衛星通信コラム
3.CWのスピード
Ver. 1.10にアップしました。
大きな変更はありません。
送信固定をF1キー、衛星固定をF2キーに割り当てました。
マウスを持ち替えずにキー操作でON/OFF出来るようになりました。
私のロケーションでは西側180度がデッドゾーンになり、東側のパスだけしかQSOができません。西側は建物の影になりアンテナを向ける事さえできない状態です。西側のパスならアジア各国の局とQSO出来るのですが、あきらめました。
VO-52のダウンリンクは144MHz帯ですので、仰角30度位のパスなら西側でもそれなりの信号強度で聞こえてくるのですが、アップリンクの430MHzの信号が通りません。430MHzの電波の直進性を再認識させられました。
こんなロケでも、CW、SSB、FMの全モードを合わせたQSO総数が、この1年間で500を超えました。制約のあるプアーなロケでも結構楽しめるものです。
小さなアンテナで国内DX、アジア各国とQSO出来る低軌道衛星はアパマンハムのストレスを少しは解消できるカンフル剤かもしれません。
みんな早過ぎます。
もう少しゆっくりやりませんか。
送信固定で手動コントロールだとドップラーシフトで相手が逃げてゆく前にQSOを完了させたいと言う気持ちは分かりますが、もう少し遅くしても大丈夫ですよ。
よろしくお願いします。
2011年9月16日現在で交信に利用できるアマチュア衛星は次の通りです。
【 CW/SSB 】
FO−29: 日本の衛星です。数年前に、奇跡の復活を遂げて使えるようになりました。復活したと言っても期限切れのバッテリーですので、パスの後半で息切れする事があります。
VO−52: かなり近い所を廻っているせいか、衛星からの強い信号を受信できます。近いので通過時間が短く、ドップラーシフトも大きいので、短時間で交信する必要があります。
ARISSat−1: 最近、国際宇宙ステーションから放出された衛星です。パスの時間が短いのと、東西方向に横切っているので西半分が使えない私の場合は数分しかチャンスがない、困った衛星です。
AO−07: この衛星のホームページによると、電池不動作で太陽電池だけで動いているそうです。電波が弱く、ノイズの多い29MHz帯ですので、釣竿アンテナでやっと聞こえる程度です。29MHzのノイズが少ない時に狙っています。
【 FM 】
AO−27: パスの最初と終わりにテレメトリーデータ(多分)を送る時間があります。数分ですが、この時間は使えませんので注意が必要です。
AO−51: 故障との事ですが、特定の周波数で使用可能です。周波数はホームページで確認して下さい。
SO−50: 受信電波が弱い事が多々あります。強い時でもゆっくりとしたQSBを伴っています。
アマチュア無線で使用できる通信衛星は、現時点では低軌道衛星と言われる、地球を低高度で周回しているものだけになってし まいました。地球の近くを廻っているので、比較的小さなアンテナでも交信が可能です。色々と調べてみると、ブーム長1m程度のアンテナで通信可能のようです。
アンテナ設計ソフトを使用して、ブーム長1mの八木アンテナを設計してみると、144MHzの3エレ、430MHzの5エレ八木がこの位の大きさになる事が分かりました。
と言う事で、本格的に検討してまとめたのが、低高度衛星用アンテナです。50Ω同軸ケーブル直接給電にした関係で144MHzが4エレ、430MHzが6エレ八木に、ブーム長が1.25mになっています。
この程度のアンテナであれば、普通のローテーターは必要ですが、仰角ローテーター無しで衛星通信を楽しむ事が出来ます。ローテーターのみの場合、真上方向、仰角が60度以上で通信が難しくなる事が予想できます。衛星が可視範囲にある時間は10−15分で、真上付近を通過する時間は2−3分です。又、仰角60度以下のパス(通過)も多いので、十分に衛星通信を楽しむ事が出来ます。
実際に製作して、仰角ローテーターを使用せず運用した結果です。
(1)どの衛星も仰角60度位までは問題なく交信できましたが、真上付近、60−90−60度の範囲は出来たり、出来なかったりしました。
(2)建物、山等が無い方向では、CW/SSBは衛星の仰角0度付近まで交信可能、FMで5度付近まで交信可能でした。
(3)地上波でも問題なく交信できましたが、衛星通信時に違法局の混信に悩まされました。平日がひどく、日曜日が少ないと言う傾向があります。水平偏波になるように設置すると軽減されましたが、混信は無くなりませんでした。
こんな小さなアンテナでも、仰角ローテーターを設置すれば、真上が問題なく交信出来ますし、仰角を付ける程、地上波の混信は少なくなると言う効果もあります。