2 いざ出発
2.1 名古屋空港へ!

  8/6午後1時半、この日は午前中だけ出勤し、昼食を勤め先で済まして帰ってきた。家族はというと、事前にこの日はみんな昼寝をしておくようにといっておいたので、帰ってみると全員冷房の効いた居間で昼寝の真っ最中。
  僕が帰ってきたのが分かると全員起きてきた。さあ、これから最終パッキングをしなければならない。大型のスーツケースが二つに、小型のものが一つ。大型のスーツケース一つは友達に借りたもので、後は自分のものである。この中に、これから2週間を超える旅の支度を全部詰め込むのであった。
  前日までにおおかた詰めておいたので、これからするのは、しわになりやすいブレザーとスラックスを小型のスーツケースに入れるだけである。このスーツケースには、仕事関係の書類とノートパソコンを入れた。
  家族4人分の衣服は、大型スーツケース二つの、それぞれの片側を各人に割り当てた。この方法が良かったどうかは意見の分かれるところだが、旅の前半は良かったが、だんだん詰める荷物が多くなるにつれ、どこに何を入れたのか収拾がつかなくなってしまった。 パッキングが済んで2時少し過ぎ、家族全員で風呂に入った。飛行機は夜間飛ぶので、夜風呂には入れない。それなら出かける前に風呂に入って、さっぱりしたところで出かけることとした。
  3時半、さあいよいよ出発である。自宅から最寄りの名鉄電車の駅までスーツケースはオカミサンの車で運んだ。駅まで歩いても5分くらいの距離だが、その間決して路面状況が良くないので、スーツケースを押していくには無理があると判断したからだ。
  駅には僕の父親と、犬が見送りに来てくれた。かわいい犬ともしばしの別れである。切符を買い駅構内に入る。名古屋方面へは反対側のホームに行かなければならない。高架橋を渡らなければならないのだ。ここが旅の中の最初で最後の難関である。小型のスーツケースは上の子供が持って上がった。10キロも無い軽いものだから、子供でも何とか渡ることができた。問題は二つの大型スーツケースである。上るときに二つ一度に持って、一気に上がった。これでかなり体力を消耗してしまい、また、まだまだ真夏の暑さが残っている時間だったので、降りるときは一つづつ持った。ここさえ過ごせば、後は西春駅でもエスカレータがあるので、オカミサンに一つ任せても大丈夫だ。
  程なくして電車が到着して乗り込んだ。途中西春方面に行く電車に乗り換え、5時少し過ぎに西春駅に着いた。ここからいつもだと路線バスで行くところだが、家族4人いること、空港までそんなに距離があるわけではないこと、それに、荷物が多いということで、タクシーで行くことにした。ただ、大型スーツケースが二つに小さいのが一つ、これだけのものが積める車といったらクラウンしかないだろう。それも現行タクシー専用車の、見るからに大きそうなトランクでは入らないと判断し、タクシー一台をやり過ごした後の車にした。そしたらこれがものの見事に的中、大型スーツケースが横に二つすっぽりと収まったのである。さらに、その上に小型のもを乗せて、トランクもちゃんと閉まった。
  西春駅から名古屋空港までは、10分ほどで到着。料金\1,870.-なりを支払った。4人合わせても、バスのほうが半額以下だろうけど、子供を抱える家族旅行では、タクシーを使うことは決して贅沢ではない。重いスーツケースの上げ下げ、子供への注意を考えると、それに見合うだけの料金だと思う。

  5時40分、名古屋空港国際線ターミナルに着いた。セキュリティチェックを通過して、チェックインカウンターに並ぶ。カンタスQF50便の受け付け開始時刻は6時10分だが、早目に着いて一番に並ぶ作戦だ。が、しかし数人の先客がいた。よく見るとグループらしくとなりのカウンターがまだ空いていた。よし!これで一番にチェックインできる。 一番に並ぶには理由がある。カンタスのジャンボジェット747-300は、ビジネスとエコノミーの2クラスある。ビジネスは機体前部の5列と、2階席を占めている。このQF50便は圧倒的にツァー客が多くビジネスクラスの客と、エコノミーの個人で乗る客はそんなに多くはない。そのエコノミーの客でも、飛行機の込み具合によって、2階席をエコノミー席として使用するのだ。食事等のサービスはエコノミーのままだが、座席はビジネスクラスの大きくゆったりした物だから、ゆったりできる。ケアンズまでの7時間弱の飛行時間、それも夜間だから、窮屈なエコノミー席ではたまらない。その2階席を取るために早めに並んだわけである。
  6時10分ちょうどチェックインカウンターに係りの女の子が来た。すぐに航空券、パスポート、それにカンタスのフリケントフライヤーメンバーのカードを渡しチェックインする。すかさず、
  「2階席をお願いします。」
  とリクエストした。この時期、飛行機は絶対込んでいるので、2階席が取れるだろうと踏んだのだ。
  女の子は鶴のマークの飛行機会社の制服を着ているが、胸の許可証を見ると、外注のようである。家族4人分のためかなかなか進まない。ようやく搭乗券が出来上がったときに、
  「これって2階席?」
  と聞くと、どうも違うようで、再度コンピュータをたたきだした。チェックインしてから20分くらいたっただろうか。ようやく搭乗券を手にすることができた。確認すると、よし!2階席だ。しかし横に4人分ではなく前後になってしまったが、まあ、これくらいは良しとしよう。

  チェックインが済んだのでこれで一段落。あとはどこにいようともスピーカで呼び出されて乗せてくれるから、一安心である。時間はまだ6時半だ。飛行機の出発時刻は8時10分で、夕食が出るのは早くても9時ごろだから、子供たちの腹が持たないだろう。で、3階のレストランで、軽くサンドイッチなんかを食べることにした。
  7時、出国のため2階のボディーチェックのゲートに向かう。この時間帯の飛行機は、カンタスのほかはハワイへ向かう飛行機があるくらいで、全然並んでいない。これが午前中だと、アジア各地へ向かう飛行機で、長蛇の列なのに。 ボディーチェックが済んで、出国審査というところで、一瞬ひやり。先ほどサンドイッチ食べたときに出国カードにサインをさせたところ、オカミサンのカードに間違えて下の子供のサインをさせてしまったのだ。出国審査の前に記入し直さなければならない。出国審査の列が2列あったが、僕たちが並んでいる間に、記入できるだろうと、待っていたのだがなかなか終わらない。もう後2,3人というところで記入し終わり、ぎりぎりセーフ。無事に家族4人出国審査を済まし、晴れて日本国外に脱出できた。
  さて、出国審査が済めばそこは法律的には国外である。ここで搭乗案内があるまで待つわけだが、さっそくお土産用の酒を免税店で買うことにした。オーストラリアは日本と違って、酒類の持ち込みは750mlのボトル1本までである。まあ、無難なところで、サントリーの「山崎」を買う。\3,800円なり。これは世話になるKlausへの土産である。
  たばこは自分自身嗜まないので、買わない。他に化粧品や、香水なんかもあるが、興味が無いので見向きもしない。
  まもなくすると、搭乗案内の放送が流れた。どうせ搭乗口に行っても人でごった返していて、すぐに乗れないから、家で留守している両親に電話することにした。子供たちは犬のことが気になるようだ。 7時40分、カンタスQF50便に乗り込む。カンタスの乗務員は男性女性ちょうど半分づつで、若い者から結構年いったおじさんおばさんまでいる。我々家族は2階席に乗り込んだ。席は前から2列目と3列目である。子供たちを窓際に座らせた。
  この2階席の窓際には、荷物を入れる箱があり、わざわざ頭の上の荷物入れに入れることもない。
  8時25分、飛行機は滑走路の端まで来た。僕は何回も名古屋空港を利用しているが、今回はいつもと違い、南から北に向かって飛び立った。つまり、いつもは春ヶ井側から、小牧山に向かってtake offするのと逆からである。


ビジネスクラスサイズの椅子に座ってゆったり


  8時30分、定刻より20分遅れて飛行機は名古屋空港を離れた。この程度の後れは、飛行時間から考えてもたいした遅れではない。子供たちにはカンタスからお遊びグッズをもらい、さっそく開けている。僕はというと、座席に取り付けられた液晶テレビで、映画を見始めた。この液晶テレビ、決して見やすいわけではないが、10chくらいある中から好きな番組が選べる。といっても大半は英語の番組だが。食事が済んでテレビを見ていたら、うとうとと寝てしまった。子供たちはとうに寝ている。ビジネスクラスの座席は快適である。でも、一番いいのは、エコノミーの真ん中の座席4席分を使って、
足を伸ばして寝ることだ。

[目次] [Back] [Next]