6 ブリスベン
6.1 一晩だけのブリスベン

　午後4時30分、Airport International Hotelに到着。ここは空港から10分くらいの距離だろうか。Bruce Highwayの空港近くのインターを下り、Brisbaneの中心部へ行く途中の幹線道路沿いにある。
　Klausに借りた道路地図を頼りに探したが、ちょっと奥まったところにあったので、通り過ぎてしまった。毎度のことで多少道に迷ったが、今回は結構うまく行ったほうではないか。
　ここへ来るまでいろんなところへ車で移動したが、迷いながらも結果的にちゃんと目的地にすべてたどり着いている。ちょっと余談だが、欧米の国々の住所表記というのは、そのほとんどが通りに数字がふってある単純なものだ。つまり、通りの名前さえ分かれば後は数字の大きい小さいをたどるだけで、目的地に行けるわけだ。そしてその通りの名前はほとんどすべての交差点に表示されている。
　そして我が日本というか、アジアの国々の住所表記は、もうてんでバラバラである。通りの場合もあったり、地域を示していたりと。僕の住所の字以下は、西林寺94-1というが、自分の住んでいる近くにこの西林寺の表示はない。つまり、僕の住所だけを頼りに誰かが尋ねて来るのは至難の業である。
　さて、ホテルに到着後荷物を部屋に入れた。ホテルといってもほとんどモーテルで、2階の我々の部屋からすぐに下に降りる階段があり、そこは駐車場である。部屋は2ベッドルームにキッチンリビング付きで、今までのところと比べると狭いが、まあ一晩だけだからさほど気にならない。
　午後5時、ホテルを出てBrisbaneの市内へと向かう。目的は今晩の飯と、ちょっとした市内観光だ。夕日が眩しい。さすがに冬だけあって、5時だというのにかなり日が傾いている。当たり前ではあるが。 とにかく地図を頼りにBrisbane市内を走りまわった。特にこれといった目的も無いし、ここはという観光スポットも調べなかったので、中心地をいろんな方向に走り回った。中心部は割とこじんまりしているので、たいしたこと無かったが、思ったよりにぎやかなところが無かったのも事実だ。でも、時折大きなホテル周辺には日本人と思われる一群が所々見受けられた。
　いろいろ走り回って、適当なところに車を止めようと思ったが、もうだいぶ暗くなってきているし、腹も空いてきたので、ホテルに引き返すことにした。
　帰り際、中心部を出たところにチャイナタウンがあるのを見つけた。あのけばけばしいほどの赤い色をした建物で、それとすぐ分かる。ここなら晩飯に中華も悪くはないな、ということになり、午後5時50分車パーキングに入れた。