6.3 これからメルボルンへ

 8月17日午前7時40分、ホテルを出発する。電話で予約したときはAUD$120.-といっていたが、実際にはAUD$115.-(約10,350円)だった。空港の近くのホテルとはいえ、2ベッドルーム(シンブルベッドが2つある部屋と、ダブルベッドがある部屋)にキッチン付きの部屋でAUD$115.-は安い。
 途中でガソリンを入れて、午前8時にBrisbane空港国際線に着いた。車はレンタカー会社の駐車場に入れた。これからS君が来るのを待つわけだ。
 S君は勤め先の技術者で、明日からの業務に同行する。彼はとにかく飛行機に乗るのも初めて、ましてや外国に行くのも初めての、海外旅行超初心者ではあるが、一人旅の経験は豊富なので、さほど心配はないと思うが、顔を見るまで安心はできない。
 事前に空港でのチェックイン、Cairnsでの乗り換えなど、細かくメモを書き記し打ち合せしておいた。
 確かに、初めての飛行機が一人っきりで、さらに言葉の分からないところとなると、さぞかし不安に違いない。僕も初めてのときはそうだった。現地で出迎えがある事は分かっていても、会うまでは不安だった。
 S君を乗せた飛行機は、8時少し過ぎに到着したはずだが、なかなか出てこない。ちょうどこの時間帯は日本からの飛行機が集中するので、出てくる乗客は圧倒的に日本人が多い。中には小学生か中学生と思われる子供たちの団体が何組も出てきた。夏休みを利用してのホームステイかなんかだろう。何ともいい時代になったもんだと同時に、親は出費が大変だろうと、そのうち自分自身にも降りかかってくるのではないかと思うと、単なる同情だけでは済まされない。
 午前9時20分、S君を無事ピックアップして国内線ターミナルまで来た。国際線ターミナルで、レンタカー会社の駐車場に停めたのは、ここに入れておけば駐車料金が取られないからだ。というのも、国際線と国内線ターミナルの間は、とても歩いていける距離ではないほど離れているから、まずピックアップして国内線ターミナルに行かなければならない。
 そして10日間借りたレンタカーを返した。全走行距離1,346.1km。1日平均130kmだから、たいして乗っていない。これがドライブ旅行だと、少なくとも3倍は走るだろう。
 程なくしてKlausとCarmenが来た。CarmenがKlausを送ってきてくれたのだ。KlausはBrisbane空港へ来るよりも、地元Sunshine Coastにある空港へ行くほうが近いのに、わざわざ僕らと同じ飛行機を予約したのだ。Melbourneで落ち合うことができるのに、僕らを気遣ってのことだろう。
 ここで、本当にCarmenとはお別れだ。昨日は学校祭でソーセージ焼いて疲れただろうに、ちゃんとKlausを送ってくるなんて、オカミサンの鏡のような人だ。うちの奥様は送ってくれるだろうか。
 午前10時40分、僕らを乗せたカンタス航空QF619便はMelbourne目指して飛び立った。約2時間20分の飛行だ。

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