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ナショナルセミコンダクターズ社製の温度センサIC LM-35DZを利用した温度スイッチです。
LM-35DZは2SC1815等と同じ大きさで、第159-1図に示すように、電源+、−,出力、の
3端子のICです。 電源端子に電源をかければ、出力端子にそのときの温度に相当する電圧が出力されます。
その電圧は、 0℃で
0V、100℃で1Vと言う実に分かりやすい物です。したがってこの電圧をmV単位でデジタルテスターで計り一桁ずらして読めば特別な回路なしでデジタル
温度計になります。
ここではこのICセンサを使ってリレーをON/OFFする回路を作ってみることにしましょう。
第159-1図にその全回路図を示します。
LM358はデュアルオペアンプ(オペアンプが二つ入った)のICですが、ここでは半分しか使用していません。 回路構成は第159-2図の通りで、
LM35DZの温度出力電圧と、温度設定電圧(基準電圧)をLM358で比較します。そして、LM35DZの出力のほうが高い電圧を示したとき、
LM358の出力回路に電圧が生じリレーを作動させます。 基準電圧はLEDを定電圧素子として使い、この電圧を10kΩの抵抗と10kΩの半固定抵抗で
分圧します。 この定数のままで大体、5〜95℃の温度設定ができます。 第159-3図に実体配線図を示します。
使い方は簡単で、半固定抵抗を調整して実際の温度条件で温度設定をします。
また、LM358の6番ピンの電圧をmV単位で計り、それを10で割った数字が設定温度になりますから、この電圧を計って温度設定をする事もできます。
ただし、この方法は、電圧計の内部抵抗による測定誤差が生じやすいので、内部抵抗の高い電圧計を使う等、十分気をつけてください。
温度スイッチの感度は0.1℃の単位でよく働いてくれます。
負荷は、COM(Common)端子とN.O(Normal Open)またはN.C(Normal
close)の端子を使います。リレーは2回路あります。
N.O端子は、測定物が設定温度以上になったとき回路がONとなり、N.C端子では、OFFになります。
用途に付いてはいろいろと考えられますから、ご自身で自由に考えてみてください。
(1)電源の容量が小さいと、リレーがバタ付く事があります。 消費電流はリレー動作時、12V
で20mA。非動作時で10mAです。
(2)LM35DZを100℃以上の雰囲気に置かないで下さい。(3)リレーの接点の定格は、100V、2Aです。しかし、接続する物がリアクタンス分を
含んでいる場合(コイルやコンデンサを含む回路)は、瞬間的に過大電流が発生する可能性がありますから十分注意してください。その場合の接点容量は、
0.2A程度と考えておけば安全です。
(1)お風呂の温度監視等に使いたいときは第4図に示すような防水処理を施してください。
(2)温度スイッチの動作を逆さにしたいとき、つまり、温度が設定温度より下がったときにリレーが動作するようににしたい時は、第159-5図のように配
線してください。
(3)温度設定を頻繁に変えたいときには、VRを10kΩ
(B)型ボリュームと交換してください。
(4)オペアンプの片側が未使用です。いろいろな用途に使えますから利用してください。