PIXIE2分科会 in California

5/16日(土)にアメリカ出張中のJQ6EIW/1前川さんとアイボールQSOして、PIXIE2分科会を開きました。

この分科会にあたりPIXIE2の作者であるWA6BOYさんをそれぞれ尋ね、前川さんはHSC内のオフィースで何と3時間もPIXIE2の話で盛り上がったそうです。


まず、お互いのPIXIE2を紹介しました。

前川さんのPIXIE2はキットを作った7MHz版とオリジナルの10MHz版。 私のは、キットの7MHz版(VXOユニット変更でマルチバンド対応)

前川さんのPIXIE2は、前川さんのホームページで見ることができます。 ミッキーマウスのケースが小型でかわいく、ワイフいわく、「前川さんのムセンキの方がかわいい!」だそうです。前川さんの移動運用設備は、このほかに

があり、全てが小型のポーチに入ります。毎週のウォーキングにもっていかれているだけあって完成した形になっていました。


その後、PIXIE2に関する技術的な問題について話をしました。

1.LM386の発振:

前川さんのPIXIE2でLM386が発振してしまうということで、様子を見て見ました。 あいにく、作業を始めたら発振が止まってしまい防止策については実験ができませんでしたが、以下の対策を提案しました。

1−1.ステレオヘッドホンの採用:
前川さんは8オームタイプを使用していましたが、ハイインピーダンスのものの方が出力回路起因の発振は起こりにくくなるため、ステレオヘッドホンをLR直列で使うように勧めました。私の物は全く発振しません。

1−2.イヤホンジャックへの配線:
電子回路は信号別に信号の流れにそって配線されていると問題が減ります。イヤホンジャックへの配線が発振段のわきを通っていましたので、金属ケースの縁にそわせるように提案しました。

1−3.電源インピーダンスの低減:
前川さんが、面白い発見をしていました。006Pの電池がへたってくるとアンプが発振してしまうことと、1.5Vの電池を4本シリーズに接続すると発振がおきないことです。

これから電源インピーダンス起因の発振が起こっているのではないかという推定が立ちます。へたった電池は等価内部抵抗がおおきくなるため、VCC側のインピーダンスが高くなります。386の回路は電源のインピーダンスは低いものとして設計されていますので、そうでない場合はコンデンサーなどでACインピーダンスを下げなければなりません。
386の電源ピンに入っている電解コンデンサーは、寄生インダクタンスが少なく、かつシリーズ抵抗の少ないものにする必要があります。対策として私が使っている小型の電解コンを差し上げたのと、0.1uF程度のセラミックを対GNDに入れることを提案しました。

2.VXO:

前川さんの10MHzのVXOは可変幅も良く取れていてFBでした。二人とも同じ回路を使っていますが、運用方法に若干の違いがありました。

私は、送信時にトリマー一個で、受信時にオフセット用のトリマーが追加してオフセットを作るやり方でしたが、前川さんはVXOのトリマーとRITのトリマーを両方同時に動かして800Hzの差をつけるやり方をされていました。恐らく7MHzバージョンでパワーが出ているため、送信時に周波数が下がる、いわゆるfずれのためこうされていたのだと思います。

PIXIE2の回路では送信出力が大きくなると発振段に影響が出ます。目安ですが100mWのオーダーでは多少なりともfずれが出るでしょう。前川さんの10MHzバージョンは私と同じ20mWレンジですからfずれはあまり問題にならないはずです。

二人とも同じ回路を使っていましたので、10MHzバージョンでは1個のトリマーで受信し、ゼロビートを取った上でRITをいれて800Hzのオフセットを取るという使い方を紹介しました。

また、トリマーを2個使ったやりかただと工夫次第で運用範囲を広げられます。
私は、22pFのトリマー二個使いなので最高44pF(+10pFのオプション付き,詳しくはVXOの記述参照)が入ります。Cを入れてゼロビートを取り、RITをきって普段の逆サイドバンドを聞くこともできるわけです。この場合トーンは周波数によって変りますが、VXOはCがたくさん入る方でCの変化に対してのfの変化率が下がりますので意外に聞ける範囲に入るようです。

前川さんより、7010の水晶をお土産に頂きましたので、今年の冬は日本のQRPerと交信する機会が増えそうです。前川さんTHX!

3.サイドトーン:

前川さんに私のサードトーンを聞いていただきました。結構まともな音が出るのに感心されていた様子です。前川さんのローカルの方にも追試していただいてちゃんと動いているということで安心しました。お土産に4011をお持ちいただきました。


宴会:

アイボールにつきものなのはAC変調です。この日は無線家とのミーティングを祝して、KENWOODというカリフォルニアワインを開けました。

宴会の話のなかで、二人ともQRPpの楽しさを語り合いました。前川さんがPIXIE2を持って毎週散歩して健康管理をされていることから、PIXIE2は健康にもよいという結論で幕を閉じました。前川さんの手のひらに載るコンパクトなアンテナが非常に魅力的でしたので、HSCでビニール線を買い早速作って見ようと思います。これは前川さんのページで紹介していただくことにしましょう。

あっという間に時は流れ、言うまでもなく楽しいミーテイングでした。きっかけを作ってくれたPIXIE2に感謝!です。


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