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#169 フォックスチェイサー・
(144/MHz)


 寺子屋シリーズ#145「フォックスチェイサー」を改良したFOXハンティング用の電界強度計です。
 初めに大体のアウトラインを説明しておきます。
 (1) 非常に小型軽量です。
 (2) 高感度です。調整の仕方にもよりますが大体、 -65dBm程度の感度があります。 FOXの電波の強さにもよりますが大体FOXから100m程度の距離で感知を始めます。
 (3) 新開発の「 FOXアラーム」の採用により、アンテナが FOXの方向を向くとアラームがなります。また、この FOXアラームをより使いやすくするために LEDを 3個取り付け、電界強度に合わせて LEDを光らせます。
 (4) FOXとの距離、10cmという超至近距離迄接近する事ができます。

            
回路

 第169-1図に「 FOXチェイサー・」の全回路図を示します。
  高周波増幅 受信感度を上げるために高周波増幅を 1段設けました。素子は汎用のMOS FET3SK241です。 この FETは 3本足ですが MOSタイプなので静電気に対する配慮が必要です。
 同調はL1,C1とL2,C4で行います。バリコンは使っていませんが同調が外れて困ると言う事はまずおきません。 検波回路 D1,D2で検波を行い ます。素子は高感度ショットキダイオード1SS16(1SS99)を 2本使って倍電圧整流型としました。これらのダイオードが入手できない場合は1N60などのゲルマニュームダイオードでも結構です。
  信号増幅器  IC1が信号増幅器です。 この増幅器のダイナミックレンジ(メータの振れの最小と最大の時の電界強度の割合)を広くするためにD3による非直線性フィー ドバックを掛けています。
 また、SW2によって感度を 2段階に切り替える事ができます。
  FOX アラーム IC2,IC3,IC4が FOXアラームを構成しています。基本的にはコンパレータ回路で、 IC1の出力が設定された電圧以上になるとアラームがなる仕掛けになっています。
 アラームだけですと使い勝手が悪いので、これを改善するために信号強度に連動する LEDを 3個設けました。
  電源 006P型乾電池を使用しました。

            
製作

 (1) ケースの初期加工は#125「電界強度計」の項を参照してください。
 (2) ケースに BNCコネクタ、ボリューム、セラミックブザー、電池ホルダーを取り付けます。
 (3) LED、メータをエポキシ接着剤でケースに固定します。
 (4) 0.8mm錫メッキ線を使ってアースタブを作り、トグルスイッチ(SW2)でケースに固定します。
 (5) 基板の上に部品を取り付け、半田付けを行います。この際、各パーツのリードはできるだけ短くなるように気をつけてください。(高周波部のパーツが足長に なっていると発振を起こし、メータが振れっ放しになる恐れがあります)
 (6) 10色平行コード、同軸ケーブルを所定の長さに切り、プリント基板に取り付けます。
 (7) (6) のコード類を基板に取り付けます。
 (8) セラミックブザーのリード線を所定の長さに切り、基板に取り付けます。
 (9) トグルスイッチ(SW2)とアース(ケース)との間に 470Ωの抵抗を取り付けます。
 (10)電池スナップを所定の穴に通し、内側で 1回結びます。その先端を所定の場所に半田付けします。
 (11)電源スイッチの出力から 3つの LEDのアノード(+側)の間をつなぎます。
 (12)ボリュームのつまみを取り付けます。

            
調整

 (1) 誤配線がないかよく調べましょう。特に半田付け不良がないかルーペを使ってよく調べてください。
 (2) 電池をつなぎ電源スイッチを入れます。感度は「高感度(上側)」に設定してください。
 (3) ボリューム(VR1)を最高(右側に回し切る)とし、VR2(半固定抵抗)を回して 3つの LEDが点灯する事を確認してから VR2を回して 3つの LEDがちょうど消えるところにセットしてください。
 (4) 本機のそばでハンディ機を使って144MHz帯の電波を出します。( FOXハンティングで使う周波数がよい)メータが振れてブザーがなればまずはOKです。
 (5) 送信機のアンテナから適当に離れて、メータの針が半分位振れるところで 2つのコイルをメータの針が最大になるように調整します。
 (6) プリント基板をケースの蓋側にセットしてから、もう一度コイルの調整をします。

           
使用法

 (1) 本機は FOXの出す電波の強さを検知するもので、音声信号を復調する能力はありません。また、100m以上の遠方から FOXを検知する能力もありません。したがってこの部分をフォローするためにハンディ機との併用をお勧めします。
 (2) アンテナをつなぎ、電源を入れます。アンテナを右手、本機を左手に持って下さい。(#204 144MHzFOX用プリンテナを使うときは、本機に取り付けて両手でお持ちください)
 (3) FOXの電波を受け、左手の親指でボリュームを回し、アンテナを FOXの方向に向けた時だけアラームがなり出すようにセットします。
 (4) FOXの方向が分かったらボリュームを少し左に回し(感度を下げる) アラームが消えて LEDが 2つだけつくところにセットします。
 (5) アンテナの向いている方向に進んでいくと、メータの振れが大きくなりアラームが再びなり出します。
 (6) こうして FOXに近付いていくとメータが振り切れるようになります。そうなったら感度スイッチ(SW2)を「低感度」に切り替えて下さい。 ここまでくれば FOXはもうかなり近いところにいます。
 (7) 「低感度」でメータが振れるようになれば、 FOXは数mのところにいるはずです。肉眼でよくワッチして下さい。
 (8) 使用が終わったら電源スイッチを切り、できれば電池をケースから取り外しておいてください。

            
注意

 (1) 使用するアンテナは八木、HB9CV等ビーム特性のよい物をお使い下さい。
 寺子屋シリーズ#204「144MHz FOX用プリンテナ」はコンパクトで使いやすいでしょう。
 (2) 本機が完成したら、必ず予行訓練を十分行って本機の特性を完全に身に付けてください。
 (3) FOXの出す電波は、山や建物等に反射して思わぬ方向から到達する事があります。この反射波に惑わされないように日頃から訓練を重ねておいてください。