ワイドバンドレシーバー

テレビチューナーモジュールを使った、ワイドバンドレシーバーを紹介します。



ワイドバンドレシーバー正面
またしてもお菓子の缶に入っている。

概要
ビデオなどに使われているTVチューナーモジュールを利用して、ワイドバンドの受信機を作成した。50MHzから820MHzまでのワイドバンドFMの受信が可能で、12V単一電源で動作する。 内蔵のRFモジュレーターを使用することで、ビデオ信号の出力も可能であり、もちろんTV信号の受信も 可能である。

チャンネル選定はシリアルインターフェースを使用し、Sharpのポケットコンピューターでチャンネルデータを作成して選局する。選局プログラムはTVのチャンネルのものと、周波数入力のものと二種類用意した。

ポケコンのパラレルポートより、自作のI/Oボードで、Clock、 Data、 Enable、
の信号を出力している様子。

PLLのロックレンジは50MHzから820MHzまで得られている。テレビの音声IFを使用しているため、狭帯域通信の受信には向かないが、必要があればIF出力以降に狭帯域IFを追加することで対応が出来る。

レシーバーの内部。チューナー部はモジュールを採用しているため非常にシンプルにできている。中央部の基板には、電源、オーディオアンプ、スケルチが搭載されている。12V単一電源で動作させるため、内部のスイッチング電源でPLL用の32Vを作成している。

音声復調出力のみオーデイオアンプで増幅し、内蔵のスピーカーをドライブする。この時無信号時のノイズをHPFで検出して、VOX用IC、JRC製NJM2072を使ってで検出し、簡単なスケルチ機能を持たせてある。オーデイオアンプにもJRCのNJM2115を用いてBTL構成を取り、スケルチ信号を使ってオーディオアンプのパワーセーブ端子をコントロールしている。業務用のトーンスケルチのような感触が得られた。

受信したビデオ信号をRFモジュレーターに戻してやることで、CH3に画像を送信できる。ビデオカメラ入力をしてワイヤレステレビの実験が可能。ビデオ信号処理の実験に最適。

レシーバーの後部。ビデオ信号入力端子があり、ビデオ信号の伝送実験が可能。
シリアルデータ用のコネクターには電話用のコネクターを使った

感想
ワイドバンド受信機としてよりも、まずTVの音声受信に実用しています。146MHzのレピーターは良好に受信できましたが、余り流行っていない様子。日本と同じでFM通信はすたれているように感じます。技術的にはPLLの実験、スケルチの動作実験、BTLアンプのパワーコントロールピンの制御確認、スイッチング電源、ポケコンI/Oの実験など幅広い技術が習得できました。


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