4.4 Under Water World

 ここは字を読んだ如し、水面下の世界、簡単にいえば水族館である。ここの最大の売りは、水中トンネルだ。そこは動く歩道になっており、ぐるりと海の中の世界を堪能できる。
  午前10時15分入り口で入場料AUD$47.-を払う。この入り口のおばさんの名札を見ると、どうもボランティアらしい。なんとなく、地域みんなの水族館という気がする。
  入り口から右手方向へ行くと、サメの大きなあごの骨が飾ってあった。僕の背よりはるかに高いから、2mくらいはあるだろう。さっそくそこで子供たちの写真を撮った。
  10時半からアシカのショーがあるとのことで、会場へ入っていった。日本では盆休みだが、ここオーストラリアでは休みでもなんでも無い普通の日なので、観客はあまり多くはない。観客席の上のほうは空席が目立つ。僕らは、下から3段目の少し左側に座った。観客席のほうを見上げると、少しは日本人かそれとも中国人か、もっと大雑把にいえば東洋人がいるようだ。やはりGold coastと違って、同胞に会うほうが珍しい。
  さて、開演時間になったが、アシカのショーは始まらない。代わりに、一匹のアシカと、係員の兄さんが出てきて、何やらしゃべり始めた。どうやら、主役のアシカの調子が悪くて、今日は見せられないようだ。アシカショーの会場というのは、観客席の前に水槽があり、半分くらいはガラス張りになっており、中が見えるようになっている。ところが今日は、その水槽の前、ちょうど観客席のすぐ前で、ちょっとした台を設けて、その上でアシカの調教の説明をしている。たとえば手を下げると、どういう動作をしなさいという決まりを守ればえさがもらえるのだ。
  僕は少しは言っていることは分かるが、子供たちやオカミサンはちんぷんかんぷんだ。で、30分くらい台の上で手を挙げたり振ったり見せてくれるだけでショーは終わり、なんともつまらないショーだった。
  他のブースを回ったが、これといった物はなかった。そして、最大の目玉、水中トンネルを見るために、スロープを降りていく。
  入り口部分はそんなに広くはないが、トンネル内は、動く歩道部分と、動かない部分と半々になっていて、動く部分に乗ってぐるっと一回りした。そうです、ここはぐるぐると回っているので、いつまででも見ることができるのだ。一周どうだろうか、100mくらいあるかもしれない。(パンフレットによると80mあるとのこと。また水槽の水深は3.2mで、海水250万リットルが入っている。)
  魚はいろんな種類がいる。やはりサメの類いやえいが泳いでいるのはなかなか圧巻だ。サメといっても体長1mくらいのあまり大きくない種類だ。コバンザメもしっかりとサメにくっついている。ところがこのコバンザメ、かなり横着なものがいるようで、サメの腹に着いているのではなく、頭の部分に、まるでサメを枕にしているようにくっついているものいた。
  持参したEOS55で何枚も撮った。ガラス張りのトンネル内だと、天井付近が大きくカーブしているので、ストロボの光がどのように反射するか分からない。ところが現像して分かったのだが、ストロボを焚くことによって、トンネルの湾曲した壁面に反射した人の顔が、出来上がった写真に大きく歪んで映っていた。これは思いもよらなかった発見である。
  この水中トンネルの水槽内で、係員がアクアラングを着けて魚にえさをやっていた。小さな魚がいっぱい集まってくる。えさも魚だ。サメはこの輪の中には入ってこないが、近づくと係員が口の前にえさを出して、食べさせていた。
  見終わって、なかなかのものだったが、水槽自体はそんなに大きくはない。ジンベイザメのいる大阪の海遊館の巨大水槽のほうがはるかに大きい。でも、ゆっくりじっくり見ることができるのは、絶対こちらのほうだ。
  水中トンネルを見終わって、次のブースはサメに関するところ。サメに関するいろんなことが展示してあるが、さほど面白いことはなかった。 ここに入ってから1時間半ほど経っていたが、もう十分といった感じだ。とても一日中遊べるほどの展示物も無い。12時、出口はエレベータを上がって、道を挟んだ向こう側の建物を通って出るようになっている。あるのは土産物屋だ。ざっと見ただけで何も買わずに出た。
  水中トンネルは一見の価値はあるけど、他の展示はそれほどでもなかった。名古屋港水族館のほうが見る物は多いようだ。ただ、日本だと写真撮影禁止とかいろいろ規則が厳しいが、ここはほとんどなく、おおらかなところであるというのは実感できた。

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