トランスを使用した28V安定化電源
「サーバー用電源の転用」の項で書きましたが、どうもうまくないので、電源を探していました。
24V、40Aのトランスがヤフオクに出ていましたので、早速購入。
パチンコ屋さんで使っているようで、新品は高価ですが、中古品は数千円で入手できます。
24Vのトランスで、さてどうやって27V、40Aを得るかです。
入力は100Vですので、早速出力電圧を計ってみると、28Vでした。
さっするに、40Aの時に24Vに下るのですね。
こんな回路にしてみました。
ブリッジ整流回路のダイオードは順方向電圧の小さいショットキーバリアダイオード(MBR3060FCT)を使用。
ダイオードが2つ入っていたので、並列にして60Aです。
直列制御トランジスターには飽和電圧の小さいMOS−FET(IRBF3607PBF)を採用。
1個で80A流せる様ですが、Pcが足らないような気がして2本並列にしました。
410x220x60mmの放熱器付きのケースを使用、12Vのファンで冷やしています。
トランスは外付けとして、ケースをそのまま使っています。
熱くなりそうなので、外周の穴をふさぎ、上部に小さなファンを取り付けて冷やしています。
この回路で40A流した時、27Vになる事を確認出来ました。
40Aの時の整流回路の出力電圧は27.5Vでした。
40A時のFETのドレイン−ソース間の電圧は0.5Vです。
トランジスターでは実現できません。
こんなFETが数百円で入手出来るとは良い時代です。
規格表のRds(on)を見ると、Vgs=10V、Id=46Aの時、Rds(on)=9mΩ(MAX)です。
注意深く特性表をみると、Vgsが4.5V以上で、Rds(on)が小さくなる事が分かります。
Vgsの絶対最大定格は20Vですので、Vgs=10Vを狙います。
回路図の下のほう書いてあるのはVgsを10V確保するために追加したものです。
AC:9.0Vを3倍圧整流してDC:36Vを得ています。
定電流ダイオード、E−102を経由してFETのゲートに入っています。
出力電流が小さいので、倍圧整流回路には容量の小さなコンデンサーを使っています。
この程度の出力電流であれば、昇圧ICでも可能ですが、
ノイズ対策で苦労したくなかったので、倍圧整流になっています。
得られた電圧は36Vでした。
40A出力時に出力電圧が27Vですから、
36−27=9Vとなり、充分低いRds(on)が得られました。