オープンソースの表計算ソフトによる無線業務日誌

JH5ESM, Cosy MUTO
08 July, 2011
Updated on 11 July, 2011

このページでは，無料で使用できるオープンソースのオフィススイート“LibreOffice”の表計算ソフト“Calc”を用いたアマチュア局用無線業務日誌（以下，「本ログブック」と略記）を紹介しています．

プラットホーム（Macintosh/Windows/Unix）を問わないログブックとしては“jLog”がありますが，表計算ソフトを用いることで自由度の高いログを作成できるのが利点といえるでしょう．
OpenOffice.orgでもほぼ同様のことを行うことができるはずです（ただし3.4以降の日本語版はリリースされない見込みです）．

相互連携するツールとして，“オープンソースの表計算ソフトによるコンテストログ”をリリースしました（2011/07/11）． あわせてご利用ください．

【注意・重要】

このログブックでは，表計算ソフトのマクロを利用して日付及び時刻情報を得ています．
ファイルを閉じる際には，新規に入力した交信データの日付及び時刻をコピーして【テキスト形式で同じ場所にペースト】してから，保存して閉じてください． この作業を行わなかった場合，日付及び時刻情報が【永久に失われます】． 失われた日付・時刻情報を自力で復元する手段はありません．
本ログブックを使用することによって生じたいかなる損害（例えば「日付・時刻情報の喪失」）も，私，JH5ESMは補償いたしません． このことをご理解いただき，ご自身のリスクでご利用ください．

用意するもの

• LibreOffice
  　ダウンロードはこちらから．
  　インストール後，全般設定のマクロセキュリティを【中】レベルにしておいてください． また，表計算のセル内容のオートインプットは解除しておいてください．
• Java Runtime Environment（JRE）
  　大抵のマシンには既にインストールされていると思います．新規にインストールする場合はこちらからお使いのマシンに対応する最新版のJREをダウンロードして下さい．
• IPAフォント
  　必須ではありませんが，プラットフォームを問わない無料のフォントです（ということは，文書データのやり取りに非常に都合がいいということです）． 本ログブックではIPAゴシックを指定しています（もちろんフォントは好みのものに変更できます）． ダウンロードはこちらから．
• ネットワークタイム
  　電波法に規定された「正確な時計」を実現するため，JJYを設定しておくのが良いでしょう． 毎日1回以上照合しておけばよいので，（移動運用時も）常時NTP接続しておく必要はありません． もっとも，アマチュア局に関しては時計と無線業務日誌の備付けを省略できるという告示があるわけですけど．．．（苦笑）
• 本ログブック（RadioLogbook_v1j.ods）
  　ここをクリックしてダウンロードして下さい． 適当な場所に置いておきます． ファイル名は変更して構いません．

使用方法

1. 本ログブックを開きます． セキュリティ警告が表示されますので，「マクロの有効化」をクリックします．
2. 日付及び時刻は，コールサインを入力して確定するとその瞬間の時刻を自動取得して記載されます（入力例）．
   したがって“Station”欄より右側だけを入力していきます．
   “His/Her Sig”，“My Sig”欄はRST/Mだけでなく，混信・QSBの状況とか，コンテスト時にはコンテストナンバーも入力可能です．
3. ファイルを閉じるときは，新規に入力した交信データの日付及び時刻欄をコピーして同じ場所に「テキストとしてペースト（手順1，手順2）」してから，保存して閉じてください．
   これを怠ると，日付及び時刻情報が永久に失われます．
4. クラッシュ時に備えるため，時々上記3の要領で日付・時刻情報をテキストデータ化して「保存」してください．

Tips

• 日付及び時刻情報を手作業で入力すれば（自動入力であっても，ファイルを閉じるまでに手作業で入力し直せば），情報喪失を免れることができます．
• 日付，時刻及び相手局欄も含め，全項目を自由に変更することが可能です．ここが他のログソフトとの大きな違いです．
• 5,000件（5002行）までは日付・時刻情報の自動取得を設定しています．
  それ以上に拡張する場合はA5002 : D5002をコピーして，A5003以降のお好きな範囲にペーストしてください（これは通常のペーストです）．
• 他のログソフトからの移行方法
  1. 他のログソフトのデータを表計算ソフトで読める形（例えばExcel形式，CSV形式，タブ区切りテキスト等）に変換し，Calcで読み込む．
  2. 項目の列配置を本ログブックと合致するように修正する．
  3. 本ログブックを開く．上記2のログ件数が5,000件を超える場合，A5002 : D5002をコピーして既存ログ件数以上の場所にペースト（通常のペースト）しておく．
  4. 上記2で修正した内容をコピーし，本ログブックのA3に「テキストとしてペースト」する．

利用及び再配布等について

• フリーウェアとします．ご自由にお使いください．
• 再配布はご遠慮下さい．このURI（http://homepage3.nifty.com/jh5esm/homebrew/libo_logbook_j.html）をご案内ください．
• 何らかのメディアに収録したい場合は，ご相談ください．連絡先は下記に記載してあります．