7.2 フィリップ島へ

 午後4時、さあ、これからPhilip島へ行くぞ。このPhilip島は、Melbourneの南東100kmくらいにある小さな島である。島といっても本土とは橋一本で渡れる、ほとんど陸続きも同じだ。
 このPhilip島は、もちろんペンギンパレードが有名だが、それ以外にもオートバイレースができる立派なサーキットがある。以前オーストラリア出張したときに、ちょうど日曜日にオートバイレースが中継されていたが、そのとき125ccクラスで日本人ライダーが優勝して、インタビューを受けていたのを見たことがある。
 このPhilip島へは、高速道路を使って南下し、途中で地道に入る。途中案内がたくさんでているので迷うことはない。
 途中まで来たら、雨が降ってきた。また風もだいぶ強く吹いているようで、車がふらふらする。この分だと、今夜ペンギン見に行くとなると大変だなあ、と心配になった。
 ペンギンパレードについて簡単に説明すると、ここPhilip島に住んでいるペンギンはフェアリーペンギンといって、大人でも体長30cmくらいの小さなペンギンである。このペンギンたちは浜辺の奥まったところに巣を作っており、夜明けと共に海へ出ていき、そして日暮れと共に巣へ帰ってくる。僕らはというと、この日暮れに帰ってくるところを見ようというわけだ。この巣に帰って来る、浜辺にあがってくる様子が、5〜10匹くらいで集団を作っており、ペンギンたちのよちよち歩きが、パレードのように見えるところから、ペンギンパレードと名前が付いたのだろう。
 このフェアリーペンギンというのは、世界中でもここPhilip島にしか生存しておらず、ここの見学者はそれこそ世界中から訪れるのだ。
 午後5時45分、ホテルThe Anchor at Cowsに着いた。あたりはだいぶ暗くなってきた。まだ雨は降っているし、風も強い。フロントでチェックインを済まし、部屋の鍵をもらう。ここは町中のホテルとは違い、いわゆるリゾートホテルの類で、敷地の中に建物が分散している。僕らの泊まったところは、フロントのある建物とは違う棟で、離れの2階といった風情だ。といっても、オフシーズンの冬の寒い夜に、雨風が強いとなると、どことなく、推理小説の殺人事件でも起こりそうな雰囲気だ。とにかく荷物を部屋に入れた。
 部屋は今までで一番広そうだ。2部屋続きを1部屋で借りたので、ものすごく広い。もちろんキッチンも付いているので、ここもまた自分の家より広い感じだ。それにしても、この寒いのに、電気温風ヒーターがあるだけだ。上着を羽織っていないと部屋の中でも寒い。こりゃ早く寝た方が良さそうだ。
 今夜はとにかく、雨風が強いので、ペンギンパレードに行くことは中止にした。これから3泊するので、その間天候のよい日を選んでいった方がよい。
 食事の時である。夕食はホテルのレストランに行ったのだが、食事をしていると日本人の団体が入ってきた。この寒いのに、ペンギンパレードを見に行ったのだろう。聞くわけでもなく話し声を聞いているとかなり寒かったようだ。今夜は行かなくてよかった。
 明日8/18からは仕事である。家族はホテルに居残りである。果てさて彼女らはいったいどうなったであろうか。この部分の旅行記はオカミサンに書いてもらうことにした。

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