサを回して調整は終りです。
実際の信号で調整する場合は、少し弱めの信号を受信してSメータの振れが最高になるようにトリマの調整をします。
FMの受信機の場合で、Sメータがついていない場合は、スケルチをはずし、雑音を伴う局を受信し、ト リマを回して雑音がなくなり、音声がはっきり聞こえる位置にセットします。
アンテナと受信機の間にこの430MHz
GaAsプリアンプを入れれば良いのですが、出来ることなら、3SK129の保護という意味からリグの内部に装着することをお勧めします。 もし、どうし
てもリグの外部に取付けなければならないときは、送信電力がこのプリアンプに掛からないように心掛けて下さい。
送受の切り替えには、OFFのときのセパレーションの良い高周波リレーの使用をお勧めします。 また、キャリアコントロールによる送受の切り替えは瞬間
ではありますが送信電力のほぼ100%が3SK129のドレインなどに掛かりますので、その対策を十分に施した回路以外は使用しないほうが無難です。
トランシーバの外部で送受信の切り替えを行うときは入出力回路に1S1588等の高速スイッチングダイオードを第7図のように取り付けることをお勧めし
ます。 尚、この保護用ダイオードを入れることにより、若干ではありますがプリアンプのNFは悪化しますのでご承知おき下さい。
(1)このプリアンプのゲインは10〜13dB程度です。ゲインが一寸低いのではないかと思われる方
もいらっしゃると思いますが、プリアンプの性能は、高ゲインであることよりむしろ低NFであることの方が重要です。 このプリアンプはNFを低くすること
に重点を置いて設計しました。
(2)このプリアンプを435.00MHzで調整したときのバンドパス特性を第8図に示します。
(3) このプリアンプを430MHz帯以外の周波数で使用する場合の特性は第9図に示す通りです。(当該周波数で同調をとった場合)