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このキットは光ファイバーを使って音声を送受信する物で、送信機と受信機を個別に使うことも、またこのキットを
2組用意して光ファイバーインターフォンとしても使用できます。
三菱レーヨンの光ファイバーSH4001(寺子屋シリーズ#202 SH40015m、#222 SH4002
5mがあります)と寺子屋シリーズ#138の光ファイバーコネクタを用意してください。
送信部はマイクロフォンから拾った音声信号を
LEDを使って光信号に換え、光ファイバーに送り出す回路です。回路図を第141-1図の右側に示します。
ECMの電源をR5とLED1で作ります。R6は ECMの負荷、C6はカップリングコンデンサで、その他の部品はLM386
を中心としたAFアンプです。
LM386の 5番ピンには、AF出力と、Vcc(9V)の半分の直流電圧が重なっていますから、
LEDに掛かる電圧は直流の電圧のキャリアをAM変調した波形になります。(寺子屋シリーズ#009、50MHz出力10mW
AM送信機を参照してください)
押しボタンスイッチはオルターネイト型を使用していますから一度押して「ON」、もう一度押すと「
OFF」となります。このスイッチをONにすると相手受信機が自動的にONとなります。
光ファイバーの長さによって受信機に到達する光の量が異なりますからあらかじめ VR1で LEDの光量を調節します。
受信部(第141-1図左側)はスイッチング部とアンプ部とに分かれています。
まず、フォトトランジスタに入った信号はフォトトランジスタの内部抵抗の値を小さくします。このため
a点の電圧が下がりQ1〜Q3のスイッチ(トランジスタ)がONとなってLM386に電源が加わります。
受信回路には特に電源スイッチは設けてありませんが上記の自動スイッチング回路の採用でその必要はなくなりました。 ただし、光ファイバーコネクタのプ
ラグを抜くと自動的に電源が入ってしまいますのでご注意ください。
R2はこれが無いとフォトトランジスタで電気に換えられた信号がQ1で消費されてしまい、LM386の方に回らなくなってしまうので、信号の分離用に入
れられた物です。 LM386は本来のAFアンプとして使っています。
この回路を組み立てる前に寺子屋シリーズ#138光ファイバーコネクタと光ファイバーを用意して置いてください。SH4001を使用した場合で
100m位までの伝送が可能です。
第141-2図にプリントパターンを、第141-3図に部品配置図を示します。
配線が終わって電池をつなぎ、受信用のフォトトランジスタに蛍光灯の光を入れると「ブーン」という交流ハムが聞こえてくるはずです。ボリュームを回して
音量が変化する事を確かめてください。
ここまで正常に働いたら、光ファイバーの一端を送信端子につないでください。送信用の押しボタンを押すと光ファイバーの他端が赤く光ることでしょう。
マイクロフォンに向かって何かしゃべって見ましょう。
目で見る限りでは光ファイバーの赤い光は特に変化しない筈です。(ここで光量が変化するようだったら、俗にいうマイナス変調で、電池の容量不足の可
能性があります)
赤く光っていた光ファイバーのプラグを受信端子につなぐと、今まで聞こえていた交流ハムが消えてマイクからの声がスピーカから聞こえて来るはずです。
光ファイバーの長さが短いと、受信機に到達する光の量が大きすぎてハムが消えるだけのこともあります。
送信機の
VR1を回し、スピーカから聞こえる音がきれいで、一番大きく聞こえるところにセットしてください。 試験運用がうまくいったらケースに収納してくださ
い。
(1)このキットを 2台用意して、お互いの間を
2本の光ファイバーで結べば光ファイバーインタフォンになります。(第141-4図参照)その場合、マイクとスピーカの位置が近いとハウリングを起こす事
がありますので両者を適当に離して設置してください。
インタフォンの通話形式は「両通話方式」です。通話の最初と最後にスイッチを押すだけで普通の会話を行う事ができます。
(2)インタフォンとして使う場合は、光ファイバーが 2本ペアになっているSH4002(#222)を使用するとスマートです。
(3)指定通りの光ファイバー、光ファイバーコネクタを使用した時の信号通達距離は約100mです。信号通達距離をもっと伸ばしたいときは
EH4001,EH4002に交換するとよいでしょう。
(4)光ファイバーの長さが50mを越すようになりますと、音質的に高音が出にくくなってきます。そんな場合は受信回路のカップリングコンデンサC1の
値を0.01μFまでの適当な値を選んで交換してください。
(5) 1台のキットで送信機と受診機を離して使う場合はプリント基板の点線のところで切り離し、第141-1図の
b点に電源(006p)を取り付けてください。
またこの場合受信部の電源回路 C点に 100μF程度の電解コンデンサをいれてください。
(6)光ファイバー通信に付いてもっと詳しく知りたい方は、日本放送出版協会発行、ホビーテクニックシリーズ51、「光ファイバーの実験と工作」大久保
忠著を御覧ください。