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普通市販されているSWRメータは出力1W程度の電力ではまともに働いてくれないことが多いようです。
特にHFのローバンドの方では10Wでも厳しい事があります。 QRPの運用をやるからには、少なくても1.8MHz、1wで測定できるSWRメータが
欲しい物です。
そこでそんな要求にマッチした SWRメータを作ることにしました。
第151-1図にSWRメータの回路図を示します。
このSWRメータは、1.8〜50MH迄の周波数において、1wの出力でSWRを計ることができます。
回路そのものは実に簡単ですが、使用できる周波数の範囲を広くするために、多少アクロバットな配線をするところがあるので実体図をよく見て間違いのない
ように配線してください。
(1)キットの場合は、すでに穴明け加工済みのケースが付いていますから、ケースの塗装、及び蓋の取
り付けネジのタップ切りを行います。独自に作る場合は第151-2図を参考に製作してください。
(2)第151-3図に示すメータの目盛りパネルの交換を行いますが、その前にメータが正常であるかどうかテストして見てください。(メータをバラして
からでは、もしメータに不都合なことがあっても交換して貰えませんからこの作業は必ず行ってください)
(3)BNC型のコネクタ(BNC-BRDH)(Mコネクタの物もありますが、話はBNCで進めます。)とボリュームをケースに取り付けます。
(4)6pのスイッチを逆転スイッチにするために第151-4図のようにテフロン線を使ってクロス型の配線をします。
(5)その上に、100Ωの抵抗を2本を第151-5図に示すようにリード線がなるべく短くなるように配線します。 (6)1.0mmφの錫メッキ線を
第151-6図のように折り曲げます。
(7)第151-7図のように、FCZ基板にトリマコンデンサを半田付けします。
(8)22pFと5pFのコンデンサと、ゲルマニュームダイオード1N60を第151-8図のように(7)の基板に取り付けます。
(9)(6)でフォーミングした錫メッキ線のV字型にとがった部分を第151-9図のように(8)の基板に取り付けます。
(10)錫メッキ線の10mmの端を第151-10図に示すように50Ω(100Ω×2)の抵抗のところに半田付けします。
このとき、スイッチの方向に注意してください。スイッチの取り付けネジの切り込みのある方向を矢印で示しています。
(11)1N60を第151-11図のように取り付けます。
(12)スイッチをケースに締め付けます。
(13)第151-12図に示すようにトロイダルコアにテフロン線を10回巻きます。
(14)同軸ケーブル1.5D2Vを第151-13図に示すように処理します。
(15)トロイダルコアの中心に同軸ケーブルを通したのち、第151-14図のように同軸ケーブルをコネクタに取り付けます。 この場合、同軸ケーブル
の接地は必ず片方でのみ行ってください。
(16)周波数特性をよくするためトロイダルコアと同軸ケーブルの外側に第151-15図に示すようにグランド用の錫メッキ線を巻き付けます。
この錫メッキ線がほかの配線とショートしないように注意してください。
(17)5pFのコンデンサと同軸ケーブルの芯線ターミナル間の配線を第151-16図のように行います。
(18)トロイダルコアに巻いたコイルを第151-17図のように接続します。
(19)基板とボリューム間の配線を行います。(第151-18図)
(20)メータと基板、ボリューム間の配線をします。
(第151-19図)
この段階ではメータはまだケースに固定されていませんが、較正が終わるまでそのままにしておきます。
測定器を自作した場合は必ず「較正」という作業が必要です。
次に述べる手順で較正を行ってください。
尚、このSWRメータで測定できる周波数は通常50MHz迄ですが、特に念入りに較正を行えば144MHzでの使用も期待できます。
(1)50Ωのタミーロード(寺子屋シリーズ#162)をアンテナ側のコネクタに取り付けます。
(2)送信機の出力をもう一つのコネクタに接続してください。
このときの周波数は、使用する一番高い周波数にセットしてください。(144MHz以下の事)
(3)SWRメータのスイッチを「セット」として送信機を「送信」にします。 ボリュームを調整してメータの針をフルスケールの位置にセットします。
この場合の電力は1W以上、5W以下としてください。
(4)SWR メータのスイッチを「測定」としてメータの針がゼロになるように(またはゼロに近くなるように)30pFのトリマを調整します。
(5)寺子屋シリーズ#195 SWR較正用ダミーロード
(75Ω、33.3Ω)を使ってSWR=1.5になるように30pFのトリマを調整します。(一応確か
めて見てください)
(6)以上の操作で調整した周波数より低い周波数の較正は自動的に完了しています。
(7)上記の操作で較正したSWRの数値が目的の値にならないときは、検出部の外側に巻いたアース線の位置をいろいろと変更しながら較正作業を進めてく
ださい。
(8)送信電力が1W以下というQRPの場合は測定した SWRの値が小さく出やすいものですが、ユニークな方法でこの誤差を小さくする事ができます。
まず、SWR=1.5のダミーロード(75Ωか33.3Ω)をアンテナ端子に取り付け、スイッチを「測定」として測定したい電力を注入します。
そのときのSWRが1.5になるようにボリュームを調整します。
次にスイッチを「セット」にします。 当然の事ながらメータの針はフルスケールを越しているはずです。 その位置にマークを付けておき、以後この位置で
セットを行えば較正したときのQRP電力でのSWRの測定が可能となります。
(21)QRP用のセットマークをメータパネルに書き込み、メータをケースに固定したら作業は全部終了です。
(1)キットには、使用するコネクタによって「M」と「BNC」があります。 購入の際ご注意ください。
(2)コイルの巻き方が反対だと「セット」と「測定」が反対になってしまいます。
そんな時は、コイルの接続を反対にするか、スイッチの操作を反対にして使ってください。
(3)このSWRメータの最高使用周波数はうまく作った場合でも144MHzです。
430MHzで測定した場合は全く信用のできない値を示しますのでご注意ください。
(4)較正の際はダミーロードの関係から最高電力を5Wとしましたが、普通に使用する場合は出力30Wまで測定することができます。
(5)キットを使わないで、ご自分で部品を調達する場合は次のことに留意してください。
■フェライトコアはμが3000程度で、外径8mm、内径4mm程度の物を使用してください。
コアの大きさが大きすぎると、周波数の伸びが悪くなります。
■使用するメータは、必ず直流で較正してから使って下さい。たとえ目盛りがSWR用になっていても必ず確かめてみることをお勧めします。(ラジケータの
構造は一つではなく、目盛り板も流用されている事が多いので確認する事が必要です)
■ボリュームは「C型」をおすすめします。C 型が手に入らないときは「B型」を使ってください。