JH5ESM,
Cosy MUTO
16 Sept., 2007
ラジオ受信機に大きな外部アンテナを接続すると,混変調や相互変調に悩まされます.そこで,簡易型のアッテネータを作ってみました.
回路はいたって簡単で,ボリュームを一つ入れるだけです. 入出力は0.1[μF]で直流カットしていますが,これは外部アンテナ端子等に直流が供給されているラジオ等(例えばICF-SWのシリーズ)に接続する場合を想定してのことです.入力側のダイオードは過大入力あるいはアンテナに溜まった静電 気に対するおまじないです.後者の目的では,ゲルマニウムダイオードより1N4007のようなシリコンダイオードの方がいいかもしれませんが,雷が鳴っているような状況では外部アンテナを外すのが本筋です.
アッテネータ全体は図2に示すように小型のプラスチックケース内に実装しました. ここでは手元にあったテイシンTB-50B(W/D/H= 30/50/20[mm])に組み込んでいます. 入力端子は3.5[mm]モノラルジャックとピンジャックとし,出力側は1.5D-2Vを直接出して先端に3.5[mm] モノラルプラグを接続しています.
(a) 外観 | (b) 内部 |
短波ラジオでCW受信するためのオーディオフィルタ(+アンプ)です.
図3に製作したオーディオフィルタの回路図とフィルタ特性のシミュレーション結果(図をクリックして拡大)を示します.
入力はヘッドフォン端子から取るようにしています. ラインアウトからは取らないでください(ラインアウトの出力インピーダンスは高いので,フィルタ特性が乱れてしまいます).
フィルタは中心周波数750[Hz],3dB帯域幅330[Hz]の4次m結合BPFにしました.6dB帯域幅で約500[Hz]です.
このフィルタに用いるインダクタは可能な限り直流抵抗の小さいもので,必ず磁気シールドされているものを選定してください.これが守られないと,図3(b)のようなフィルタ特性は得られません(どんな特性になるか皆目見当もつきません).
私はFCZ研究所の寺子屋シリーズNo.163「パッシーブ型CW用オーディオフィルタ」のインダクタを使用しました(おそらくこのインダクタが市販品では最も直流抵抗が低いでしょう).
またフィルタ用キャパシタは必ずフィルム型にしてください.1[μF]は上記FCZフィルタのセットに入っているものが流用できます.0.22[μF]はニッセイ電機のMMTシリーズ積層フィルムコンデンサが小型でいいでしょう.
フィルタの終端抵抗も兼ねたボリュームで音量調整して,TA7368Pでヘッドフォンを駆動するようにしています.
回路と基板上の部品配置は若干異なりますが,製作した状況を図4に示します.
ケースはタカチのYM-100(W100×D70×H30[mm]),基板はICB-88相当のもの(秋月Cタイプ)をカットして単3×2本用電池ホルダが入れられるようにしています.
図4 外付けフィルタの実装状況