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「プリンテナ」という名前のアンテナは、ちょっと耳慣れないかも知れませんが、何の事はありません、FCZ研究所が開発した「プリント基板を使用したア
ンテナ」類の総称名です。
そして、今日皆さんと一緒に作る、寺子屋シリーズ #180の「430MHz用、
2エレメント・プリンテナ」はプリント基板上のマイクロストリップラインを利用した
Uバランで整合を取った、本格的な 2エレメント八木・宇田ビームアンテナです。
全重量 40gと、非常に軽量なので、ハンディ機に直接取り付けて運用する事ができます。
エレメントが二つありますので、ゲインも内蔵ホイップと比べると 10dB近くもあり、より遠くの局との QSOを楽しむ事ができます。
ラジエタは 1.4φの真鍮線で作った、フォールテッドダイポールで、 Uバランの出力である 200Ωに対応しています。
リフレクタも同じ真鍮線で、先端部で目をつつくといけませんから、赤色のガラスのビーズ玉をエポキシ接着剤で固定して目を保護しています。
コネクタは、 BNCタイプのプラグを使用していますので、中継用の同軸ケーブルを使用しないでトランシーバや受信機に直接取り付ける事ができます。
(1)第180-1図に使用するプリント基板を示します。インターネットの場合は寸法が狂うことがあ
りますからスケールと良く整合させてください。 第180-2図に全体の概念図を示します。
基板を自作される方は、厚さ 1.6mmの
G10の両面ガラス基板を使用してください。裏面はエッチングしないで、ベタのまま残してください。(PAT.
PENDING 販売用としてはコピー不可)
(2)基板のコネクタ取り付け位置を第180-3図に示すように、ハンドニブラーや金やすりを使って、切り込みを入れて下さい。(ガタがないように)
(3)コネクタは1.5D2Vを圧着ペンチで締め付けるタイプの物を使い、センターピンは5D2V用を使用します。
180-4図に示すように、コネクタのセンターピンに1mφの錫メッキ線を半田付けします。このとき、センターが歪まないように注意してください。
(4)錫メッキ線に 3×15の碍子(セトモノ)をかぶせ、コネクタにセットします。
(5)第180-5図に示すように、コネクタを(2)の切り込みにはめ込み、プリント基板の両面で半田付けします。 この作業には必ず
60W以上の半田ごてを使い、速やかに行って下さい。(のんびりやっているとコネクタの絶縁物が溶けて変形してしまいます)
(6)錫メッキ線の先端を適当な長さに切り、マイクロストリップライン(プリント基板の細いライン)に半田付けします。
(7)プリント基板の裏側で第180-6図に示すように 1φの錫メッキ線で補強のための半田付けを行って下さい。
(8) 真鍮線をきれいに伸ばします。
(9)リフレクタ用の真鍮線を 350mmに切断します。
(10)残った真鍮線を二つに切り、第180-7図に示すように、その各々の中心を直径
7〜8mmの丸棒(パイプ)に巻き付けてフォールテッド部を作ります。
(11)ラジエタの先端部をプリント基板に半田付けします。(第180-8図)ラジエターのもう一方の端はプリント基板の裏側へ半田付けしてください。
(12)リフレクタを▲マークの付いている場所の裏側へ半田付けします。
(1)あまりうるさい事を言わなければ、作ったままで立派なアンテナとして使用することが出来ます。
(2)SWRの調整を行うときは次の手順で行って下さい。
SWRの調整はすべてラジエタ側で行います。 ラジエタの長さを少しずつ長くしたり、短くしたりして
SWRを計り、SWRの値が一番小さくなるところを探します。
(3) SWR計がないときはフロント方向に電界強度計を置き、その測定値が一番大きくなるようにします。
(注意)一旦エレメントを切ってしまうと、再びつなげる事は出来ません。 エレメントは多少長めにしておき、少しずつ切り詰めていくのが良いと思います。
またエレメントの切り過ぎ予防のため、 SWRの調整は目的の周波数より少し低めの周波数でやるのがよいでしょう。
(1)調整が終わったら、プリント基板とコネクタの接続部分、ラジエタのプリント基板の表側接続部へ
補強のため、エポキシ接着剤を盛り上げます。(第180-6図)(第180-2図)
(2)リフレクタの先端部へビーズをエポキシ接着剤で固定します。
(3)ビーズの形、色に付いては、材質が金属でない限り自由です。 お好みの物に変えても面白いと思います。 (8)の回りをエポキシ接着剤で防水を兼
ねて補強します。
出来上がったプリンテナをハンディトランシーバのアンテナ端子に取り付けてください。
アンテナの向きを縦方向にすると垂直偏波。横方向にすると水平偏波のアンテナになります。
430MHz帯では、一般に垂直偏波が使われています。
ただ、山の上など、ロケーションの非常に良い所では混信がひどい時もありますから、そんな時は、お互いに連絡を取りながら水平偏波にしてみてください。
今までの混信が嘘のように静かになるでしょう。