IC756ProIII Load Test by JH4RHF

ようやくやってきた!!

はじめに

FT1000MPを楽しくかわいがって使っていたのですが、GJ行きの際に粉砕され、修理見積もりを取ってみたら"買ったほうが安いよ"状態でした。MP(無印)は 中古しかなく入手困難、MkV Filedはこっちで買うと2,400EUR(32万円!!)もするので食指が動かなかったのですが、調べてみるとIC756ProIIIが発売開始から間もないのにまあまあの 値段で売られていることが分かりました。どうせならちょっと毛色の変わったものを試してみたいと思い、日本からProIIIを購入することにしました。MPと違い ProIIIは比較的小さいので日本から送ってもらっても送料がそれほど気になりません。

マニュアルをダウンロードしてぱらぱらとめくってみたのですがなかなか最近の機械らしく、すぐには使い方が習得できそうにありません。ここではロードテストと名づけて、ぼちぼち使い方を習得していく様子を書き並べてみようかと思います。

 

お断り

ここに記載されている事柄は私個人が私費で購入した日本向けIC756PROIII(S/N 31012**)の使用経験を元に記載されています。情報の正確性は保証しませんので、情報の利用は自己責任でお願いします。 またここに記載されている情報はICOMは関知しませんので(多分)内容についてICOMに問い合わせることはおやめください。

内容については間違っている場合があります。お気づきの点がありましたがご連絡いただけると幸いです。(jh4rhf(a)arrl.net宛) お寄せいただいたコメント等はここで紹介させていただく場合があります。

 

2010/1/30

YIで使う無線機の候補としてIC746ProとProIIIが候補に一瞬挙がりました。ところが複数のメンバーからフェーズノイズがひどいからと早々に却下されました。7600でも同様だそうで、先日のK4Mでも随分悩まされたそうです。昔の940のフェーズノイズの一件でIcomはフェーズノイズが少ないとの評価だったので安心していましたが、どうやらそうではないという評価のようです。結局自前も含めてK3で統一することになりました。

 

2007/1/28

VU7から帰って来ました。AgattiグループではトランシーバとしてProIIIを使用しました。10日間、5台のセットで4万QSOちょっと。ハイバンドのコンディションが 悪い中、まあまあよくやったと思います。

さてProIIIの活躍具合ですが、ほぼトラブルもなく元気に活躍してくれました。私のProIII ももっていきましたが、無事お役目を果たしました。

バンドスコープを見ながらのパイル捌きは痛快で便利です。どパイルのときはどのあたりに呼んでいる局が集中しているかわかるのでその端のほうから 少しずつ崩していくことができます。またRTTYのパイルでも空いたところでQRMなしで呼んでいる局を見分けることができるのでその局を拾いにいくこと が可能です。なんといっても"ブロック"のように固まったパイルをグラフィックで見ることができるのは楽しいものです。

 

下のほうでも書きましたが、今回は大体1.2kHz のフィルタ(CW時)で運用しました。場合によっては少しPBTで絞りましたが1kHzくらいまで。160mでも、です。ノイズの少ない遠隔地故かもしれません。 RTTYはもちろんRTTY Fil(350Hz) TwinPeak付き。よく働いてくれました。

 

ProIIIのRTTYデコーダも試してみましたが、今回はMMTTYよりよく復調してくれることがかなりありました。MMTTYとは得手不得手が違うようでMMTTYがよ く復調することもありました。両方を併用すればよかったのですが、実際にはパイル捌きが急がしくProIIIの細かい復調結果を見ている暇がなく大体MMTTYに頼っていました。

 

今回ProIIIをペリカンの1550に入れていきましたがちょうど大きさがあい、電源とともにいい感じに収まります。キャスタがないのがちょっとつらい ですが、そのほかは完全にフィットしています。ただ思ったよりケースが重かったのが驚きでした。ProIII+電源+ケースで約16kg。ケースが約5kgあります。

ICOMからの貸与のProIIIはペリカンの1650に入ってきたようです。これはスーツケースくらいあり、キャスタが付いていて転がすのに便利ですが、 ProIIIには大きすぎ、しかも重さが10kg以上あり、もって来たメンバーにも不評でした。MPを入れるのにちょうどいいくらいの大きさです。

 

最近あれこれ試してみていないのでねたがないのですが、以下のことがアイデアとしてあります。

  • 内臓の音声レコーダは設定が結構大変なのですが、コンテストでCQマシンとして使う際の最適なレベル設定を探ってみたいと思います。

  • つい最近IC706MkIIを売ってしまいましたので後継機としてIC7000を購入しようと思います。今回VU7RGにW0GJが持ってきていたのでちょっと試させ てもらいましたが使い勝手がちょっと悪いところがある(これはこの大きさなのでしょうがない)のですが基本性能的には満足できそうです。ProIIIのDualWatchへの不満は以前に書きましたが、IC7000をスレーブとして"Real Dual Watch" を試してみたいと思っています。

 

2006/3/1

また2月も放置してしまいました。いろいろやってはいるんですけどね。

 

以前に160で使っていて強い局の"カブリ"がひどいと書きましたが、WW160(もう1月以上前だ !!)で760PROと並べて聞いてみました。

ざっと聞いてみた印象では760PROの方が"カブリ"に対しては静かです。DSP NRの優位さがなければ756ProIIIは必要ないでしょう。

 

さてその原因は何なのか、WW160以降、いろいろと試してみました。我が家では2つ原因がありそうです。以下に挙げてみますが、専門家でないため表現が観念的で的を得ていないことをご了承ください。

 

まず1つ目の原因は近接の強力な局。困ったことに+20dBくらいの局から影響が出始めます。どうもDSP IFフィルタで切った際の切り残しのかけらのようなものがバンド中でコツコツと響きます。この原因は2つある可能性があると思っているのですが、1つはフィルタの特性、どうも急峻なフィルタで切ると符号の立ち上がり部分が残るような気がします。ProIIIではフィルタの特性をかえられますが、"シャープ"にすると切り残しが多くなります。760Proのクリスタルフィルタではその辺が十分ソフトなようでかなり低減されます。もうひとつ、送信側のキークリックが原因かもしれません。これについてはよく分かっていません。

 

もうひとつの原因は、なんと近接するAM放送局。ProIIIに変えてからなんだかSSBだかAMのかぶりのようなものがあるような気がしていましたが、なかなか原因が分かりませんでした。でもパイルになるとでてくる。ようやく原因が分かりました。つい最近まで気にしていなかったのですが、我が家の見通し(数キロ先)の丘の上にラジオの送信所があります。(多分、アンテナがよく見える)1476kHzなのですが、160のアンテナがつながっている状態では18dBのATTを入れてもSメータ振り切れ(+60dB)の強さです。これが相互変調(?)でバンド中で聞こえてくるようです。切り替えてみると760Proでも聞こえることはあるのですがProIIIの方がよく聞こえるような気がします。受信機に入るまでのところでノッチでも入れて1476を切ってやらないとこれはなくならなそうです。

 

このあたりのこと、技術的に詳しい方に解説していただきたいです。

 

2006/1/1

なんだかいつのまにか、年が変わってしまいました。

 

以前も書きましたが756ProシリーズのDual Watchは(FT1000,MPなどと違って)混合する局発を2つ混ぜて実現しているためにメインサブが混ざったままモノラルで聞こえてきます。回路構成上仕方がないのですが、これはスプリットでパイルを呼んでいる時にはなかなか使いにくいものです。ちゃんとした(?)Dual Watchをするには2台買うしかないわけです。

 

ではProIIIを2台買ったとして、ちゃんとした(?)Dual Watchはどうすれば実現できるのでしょうか?サブリグのVFOがメインのVFOに追従してくれなければ困ります。

マニュアルにはあまり明確に書いてないのですが、CI-Vのインタフェースを使って2台をトランシーブすることができます。過去の無線機の説明書をひっくり返してみると760PROあたりだとProIIIのものよりはっきり書いてあります。記述が不明瞭にごまかしてある(ように見える)のには何か理由があるのかもしれません。とはいえ760PROの説明書にも接続方法等については記述がありません。

 

早速試してみました。現在手元にあるのはProIIIと760PRO。接続して動作を確認しました。

接続は簡単。2台の無線機のREMOTE端子を普通のミニジャックのケーブルでつなぐだけです。クロスにする必要はありません。笑

どちらの無線機もCI-Vのトランシーブ機能がONになっている必要がありますが、出荷時にはONになっているので通常は設定を変更する必要はありません。

どちらかのVFOを動かすともう1台の無線機のVFOの周波数が同じ周波数に変わります。ここで同期を取ってくれるのは周波数(バンドも含む)とモードのみのようです。トランシーブ機能のCI-VコマンドはPCからのコントロールのためのは別に用意してあり(説明書のコマンド一覧による)周波数とモード情報しか交換しないようです。

従って、スプリット運用で、送信周波数をサブ無線機で受信するには;

1)メインで受信周波数をセット、スプリットをONにして送信周波数の方のVFOをアクティブにする。

2)メインで送信周波数を変更するとサブの周波数も追従する。サブはスプリットにする必要なし。

という手順で対応できるようです。

 

さて、VFOの追従ができるのは確認できました。あとはアンテナの分岐とAF出力の混合です。AFは単純に2台のヘッドフォン端子から出力を取ってきて、メインだけ、サブだけ、メインを右サブを左(逆でもOK 笑)に出力するようにスイッチを結線するだけでOKです。アンテナの分岐ですが、昔のICOMの機械にはRX ANT IN/OUTのジャンパーが後面にあってここから分ければ簡単だったのですが、現在の機械にはないので、メイン無線機の送信に同期して分岐ON/OFFできるアンテナスイッチを作る必要がありそうです。またサブ機の受信初段を保護するためにメイン機に同期してサブ機を送信(受信OFF)にするリレーも必要でしょう。サブ機には昔の八重洲機よろしくランプフューズを入れておくといいかもしれません。

 

あとはProIIIをもう1台買う予算を確保するだけだな(???)

 

2005/12/22

先週末はStew Perry(160mのコンテスト)でした。まじめにやろうかと思ったのですがCONDXも芳しくないので途中で投げ出してしまいました。

ルーフィングフィルタですが、今回はだいぶと悪い印象です。

但しこれはヨーロッパで160mのコンテストでの状態です。大体1810-1840の間に+40dBくらいの強さの局が5局くらい、+20dBくらいの局が更に10局くらいいます。(プリアンプアッテネータともにOFF)

どのあたりを聞いてもなんとなくざわざわしています。AMのかぶりかと思って何度もモードを切り替え確認しましたがそうではないようです。(因みに近所にAMラジオの送信所がありその信号はATTを全部入れても+60dB振り切り)

以前もすごいパイルのときに似たような状態になったことがありますので160mの信号によるものだと思います。

他のバンドでの症状はわかりません。(確認していない)次のCQWW160では他の機械(といっても760Proしかないのだが)とA/Bテストしてみたいと思います。

 

2005/12/6

WW CWで160を聞いてみて気が付いたこと。

EUで160なんて出ると、Big GunのCQ TESTのキークリックでバンド中が使い物にならなくなります。最初に160を始めたときはFT1000MP(ノーマル)で、バンド中いたるところでクリックが聞こえていました。これではいかんと思いInradのルーフィングフィルタを注文、入れてみるとスパッとクリックが消えました。(という気がしているのですが、あまり使い込まないうちに別の理由でMPが昇天、いい思い出だけが残っているのかもしれません 泣)

さてProIIIは如何に? 宣伝文句ではルーフィングフィルタも力を入れているような書き方ですが…

使ってみての感想は、ノーマルMPとMP+Inradの間くらい。バンド中コツコツ、というほどではないけれど、ド強力な局のクリックは聞こえます。他よりはマシかもしれないけれど改善の余地はあるといった印象。

 

さてIC765(=760PRO)向けのInradのルーフィングフィルタも発売になったことだし、ProIII(=756Proシリーズ)向けの商品は開発可能かと思いブロックダイアグラムを見てみました。 …だめじゃん。

Inradの製品は組み込みが簡単なようにボードとボードの間にケーブルでつなぎこむようになっています。従ってルーフィングフィルタを入れるには1st IFと2nd IFの処理が別のボードで、その2枚をつなぐケーブルが1st IFでなければなりません。ところがブロックダイアグラムによると、RFから1st IFへのMIX、1st IFの処理、2nd IFへのMIXまでがすべて1枚のボード(RF-B Unit)で済まされています。Inradの方式でのルーフィングフィルタの組み込みはできなくなります。

455のフィルタ(これは次のボード、MAIN-A Unit)はセラミックですからこの前に455の切れのいいクリスタルフィルタを入れればそれなりに改善はするとは思いますが、2nd IFへのMIXのあとですからそれなりということになりそうです。

 

ProIIIのMLでは果敢にもProIIIのルーフィングフィルタ(RF-B Unit上)を7800で使われている狭帯域のものに交換するプロジェクトの途中経過が報告されたことがありますが、改造が大変な上に調整もなかなか大変だそうで、最終報告は見ていないように記憶しています。どうやら一筋縄ではいかなそうです。

 

Dual Watchについて。

メインとサブとが混合して聞こえてくるのは以前にも書きましたが、スプリットで弱いDX信号が弱い場合には何とかメインとサブを分離しないと何がなんだかわからなくなります。その場合には一時的にサブの方を殺さなければいけないわけですが、それをBALつまみてできないか試してみました。片方に回しきればメイン、サブどちらかだけ聞こえてくるのではないかと予想したわけです。

結果はそれほど簡単ではありませんでした。確かにサブの信号がそれなりの強さならBALをまわしきれば聞こえなくなります。しかしサブの信号が+40dBくらい強いとBALを回しきってもなんとなく聞こえてきます。それほどの強さではないので却ってDXの信号と間違える可能性があります。本来ならばBALをまわしきったらサブは聞こえなくなるはずなのに、ちょっと漏れて聞こえてきているといった印象です。結局Dual Watchスイッチでちゃんと切らないとBALつまみだけではどちらかを選択できないようです。

 

2005/12/2

WW CWのころから160を聞いています。

ローバンドはノイズまみれで、特にうちは住宅地(市街地)なのでもろもろのノイズ源があちこちにあるようで受信には苦労しています。(送信は送信で苦労していますが)

なので、当然ProIIIのNRは入りっぱなし、大体10-11時くらいの位置にレベルを合わせたままになっています。これで結構弱い信号が聞こえています。このあいだ試しにNRを切ってみた所、NR onで了解度5(耳Sで599)の信号が NR offでは存在がわかる程度になってしまいます。よく気が付かないうちにNRに随分助けられていたことが分かりました。

MPの頃もDSP NRは使っていまして、確かに了解度は少しあがるのですが、その分DSP独特の受信音になってかなり疲れます。NRモードをあれこれ替えて聞きやすいモードを探すのですが、なかなかしっくり来るところに落ち着きませんでした。

しかしProIIIだとNRレベルを上げていくだけで音質の変化もさほどなくノイズだけが聞こえなく(聞こえにくく)なって信号だけが浮かび上がってくるように思います。

巷では756Proシリーズの評価はそれ程高くない(特にコンテスト業界)ようですが、このNRの効きは気に入ってます。

 

それにしてもDual Watchがもうちょっとなんとかならなかったのか、他はかなり気に入っているので残念です。スプリット運用で両方の信号を聞いているときに分離できなくてどうも使いにくい。バンドスコープの受信系でも使って独立したサブ受信にするわけには行かなかったんでしょうか。いや、バンドスコープが使えなくなっても困るかな?

 

2005/11/3

最近忙しくてムセンの方はご無沙汰です。(その割にはZS出張の際7P8から運用していたりしますが)

ProIIIをWW SSBの際にGJに持っていって本格的にテストしてみようと思っていたのですが、出張が重なりGJ行きもキャンセル。(直前の金曜日までLZに行っていました)

去年に続いて80mのバーチカルを上げたのですがノイズが高くてやる気になりません。一応JAまでは届いているのを確認しました。

 

さて、WW SSBでは80mでちょっと遊んでみようかとセットアップしてみました。この設備で80mSSBで張り合えるわけはないので結果は特筆すべきものではないのですが、セットアップに関して気が付いたことをいくつか並べてみます。

 

今回はHail のProset(エレメントはHC-5)をつないでみました。IC-706ほどではないですが、ちょっとゲイン不足気味。マイクゲインとコンプレッションをちょっと高めに設定してやる必要があります。

 

普段AstaticのD-104を繋いでいる時には気が突いたことがないのですが、どうもフレーズの端々、多分破裂音で風切音のような雑音が入ります。本体のモニタで聞いているだけなので実際にどのような音で出ているのかまでは確認していませんがかなり気になります。風防をつけたほうがいいのかもしれません。

 

一番苦労したのはProIII内臓のボイスメモリーの設定です。送信時に使えるのでCQマシンとして使おうと思い録音してみたのですがどうもうまくいきません。説明書をよく読まずにやっているからかもしれませんが、かなり設定が厄介です。

 

というのが、普通の送信時とメモリ書き込みの際とではマイクアンプのゲインがまったく違うので送信時と同じ設定ではまともに録音できないのです。送信時に適当なマイクゲインの設定ではボイスメモリではぼそぼそっとしゃべっているようで全然出力が足りません。ボイスメモリの出力のレベル調整はできるのですがそれでカバーできる程度ではないのです。これではコンテスト時にCQ出しながらメモリの中身も書き換えるといったように気軽には使えそうにありません。事前に設定を確認して録音するしかなさそうです。

 

また録音の際の手順が思ったより煩雑で気軽に何度も録り直しするわけにはいかなそうです。

 

結局適切なレベル配分ができないまま終わってしまいました。今度じっくり時間を掛けて適切な設定を調べてみたいと思います。

 

2005/8/16

EA6に行ってきました。当初は706MkIIを持っていく予定だったのですが、前日に動作チェックしてみると動作が不安定な部分があり、急遽ProIIIを持っていく羽目になりました(ところでこれで今年壊れた無線機は3台目、厄年だからでしょうか…)

 

多少かさばって重いのが難点ですが,性能的には申し分ない機械ですし、オートアンテナチューナ内臓だし、運搬ケースもちょうどいいくらいの大きさのものが手持ちであるし。

 

荷物が届かないなどの細かいトラブルはありましたが、総じて楽しめました。1週間で1000QSO、まあ満足です。

 

運用していて気が付いたのですが、CQを出し始める前にある程度ワッチしてQRMがないことを確認して(バンドスコープでも確認)居るにもかかわらず、こちらからのリターンのとおりが悪かったり、QRMがある旨レポートをもらいました。500Hzのフィルタで運用していたのですが、どうやらよく切れ(すぎ)ているので隣接の強い局のQRMに気づいてなかったようです。

 

"BPF"が動作していない状態にしてやればスカートが広くなるのは分かっていたので(下参照)、急遽フィルタ設定をFIL2を600HzBPFなし、FIL3を500HzBPFに設定しなおしました。250Hzの設定をなくしてもPBTで絞っていけば実現可能なのでスカートの異なる設定を瞬時に切り替えられるようにしました。600Hzの設定にするとなんだか9MHzのフィルタ1つにしたような甘い切れ味になってパイル捌きにはよさそうな感触です。

 

例によってCWフィルタの切れ具合をスペクトル表示させてみました。BPFありとなし、DSPのシャープとソフトの設定の計4通りです。比較を簡単にするためBPFなしもPBTで500Hzに絞り、聞いた感じ同じトーンに聞こえるよう、IF Shift+50Hzにしました。

 

500Hz No BPF Soft

 

500Hz No BPF Sharp

 

500Hz BPF Soft

 

500Hz BPF Sharp

 

こうしてみると、BPFありなし、Sharp Softでのスカートの広がりの違いがよく分かります。

個人的にはパイル捌き(DXpedition)にはBPFなしSoft、DXやコンテストにはBPF Softあたりが使いやすいのではないかといまのところ思っています。

 

ついでに先日間違えたRTTYフィルタ。

RTTYモードでのノーマル(PBTによる350Hz)、RTTYフィルタ、RTTYフィルタ+ツインピークフィルタの比較です。

面白いほど違いがよく分かります。現在我が家ではTPFの設定ですが、TPFの効果の程がどれほどすごいのかはよく分かりません。ただ、以前でもノイズやQRMがあった場合にマークとスペースの間にAFノッチを入れてやると復調率がよくなったような記憶があるのでTPFの方針は間違っていないと思います。

 

ノーマル(PBTによる350Hz)

 

RTTYフィルタ(no TPF)

 

RTTYフィルタ+ツインピークフィルタ

 

見た感じ、"RTTYフィルタ"がCW時の"BPF"のようなシャープな切れ味、TPFはウサギの耳みたいでちょっとかわいいです。(笑)

 

2005/7/28

アングラな話題続き。今日の内容については保証しません。利用は自己責任で。

 

純粋に技術的リバースエンジニアリングの興味として、もう少し続けます。

昨日の記事で示した信号線の名前のリストはサービスマニュアルに出てました。それによると

 

NBS NBがONかどうか

MSL1 SSB RTTY時のモニターAF信号切り替え

MSL2 AM FM時のモニターAF信号切り替え

MISL マイクアンプ入力信号切り替え

MOSL マイクアンプ出力信号切り替え

VOSL ボイスレコーダ制御信号

 

AMS AM時ON

PHFS HF時ON

P50S 6m時ON

 

なーんだ、仕向け仕様と全然関係ないや。

よく回路図を見るとダイオード群にはそれぞれの信号線とは別にCPUからMRという(Pin27)信号線がつながっています。

これからすると、本来の信号線の使用とは別に立ち上げ時か何かにMRからそれぞれのポートをスキャンして動作仕様を決めているように思われます。MRについてはサービスマニュアルにも記述がないので分かりません。

 

ここまで凝った事をする位ならROMに仕様を全部書き込んでおいてもいいようなものですが、現場(販売店)で変更可能にしてあるところはIcomの親心(?)でしょう。笑

 

ヨーロッパの仕向け国別動作周波数範囲ですが、ProIIIのマニュアルには記述がないのですが、IC-7400のマニュアルには記述されているようなので参考までに(特徴のあるところのみ)。あまりProIIIの内部設定との関連性がわかりません。

  EU FRA ITA ESP
受信 ゼネカバ ハムバンドのみ ハムバンドのみ ハムバンドのみ
160m 1800-1850 1810-1850 1830-1850 1830-1850
80m 3500-3800 3500-3800 3500-3800 3500-3800
40m 7000-7100 7000-7100 7000-7100 7000-7100
6m 50000-52000 50200-51200 50000-51000 50000-50200

ヨーロッパでは国によってゼネカバ受信が許されていなかったり、送信できる周波数が厳密に許可周波数と一致しないと販売できないなどいろいろ苦労が多そうです。特に160mや6mは許可の状況がまちまちでメーカの皆さんの苦労がしのばれます。

 

ついでに書いておくと予想されるJA,US仕向けの独自仕様は(EUなど向けと比べて)

JA: 4630対応

US: 5MHz

JA+US:160m(1800-2000), 80m(3500-4000),40m(7000-7300),6m(50000-54000)

 

2005/7/27

アングラな話題続き。今日の内容については保証しません。利用は自己責任で。

 

ダイオードによる仕向け設定をもう少し調べてみました。設定はMainユニットのD3751-3763まででなされていると考えています。

サービスマニュアルがダウンロードできたので(英語版)そのパーツリストと、JA仕向けについては自分の機械を開けてみて調べました。

31 JPN 32 USA 33 EUR 34 FRA 35 UK 38 ITA 39 KOR 40 ESP

Signal line

D3751 X X X X X NBS
D3752 X X X X X X X
D3753 X X X X X X X MSL1
D3754 X X X X X MSL2
D3755 X X MISL
D3756 X X X MOSL
D3757 X X X X X X X X VOSL
D3758 X X X X X X X X AGRS
D3761 X X X X X X X X AMS
D3762 X X X X X X X PHFS
D3763 X X X P50S

回路図上の信号線の名前も書いてみました。これと細かな仕様の違いを比べればどの信号がどういう意味を持つのか分かると思いますが、最近のICOMのカタログでは地域ごとの仕様(使用周波数)の違いが書かれていないのではっきりしません。昔のカタログには書いてあったような気がするんだけどなあ。

これとmods.dkでの報告を比較して見ると何かわかるかもしれません。

 

さてGen TXですがいろいろな資料の比較からD3751-D3754までが未装着であればよさそうなことが分かります。JA仕向けであればD3751のみを除けばよさそうです。

 

蓋を開けてみると分かるのですがこのダイオードかなり小さいです。ノギスでざっと測ってみましたが1mmx1.5mm程度の大きさ、老眼だとはっきり見えないくらいの大きさです。どうやって取り除くかいろいろ考えたんですが、最良の方法は、

先の細いニッパーでぶった切る。

あとは残りかすを指でこすってやればきれいになります。(下の写真参照)

ほらね、きれいでしょ? (除去前は2005/6/12の写真参照)

 

後先を考えず思いっきりやればきれいに取り除けます。除去後は本体をよく振って残りかすが中に残らないようにしましょう。

 

動作確認。とりあえず14MHzで見てみましたが、バンド外の下の方まで出力がでています。アンテナにつないだままだったので全周波数では確認してません。

この処置をするとバンド外に出たときに"ぽっ"って言う警告音(BEEP)がでなくなります。まああたりまえなんですが、慣れてしまったのでちょっとさびしいです。

 

AT500、AC電源ではなくProIIIから供給の13.8Vで動かしている分にはちゃんと動きます。多分ACから作ったDC電源の電圧が低くてリレーあたりが動作不良だったんだと思います。

 

2005/7/4

今日はちょっとためになる話を。

デジタルIFフィルタを500Hz以下の帯域に設定すると[BPF]という表示が出ます。

説明書によると、"SSB/CWモードで500Hz以下の通過帯域幅を選ぶと、受信専用バンドパスフィルタを設定し…"とあります。さてこの受信専用フィルタの効果は如何ほどのものか、これまであまり気にしていませんでした。

756Proの"BPF"の動作についての興味深い解析を見つけましたので、同じことをやってみました。道具も同じものを使いました。

 

例えば500Hzの帯域を得るには、標準の設定の500Hzのフィルタを使うほかに、広帯域(例えば1.2kHz)のフィルタをPBTで絞る方法があります。マニュアルによれば前者は受信用BPFが使われ、後者は使われません。試してみると確かに聞こえ方が違うようです。測ってみると、

上がBPF入り500Hz(標準設定の500Hzフィルタ)下がBPFなし(1.2kHzフィルタを絞って500Hzにしたもの)です。設定の都合で中心周波数は若干ずれています。

この表示を信用すれば、下の絵では通過帯域幅はほぼ同じですが、-25dB(?)あたりのスカートは20-30%広くなっています。上の絵ではかなり垂直に近くスパッと切れているのに対し、下の絵ではスカートがかなり広がっています。(とはいえCollinsの メカフィルほどではありません 笑)

これは結構使える情報です。以前にも書きましたがDXpeditionなどで大きなパイルを相手にするには帯域が広かったり、あるいはスカートが広がっているフィルタの方が使いやすいことがあります。スカートの広がり特性を変更できる方がいいと以前に書きましたが、同様なことがこのような使い方で実現できそうです。

 

ついでに250Hzについてもやってみました。上から標準設定の250Hz、500Hzから絞った250Hz、1.2kHzから絞った250Hz

500Hzの設定ではBPFが動作していますから250Hzに絞り込んだときには標準設定の250Hzフィルタとほぼ同様な動作をしています。このことからPBFで絞り込んでいってももともと狭いフィルタでも同じ動作をすることが確認できました。ソフトウエアの設定ですからあたりまえかもしれませんがXtalフィルタではこうは行きません。1200Hzから絞り込んだものでは500Hzの場合と同様スカートがかなり広がっています。

 

ついでにRTTY用ツインピークフィルタは

こんな感じ。多少ピークを持たせているようですが(3dB程度?)この表示ではあまりよく分かりません。 間違ってました。後日修正、追記します。

 

調子悪いからというわけではありませんが、机の上からJRL2000Fを下ろしてIC2KLを載せてみました。この秋のGJに持っていくつもりなのでテスト+慣らしをしておきたいと思っています。新しい電源を買ってからほとんど使ってないのでコンテストなどで使ってみて調子を見ておきたいです。

こんな感じ。

さすがIcom収まりがいいですね。高さが同じなのできれいに並んでいます。2000F程の威圧感がありません。

見てくれもそうですが、移動する(飛行機に載せる)ことを考えると2000F(PW1もそうです)の筐体はあまりうまくありません。2つに別れててもいいから1つの梱包で20kg以下に収まってくれている方がチェックインのときの問題の可能性が少なくなります。もうちょっと横に大きくなってもいいからPW1を2つか3つの箱に収めた製品が出ませんかね? アンプの製品寿命から考えると暫く新製品は出ないでしょうね。

 

当初2KLの電源(イータのスイッチング)も机の上に出しておいたのですが、ファンが常時回っていてうるさいので机の下に下ろしました。それでもうるさいです。ついでにProIIIに使っている方も下ろしました。2KLは電源の方でしかON/OFFできないのでちょっと不自由ですがあの音には我慢できません。

買ったときにテストしたときには気が付かなかったのですがCWを打つと電源の中でかちゃかちゃ音がします。他のモードでは気がつかなかったのですが何が原因でしょう? ちょっと気になります。

 

AT500が時々不調なので今のうちに調べておこうと思います。

 

2005/6/30

FN/HB0からの荷解きをしてシャックにProIIIを並べながら聞いていると20mRTTYでどパイルを発見、CY9かなと思いながら聞いているとJ6でした。しかしEUからの結構なパイルでスプリットで楽しんで(苦しんで)いる様子。

早速前回やりかけだったRTTYのセットアップ(といっても線をつなぐだけ)を済ませてPCを立ち上げMMTTYを準備しました。

RTTYなのでProIIIのデコード画面も開き、ミニスコープも開いてパイルの様子を眺めてみます。SplitやXFCの使い方がまだ慣れず試行錯誤しながらどの辺を拾っているか探ってみます。Splitの際にご本尊の方だけ周波数をLockするようにはできないんですかね? XFCを押しながらパイルを探っているとついついご本尊の方の周波数までちょっと動かしてしまいます。

+2kHzでの応答を発見、ちょっと上に行ったり下に行ったりして呼んでみますが返答なし。こういうときにバンドスコープは便利です。送信周波数のマーカーが立てられるので送信周波数を聞かずに空いているところで呼ぶことができます。返答がないので再びリターンを探るとやはり+2kHz。応答もそれほど頻繁ではないので+2kHzに留まって復調したら返答しているのかもしれません。

それならこちらも。+2kHzに送信周波数を合わせてバンドスコープを見ながら(送信周波数は聞かず 笑)他の局が呼び終わったらすかさずコール。何回か呼びつづけたところで応答がありました。バンドスコープを実用的に感じたひと時でした。

 

ProIII内臓デコーダの出来をMMTTYと比較してみました。やはりMMTTYの方が復調率はいいですね。ProIIIも混信のないところでは使えるのですが、混信があるとすぐに復調できなくなりました。その中、MMTTYは結構がんばっていました。とはいえ原理が違うので得意不得意があるはず。デコーダを複数見ながらのQSOはメリットがあると思います。

 

ProIIIは快調なのですが快調でないのはアンプ(JRL2000F)。ちょっとがんばらせるとエラー(A4)で落ちます。AACWのときの様子だと運用開始から少しするとエラー連発、そのうちエラーが出なくなるのですが、今回は頻発しました。RFユニットの出力バランスが悪いというエラーらしいんですがそんなこといわれてもねえ… ちょっと軽めにつかってALCは振らせない程度(700Wくらい?)に抑えてたのですがだめでした。困ったもんです。IC2KLより大きい図体している意味ないじゃん。

 

2005/6/29

FriedrichshafenからHB0経由で帰ってきました。FNでは相変わらず(?)楽しんできました。小物を数点買ってきたのですがここでは関係ないので別項で。

HB0へはProIIIを持っていきました。(706MkIIを売却予定だったので。売れなかったけど 泣) ホームと同様よく働いてくれました。最初アンテナをつながずに電源を入れたのですが、壊れているのかと思うくらいセットノイズが静かです。

移動に関して言えば、ちょっと箱がひ弱かなという感じがします。これは到着したときにも思いました。外側をダンボールでさらに二重に巻かれているのにへこんだりしてましたから。今回1度の移動で下の方の角は多少丸くなっていました。どうもダンボールの厚さが706あたりと同じくらいなのではないかという気がしています。10kgとHF機としては軽い方ですがそれなりの重さです。

メーカーとしては最初の納品のときに内容物が保護されていればいいのかもしれませんが、この大きさですから移動用に使われることも多いと思います。普通適当な入れ物がないので元箱に入れて移動することも多いはずです。何度も使うことを考えるともう少ししっかりした、尚且つ出し入れしやすい箱にしてもらうとよかったです。

 

写真を載せるほどではないのですが、HB0でのセットアップ(どこでも見た感じはいっしょですね…)

 

部屋は二階でバルコニーがあり、しかも上の部屋がかぶってなかったので、バルコニーに40mのバーチカルを立てました。

手すりにロープで固定、テーブルを寄せて根元を固定しました。ラジアルはバルコニーから下に垂らしました。右の写真は下からバーチカルを見上げた図。きれいには上がってるんですが周りが山だらけなので飛ばないんですよね。

 

2005/6/22

昨夜初めてProIIIでRTTYでQSOしました。4X17Bとかいう記念局がそこそこ呼ばれていたので呼んでみることにしました。内臓の定文T送信機能を使ってQSO。この場合記憶させたメッセージ一覧を表示させてから選択して送信させるためその間受信(デコード画面)が見れなくなります。やっぱり外部キーパッドから送信させるようにしておいて欲しかったです。そうするとデコード画面を見ながら適切なタイミングで送信することができます。

以前ICOM向けに作ったRTTY用ケーブルを引っ張り出してMMTTYのセッティングをしました。残念ながら内臓デコーダと比較するほど使い込む機会がないのですが、ぜひ比較してみたいところです。

 

DualWatchについてですが、ここにあるようにどうやらもともとメインとサブを独立して聞くことはできないようです。LOの信号の混ぜ具合でメインとサブの音量バランスを取ってるんですね。すごい。

 

2005/6/19

この週末はAll Asia CWでした。このCONDX(でも6mはいいらしい)なのであまり成果は望めずなのですが、ProIIIのテストも兼ねてちょっと顔を出してみました。20mを中心に約100QSO、CQ出してちょっとだけ呼ばれました。

 

ログは家に置いてあるPCに入っているちょっと古いCTWin10。準備をしていないのでリグのコントロールはしませんでした。キーイングはLPT1経由。ProIIIは前にエレキー用ジャック、後ろにストレート用ジャックがあるので、前にはパドル後ろにPCをつないで使うことができて便利です。キーヤーはCT側の速度を変更する都度手で速度をあわせるのですが、つまみが小さい上慣れてないのでなかなかすぐにあわせることができませんでした。この点760Proはつまみが大きくて便利です。(無線機自体がべらぼうに大きいですが)

PCキーイングには何も問題ありません。

 

受信の感想ですが、以前と同様かなりいいと思います。うちは都市雑音が多くてNRは常にON、大体9時方向くらいにあわせています。MPのNRは4タイプあり、ノイズに合わせてあれこれ試してみて、ノイズの中から信号を掘り出して聞く印象、S/Nはもちろんよくなり信号は聞こえるのですが、一生懸命がんばって聞いている感じ。それに比べてProIIIのNRはレベルを徐々に上げていくと耳障りなノイズ音がぴたっと止まり、信号だけが聞こえてくるようになり、NRを入れていても気を抜いてリラックして聞けるような気がします。ノイズまみれの時にどちらが信号を掘り出しやすいのかは比較テストしてないので分かりませんが少なくともProIIIの方が気楽に使うことができます。

このおかげもあってよく聞こえているようです。アンテナはフルサイズのバーチカル(20,40mともに)、出力1kW弱(笑)なのでパスに方向性がなければこちらに聞こえている程度には相手にはこちらの信号が届いているはずです。しかし実際に呼びに回るとこちらの方が随分よく聞こえているような印象を受けます。こちらのコールサインのせいもあるのでしょうが、何度もコールを打ち直さないととってもらえないことが頻繁にありました。(特にJA相手、遠いからですが) ProIIIの基本受信性能はかなりいいほうだと思います。

 

初めてコンテストをProIIIでやってみて変えてみたのがRITのクリアの設定です。標準ではクリアボタンを1秒ほどホールドしないとクリアしませんが、押すと同時にクリアする方が頻繁にRITを使うコンテストにはあっていると思います。

関連して、RITのつまみがちょっと重いような気がします。もう少し軽い方があわせやすいように思います。つまみがもう少し大きければよいのかな? 別のつまみに変えるとか何か周りに巻くとかするといいかもしれません。

 

送信は特に問題ありません。2000Fが運用中に頻繁にA4のエラーメッセージを出して止まったこと(ProIIIには関係ない)くらいです。

 

次のコンテストまでにはリグのPCコントロールをさせるようにしたいと思います。ICOMはリグに2桁のHEXアドレスがついており、コマンドを送受するたびにこれが必要なのでソフト側で無線機のアドレスを認識(対応)している必要があります。新しい機械を買ってくると未対応で制御できないことがあります。最近の機械はメニューでアドレスを変更できるので、古い機械のアドレスに変更してコマンド上古い機械に見せてやれば大体制御できます。ICOMのCI-Vのコマンドは機種固有の機能や新しい機能以外の部分はほぼ(?)互換性意があるのでアドレスさえ何とかすれば制御可能です。

 

となるとアドレスと機種の対応表が欲しくなります。インターネットのリソースから現在までの(ほぼ)すべてのICOMの無線機のアドレスをかき集めてきました。ご参照ください。

 

 

ICOM CI-V アドレス一覧  

IC-1271 24
IC-1275A/E 18
IC-275A/E/H 10 
IC-475A/E/H 14 
IC-275 10
IC-375 12
IC-471 22
IC-575 16
IC-707  3E
IC-703  68
IC-706 48
IC-706MKII  4E 
IC-706MKIIG 58 
IC-718 5E
IC-725 28 
IC-726 30
IC-728 38 
IC-729  3A 
IC-735  04 
IC-736 40 
IC-737/737A 3C 
IC-738 44 
IC-746 56 
IC-746 PRO  66 
IC-751/751A  1C 
IC-756 50 
IC-756 PRO  5C 
IC-756 PRO II 64 
IC-756 PRO III 6E 
IC-761 1E 
IC-765 2C
IC-775/775DSP 46 
IC-78  62
IC-781 26 
IC-7800  6A 
IC-820  42
IC-821  4C
IC-910  60
IC-970  2E
IC-R10 52
IC-R71  1A
IC-R72 32
IC-R75  5A
IC-R7000  08
IC-R7100  34
IC-R8500  4A
IC-R9000  2A 


 これを見るとアドレスの割り振りが単純に発売順の時系列で、偶数番号を順に振っているのが分かります。

この表の元データはアメリカ方面からきているので輸出向けの機種の型番で表示されています。私の記憶の限りの国内向けと輸出向けの型番の対応を下に並べておきます。(内容の保証はしません)

 

IC-710 -> IC-701

IC-741 -> IC-745

IC-750/A -> IC-751/A

IC-760 -> IC-761

IC-760PRO -> IC-765

IC-780 -> IC-781

IC-732 -> IC737(/A ?)

IC-721 -> IC-725

IC-723 -> IC-728

IC-7400 -> IC-746PRO

このぐらいかな?

 

2005/6/16

さてTUNER端子用のMolexのコネクタも日本から届いたことだし(tks JF1OCQ)JRL2000Fとの接続のための下調べをしてみることにしましょう。この端子を使う目的を改めてまとめておきます。

 

JRL2000Fを無線機からコントロール(バンドチェンジ)するには2つの方法があります。1つはシリアルポートから周波数情報を入れてやる方法。これは純正のJRCの無線機か市販のコントローラで実現します。

シリアルから周波数データが送れない場合には、JRL2000FのSETボタンを押し、準備状態にして無線機からキャリアを短時間入れてやります。2000Fはこのキャリアの周波数を測ってバンドチェンジします。(時間にして1秒以下くらい)

(この他2000Fは予めアンテナチューナをプリセットしておかないといけないですが、ここではこれへの対応は考えないことにします)

つまりちゃんと対応していない無線機でQSYするにはSETボタン押して、無線機のモードをキャリアが出るようにRTTYなりFMなりに変更して、ついでに内部のダミーを焼かないようにパワーダウンして、キャリアを入れてやる必要があります。これは結構面倒くさい。

 

一方ICOMの(最近の)無線機はAH-3,AH-4などの外部アンテナチューナに対応しており、TUNERボタンを押すと10Wのキャリアを出して外部チューナをチューンしてくれます。しかも(少なくとも)ProIIIでは設定により、ある一定周波数QSYすると自動でこのチューン動作をしてくれるようです。これをうまく使えばProIIIから2000Fのバンドチェンジをすべてコントロールできる可能性があります。

 

ということでTUNER端子の動作を調べてみることにします。

残念ながらこの端子のI/Fの詳細はICOMからは公表されていません。706に付加して、マニュアルチューナー用に一定時間キャリアを出させるアダプタ(こんなのとか)あたりのデータやAH-3,AH-4に関する記述(これとかこれあたり)あたりを参考にして調べてみます。

 

まずピン配置ですが、1番(先がとがったほう)からKEY,START,12V,GNDです。AH-3/4とのI/Fは、TUNERボタンを押すとSTARTが560msほどON(負論理)になりチューナーをスタートし、チューンしている間KEYがONになるということらしいです。KEYがONの間無線機はキャリアを出しつづけることになります。

 

では実験してみます。ProIIIが昇天しては困りますし(笑)内臓チューナもありややこしいので、とりあえず706MkIIに実験台になってもらうことにしました。

TUNER端子に何もつながない状態ではTUNERボタンを押してもキャリアは出ません。706がチューナを検知しているからです。何もつながない状態でTUNER端子の電圧を測ってみることにします。KEY=4.8V、START=0V、12V=13.8V、GND=0V。

これの回路と考え合わせて、STARTをプルアップしてやるとよさそうです。同じ抵抗値、100k ohmで吊ってみます。

(尚、このアダプタ=外部チューナは無線機の電源を入れる前につないでおかないと認識されません)

TUNERボタンを押すと中のLEDがつき、認識はされているのですがこれだけではキャリアが出ません。KEYにONの信号を入れてやらないと送信にはならないようです。

試しにSTARTとKEYを接続し、KEYにSTARTの信号を入れてみました。パルス幅は560msのはずですが約1秒強キャリアが出ました。これと同じように470uFをパラレルに入れてみましたが、3秒程度しかONになりませんでした。これだと8秒ONになるらしいのですが、古いので容量抜けしているのかもしれません。

 

これで大体の動作が分かりました。

1) STARTは12Vからの電圧で吊ってやる。

2) TUNERボタンを押すと560ms(?) STARTがON(負論理)になる。

3) KEYがONの間10Wのキャリアが出る。KEYは5Vの負論理らしい。

 

KEYに2000Fからの送信要求を入れてやればよさそうなことが分かります。

 

とりあえずSTARTの信号をKEYに入れてやると1秒前後ONになるので当面これを用いて2000Fのバンドチェンジをすることにしました。

ものはこんな感じ。

実験用の状態そのままなのでやたら足が長いです。

 

これでQSYは 2000FのSETボタン押下 → ProIIIのTUNERボタン押下 で済み、いちいちモードチェンジする必要がありません。

ちょっとしたものですが、あちこちワッチして頻繁にQSYする場合には便利です。

ProIII以外にも最近のICOMの機械(AH-3/4対応機種)にも使えるはずです。ICOM+JRL2000Fを使っている方は用意されてはいかがでしょうか? モードチェンジの手間がなくなりQSYが楽になります。

 

次回は2000Fからの送信要求を追加します。

 

実験を終わってぐるぐる回していたら14192でCY9SSを発見。信号はそれほど強くなかったですが、安定して入っていました。ぜんぜん呼ばれてなかったので1,2度呼んだだけでできました。

トラブル続きでまだ本格的運用になってないのでしょうか?呼ばれてなくてちょっとさびしそうでした。

 

 

2005/6/14

今日はマイク接続用ケーブル(アダプタ)を製作しました。

我が家ではとっかえひっかえできるようにマイクの接続はHeil互換(?)のアダプタ経由にしています。ICOM用のアダプタはHeilのものを持っているのですが、ProIIIにはメッセージキーヤー用のキーパッドがつけられるのでその用途に新たに作ることにしました。

特に新しいことはありません。Icom用に注意すべきところはICOMではマイク端子に+8Vの電源が重奏されているのでこれをカットしてやらないといけません。HeilのWebによると、1uFぐらいのコンデンサが適当とのこと。バラしてみるとHeilのアダプタにも1uFのタンタルコンが入っていたので同じ物を入れました。キーパッド取り付け用に2.5mmのジャックをMic U/Dに取り付けてあります。

 

そしてキーパッドが、以前MP用に作ったのとほぼ同じ構成のこれ。

最近メーカー製もあるようですが、全部部品を買っても300-400円くらいでそろうと思います。抵抗は今回もジャンク箱からのありあわせ。剥き出しですが今まで回りこんだことはありません。回り込んだらパスコンを入れていけば止まると思います。剥き出しなので作業も簡単、こじんまりとまとまってて手にもなじんで結構気に入ってます。

 

CWモードでテストしてOK、ボイスキーヤーにはまだ入力してないから動きません。RTTYで動作確認したところ動作せず。不審に思って調べたところ、RTTYの定文送信には対応してないことが判明。せっかくなのでRTTYにも対応しているといいのにと思いました。

 

1週間弱使ってみて、画面の設定をモード毎かバンドスタッキングレジスタ毎に記憶できればいいのにと思いました。

例えば、これだけCONDXが悪いといろんなバンドモードを行ったり来たりしてワッチするのですが、RTTYを聞いてるときにはRTTYでコード画面が欲しいのですが、CWやSSBでは必要なく、画面の隙間がさびしいのでバンドスコープを表示したくなります。そうするとモードを変更するたびにデコード画面を消してバンドスコープを表示させるよう数回スイッチを押す必要があります。

また、メータの切り替えではSSBではALCかCOMPを見ておきたいところですが、その他のモードでは必要ないのでPOあたりを見ておきたいのですがこれまたモード切替ごとに切り替える必要があります。

何らかの形で前の状態を記憶しておいてくれるとうれしいんですけどね。

 

机の上の760Proと入れ替えました。机の上のスペースが広がりましたが、2000Fとの大きさがかなりアンバランスです。

 

2005/6/12

到着して1週間弱なのですが、早速裸にされてしまいました。(そういえば子供のころから買ってきたものをすぐ分解する癖がありました。そのおかげで買ってすぐなのに使えない機能がある家電が幾つか…)

蓋を開けていて(閉めていて)気が付いたのですが、ねじ穴の合う精度が他の機械に比べて格段にいいのです。それもそのはず、よく見るとProIII(いままでの756シリーズも?)はシャーシがアルミダイキャストで、板を組み合わせのシャーシとは剛性がぜんぜん違うのです。これでBAに載せても大丈夫?? (シャーシのがたがたになった1000MPは別途修理作業を進めています)

以前書きました上蓋と下蓋がぴったり合ってなかったのはそれぞれの蓋の折り曲げ精度の問題だと思われます。シャーシは剛性があるので問題ありません。蓋を閉めるときにちょっとだけ上蓋を開き気味にひっぱって取り付けたらあまり気にならなくなりました。

 

開けて、見てみたかったのはダイオードによる仕向設定。このダイオード群はDSPユニットの下にあります。DSPユニットを下ろして、

これでは分からないので拡大してみると、

あれ?ちょっと手ブレ気味。写真撮り直しました

 

興味のあるのはD3751-D3756あたり。(写真ほぼ中央) D3751, 56が取り付けられていることが分かります。 

ヨーロッパ方面からの情報では3751-53あたりを取り除くとGenTXになるらしいとのことですから、ここでは3751を取り除けばいいと思われます。

因みに3755と56を取り除くとGenRXになるとイタリアからの報告があります。これ(JAバージョン)でも3756にダイオードがありますがJAバージョンでも受信制限が一部かかってるんでしたっけ?

 

まあそんなアングラな話題はさておいて、

20mをぐるぐると聞いていたらパイルを発見、スプリットらしい気がしたので、初めてDual Watch(TM)をONにしてみました。初めてだったのでちょっと試行錯誤。(このあたりMPは直感的に分かるI/Fでいいと思います。まあダイアルが2つ必要ですが)

ちゃんと同時に聞こえるようになりました。が、あれ? ステレオじゃない。MPではじめて同時受信を体験し、それに慣れていた私にはメインとサブとがごちゃ混ぜで聞こえるのにちょっと混乱しました。バランスつまみを回しても変わるのはどうやら混合比だけらしいし、説明書を見てもステレオで聞こえるとは書いてないので、できないのでしょう。だめじゃん。

メインとサブが別々に左右から聞こえるのはそれぞれの信号を分離して認識するのにはなかなか好都合です。混ぜられちゃ分離しようがありません。スプリットのパイルアップを聞いてるだけならこれでもいいでしょうが、コンテストでSO2V、つまりメインVFOで捌きながらサブVFOでマルチ探し、するには分離がしっかりできる必要があります。まだそこまでやったことないけど、MPであればダイアルも2つあるので簡単に実行可能です。ProIIIだとこれは無理でしょう。筐体が小さいこともあるし、これをやりたければ2台買ってSO2Rにしろということかな?

 

7J3AOZ白原さんの所のblogでさらされてしまいました(tks!)。JH9TYT深見さんのところにProIIIの使用レポートがあります。参考になります。

 

 

2005/6/10

昨日はマイクをつないではじめてProIIIでQSOしました。

自宅のマイクはアスタティック(の一番安いやつ 笑)なのでマイクゲイン不足の心配はありません。

標準設定のままとりあえず送信。音域幅はWide、Comp off。アスタティックなのでキンキンした音を想像していたのですが自機でモニターしている限りでは随分と低音も出て落ち着いた音になっていました。コンプレッサを入れてちょっと押さえ気味にかけます。

イコライザはないようですが、音質調整はできるし送信する音域幅(周波数幅)も変更できるので自分の声と用途に応じていろいろ弄くることができそうです。できれば何種類かのパターンでこれらのデータをセットで保存でき、簡単に切り替えられれば(DX用とラグチュー用とか)もっといいのではないかと思います。

コンテスト用にはちょっとコンプレッションを多めにかけて音域はワイドにするのがいいんですかね。周波数確保のためには(笑)特にヨーロッパでは深刻です。

 

マイクゲインなどのつまみは下のほうに小さく並んでいるのですが、760Proみたいに必要ないときは引っ込んで、必要なときだけ一旦押して引っ張り出す構造になっていればいいのにと思います。長く突き出ているのでちょっとじゃまで不安。7800ではそういうようになっているようですが、差別化でしょうか(?)

 

バンドスコープは、今回はじめて使うのですが、使っていて楽しいですね。バンドの状況が把握できるし、我が家の市街地雑音の素性が良く分かりました。RTTYの時でもあるに越したことはありません、ミニスコープの要望が理解できます。

 

きょうのメインはこれ。説明書にも出ていない、画面の表示タイプとフォントの一覧です。(写真をクリックすると拡大します)

 

これが標準スタイル。(バンドスコープつき)

 

これがBタイプ。画面が全体に黄色くなっています。(フォントがPOPに変わりましたがこれは個別に変更可能)

 

Cタイプ。緑になりました。

 

Dタイプ。白地に青。

 

Eタイプ。緑にBasicフォント。SWの形状が変わりました。

 

Fタイプ。青地。ボタンの表示が丸に変わりました。(サイズの都合でモアレがてていますが、実物には出ていません)

 

Gタイプ。 海と空。

 

Hタイプ。夜景(ドコ?)

こういう写真を見せられると自分で気に入った写真を入れてみたくなると思うんですが、そういう機能はつけないんですかね?

 

続いてフォント。

Pop

 

7Seg

 

Italic1

 

Italic2 (1とはサブの表示がアウトラインから網掛けに変更されています。こっちのほうがいいと思います)

これがProIIIのディフォルト。

 

Classic

 

Basic1

 

Basic2 (このあたりが以前のProシリーズの標準だったような気がするんですが…)

こうしてみると、Italic2かBasic2あたりが無難かなという気がします。これも自作フォントを入れられる機能があるといいんじゃないかと思います。(必要性は低いけど)

 

最後に立ち上がり画面に自分のコールを入れてみました。結構うれしいもんですね。

特に必要な機能ではないですが、よく考えてあると思いました。

 

 

2005/6/9 

早速自宅で動作確認。

試験票は添付されていましたが、それとは別に送信可能周波数と出力を計ってみました。付加はダミーロードですが電力計がBird43+1000Hエレメントなので出力はあくまで目安です。

 

送信可能周波数範囲

JA仕向品 S/N 3101231

 

160 1800-2000 93W @1910
80 3500-4000 100W @ 3580
40 7000-7300 100W @ 7060
30 10100-10150 100W @ 10130
20 14000-14350 100W @ 14100
17 18068-18168 100W @ 18130
15 21000-21450 100W @ 21200
12 24890-24990 100W @ 24980
10 28000-29700 100W @ 28500
6 50000-54000 85W @ 50200

 

ダイオードマトリクスの現状は後日蓋を開けて調べます。

 

一番上と一番下で(特に6m)で出が悪いのはしょうがないですかね。説明書によると4630kHzで送信可能なはずですが、パワーでませんでした。何か呪文が必要なのかな? (まだ説明書をよく読んでいない)  4630で送信するには非常通信モードに入る必要があります。説明書に書いてありました。

 

まあ送信のほうはこっちで使うにしても特に問題があるほど周波数を制限されていないことが分かったのでそれはそれでいいとして、興味があるのは受信のほうです。今机の上に載っているIC760PROと聞き比べをしてみることにしました。

しかし重ねてみるとProIIIが小さく見えますね。もともと760Proは筐体が大きい上につまみ類も大きいので大きく見えるのですが。

個人的な好みですがProIIIのメータ、ちょっと派手派手すぎる気がします。メータは760Proの方が好きだな。

とりあえず現在我が家には40mのアンテナしかないので(バーチカル)それにつないで見ました。

第一印象は"静かな無線機"。我が家はどちらかというと市街地雑音が多いところで40mでS5-7、20mあたりでもS5は常時振っています。Sメータでは760Proと同じくらいノイズが振っているのですがどういうわけか耳障りがそれほど悪くないのです。ノイズぎりぎりの信号を聞くと、(あたりまえですが)760Proで聞いているとノイズに埋もれている感たっぷりなわけで耳フィルタで拾い上げないと聞こえないのですが、ProIIIで聞いていると聞いた感じのノイズレベルが低いにもかかわらず信号のレベルは同程度で、信号が浮き上がって聞こえてくる感じがします。どういう仕掛けでここまで差が出てくるのか分かりませんが、760Proと比べて違いが明らかに分かることがあります。およそ10年前はじめてFT1000MPを借用して760Proと並べて使ってみたことがあるのですがそのときは有意な差を感じませんでした。(あるいは場合によっては760Proの方が良かった)他の機械とならべてみて明らかな差を感じさせる機械にはじめて出会いました。ProIIIでこれなら7800はどんなんだろう(興味津々)

これだけノイズとの分離ができるのであればローバンドでの使用が楽しみです。

 

フィルタのシェープは何度か替えてみましたが、違いが分かりませんでした。もっとどパイルになってないと分からないかもしれません。

個人的には肩のシェープだけでなくスカートの広がりあたりも自由に変えられると面白いと思うのですがどうでしょうか。-6dBと-60dBでのバンド幅を入力して自在な切れ味のフィルタを試すことができ るといいと思います。DXpeditionでは結構スカートの広いフィルタのほうが一度に多くの局が聞けていいんですよね。

 

ProIIIには万貫全席のように使い切れないほどの機能が山盛りついています。その中のひとつRTTYのデコーダは便利ですね。PCを立ち上げなくてもRTTYのワッチができるのは手軽にバンドを覗きにいけていいと思います。しかも定文での送信もできるわけですからDXCCねらいのみでRTTYに出ている人にはPCいらずです。

 

一般的な感想ですが、これだけ機能、設定個所がたくさんあるのですからPCに接続し、PC側で設定ができるようになるといいのではないかともいました。また一歩進めて、ボタンの割り当てや、メニュー構成の変更あたりもできると、必要な機能を使いやすく、そうでない機能を奥に追いやることができていいのではないかと思います。7800はLANやコンパクトフラッシュでPCへのI/Fがありますが、ProIIIはそうはしないのかなあ。またディスプレーのフォントやスタイルが変えられますが、これらもユーザーが自分独自のスタイルを作って設定できればいいと思います。DXpeditionに行ったときの写真やあるいは家族の写真(そんな人いるかな?)が設定できると面白いように思います。

 

また、これはちょっと危険ですがDSPのプログラム自身もユーザーで改版できるようにしておくとハードコアユーザーの楽しみが増えていいのではないかと思います。

 

なんだか使い込むのが楽しみになるような無線機です。ちょっと高価でしたがその価値はあるような気がします。

 

2005/6/8

ようやく、待ちに待ったProIIIが到着しました。日本を発って約1月弱、いつものこととはいえ待っているあいだに夢は膨らみました。

 

最近のICOMの機械のシリアル#は単純な連番ではなく、最初に仕向け先ごとのバージョンがつくようです。これはJA向け1231番目ということみたいです。実際の動作範囲については動作させて調べてみたいと思います。

 

さて開封してみての第一印象ですが、昔の機械と比べると安っぽくなった感じがしますね。付属品は電源コードとヒューズとコネクタ1つ、それが箱に入っているわけでもなく、ダンボールの仕切りの上に乗っていました。本体の作りも昔の、例えば760PROあたりの重厚さはなく、731あたりと同じような印象です。上と下のケースがきっちりあってなかったし。(ねじ止め部で段差になっていた) 

これちょっとかっこ悪いぞ、Icom(笑)

現在の経済状況一般と最近の流れからするとこんなものかもしれませんが、定価41万円の商品というきらびやかさはないですね。そういえば箱もダンボール地に黒一色の印刷だし。まあ大きさが小さいのもそういう印象の原因かもしれません。アメリカでは、"Portable Big Gun"と広告を打ってますからあながち誤った印象ではないのかもしれません。

 

本体の色はもう少しグレー気味かと思っていたのですが、まったくの黒ですね。

メーターを見ていて気が付いたのですが終段の電流電圧は測れないんですね。技適で申請できるから(落成検査の可能性がない)必要なくなったんでしょうか? 後面のRX ANT IN/OUTのジャンパーもなくなったんですね。アンテナ切り替えスイッチでRX ANTを切り替えられるからいいということなんでしょうか。

 

第一印象はこんなところです。次回は実際に動作させてみての気づいたことを並べてみたいと思います。

 

2005/6/2

ProIIIは税関に足止めのまま6月に入りました。まあ予測どおり。

Molexの4pinですがあれこれと頭を悩ませていたのですがJF1OCQ三宅氏に日本から送ってもらうことになりました。本当に不便なところに住んでいると困ります。

 

さてJRL2000Fのコントロール方法ですが、ProIIIからのTuner start信号で2000F側のSETボタンをONにし、2000Fからの送信要求をProIIIのTuningに入れてやればいいと考えられます。

2000FのSET SWの周りの回路を見ると、どうやらこのSWはどれかの信号線をグランドに落とすとかではなく、マトリクスを構成する信号線をON/OFFしているようです。考えるのが面倒なのでSWに平行にリレーでONにしてやることにします。

あとは実際に試してみるだけだな。

 

修理せぬまま帰ってきたFT1000MPをばらしてみました。なんとフロントパネルの中の基板が見事にメインダイアルとサブダイアルのところで割れていました。どう考えても高いところから落としたんでしょうね。BA恐るべし。

 

2005/5/27

2000Fと接続するのにTUNER端子を使う方針で調べています。

 

いろんなWebでTUNER端子のコネクタは"Molexの4Pin"といわれていますが、調べてみると、Molexはあの手のコネクタのメーカーで購入するためにはちゃんと型番が必要なようです。カタログをDLしてみたり検索をかけたりしてようやく型番を調べました。忘れないようにここに書いておきます。

Molex 1490-P1 新しいパーツ#だと 03-09-2042

厳密にはこれに合うピン(通常別売)が必要です。

因みに古いICOMのアクセサリコネクタ(24pin)は

Molex 1625-24P

です。

 

さて型番が分かったところで売っている場所を調べるわけですが、近所でパーツを売ってるConradやヨーロッパでは大手のRS Componentのカタログにもありません。Googleで検索をかけてみても業者向けにバルクで扱っているところはあっても1つ単位で売っている店をヨーロッパで見つけることができませんでした。アメリカにはたくさん店があるのですが,送料etcが本体より高くなりそうです。

日本でも扱っている店があるようですから日本で実家に送ってもらうのが一番安上がりかもしれません。

 

さてさて、このProIII実は20年程度ぶりに購入する新品の無線機です。そういえば数年前くらいにはこういう"高価な"無線機を買うとコールサインプレートとかプレゼントっていうキャンペーンをやっていましたね。最近ではCQの広告でもまったく見なくなりましたが不景気のせいでしょうか。アメリカで買うと、ブリーフケースをくれるみたいですけど。景品ほしさに買うわけではないですが、ないとちょっと寂しい気がします。

 

通関の書類の書き方が悪かったらしく、返ってきました。これでまた1週間通関が遅れるようです。泣

 

2005/5/23

さて我が家に到着してからJRL2000Fにつなぐことを考えています。スタンバイやALCは問題ないのですが、それ以外のバンドチェンジなどに関する接続です。シリアル接続で周波数のデータを送ってやればフルコントロール可能なのですがそれには大層なI/Fが必要なのでそれは後回しにします。

 

JRL2000Fのアンテナチューナはフルオートではなくプリセットです。予めTUNEボタンを押してチューニングし(大体数十秒かかる)その値を記憶させておかなければなりません。QSYの際はSETボタンを押し、そのあとにキャリアを1秒弱注入し、内部周波数カウンタにより周波数を測定し、その周波数に対応するアンテナ整合データをメモリから呼び出してアンテナチューナをセットしてQSY完了です。

チューン動作はいいとして、QSYの作業をなるべく効率よくしておかないといけません。

 

2000FからはTUNEやSETボタンを押したときにTXを要求する信号が出てきます。RIGのモード設定によらずこの要求によりキャリアが出せれば2000F側のSETボタンを押すだけでアンプのバンドチェンジが済みます。FT1000MPでは、外部キーパッド(FH-2)に、CWモードにした際にTUNEボタン(アンプ調整用にキャリアが出せる)があり、それをエミュレートしてやることでこの対応が可能です。

 

756ProIIIの場合を調べてみました。残念ながら同様にキャリアを出すためのボタンはないようです。使えそうなのはAH-4をつないだ際のコントロール信号です。背面にある4ピンのコネクタには12VとグランドのほかSTARTとTUNING(仮称 笑)があります。START はRIGからAH-4への信号でチューニングを開始します。TUNINGはAH-4からの信号でAH-4が同調動作の間ONになり同調が終了するとOFFになります。基本的には2000Fと同様の動作ですからこれが使えそうです。RIG側で動作させるか、アンプ側で動作させるかの違いだけです。しかもPROIIIには一定割合以上QSYすると自動でAH-4を同調動作させる機能もあるのでこれを使えばSET動作がまったく必要なくなります。問題は外部から2000FのSET機能をONにする入力端子がないので中に手を入れてSET SWから線を引き出す必要があります。

 

2005/5/19

Webで追跡すると5/12に発送、5/16にはウイーンに届いていることが分かります。先ほど職場のCustoms Sectionから電話があり、郵便局からの通知が届いて通関申告書の作成が始まったことが分かります。

 

Icomは親切ですね、説明書がWebからダウンロードできます。説明書をダウンロードしぱらぱらとめくっています。さすが最近の機械らしくいろんな設定や操作がメニュー形式で奥深くに隠れていたり、1つのボタンが複数の動作をしたりと使い方に慣れるのに時間がかかりそうです。その点MPは旧来の機械のようで見ただけでなんとなく使い方が分かりました。

 

最初に驚いたのが、メッセージキーの入力(登録)がメニューとボタンによるもので、パドルからの入力に対応してないらしいことです。画面に入力した文が表示されて分かりやすいと思いますが、昔の人間としてはパドルからの入力ができたほうがいいと思います。最もMPでもメッセージの入力は2つあるIambicのモードのうち片方でしかできない(もうひとつだと誤動作する)のでこれもまたどうかと思います。最近の機械は無線やらない人が設計しているからなんでしょうかね。

 

もうひとつ気になったのはフィルタのシェープの切り替えが思ったより簡単でなかったことです。カタログを見ていると簡単に変えられそうなのですが、やはりセットアップメニューに入っていかないと切り替えられないようです。音を聞きながら切り替えられるようなことがどこかに書いてあったのでもう少し簡単かと思ってました。

 

2005/5/10

まったく世の中便利になったものです。注文はe-mail、代金はe-bankで振込み。国内にいるのと同じ感じで発注できます。今回はいろいろあってEMSで送ってもらうことになりました。物自体は2-3日で届くのですが、通関にどのくらいかかるかが問題です。通常日本からだと何もなければ2-3週間で受け取ることができます。

 

2005/4

粉砕されたMPがほぼ全損状態だったことが判明し後継機の候補としてProIIIの購入を考えてみることにしました。

まだ発売されて間もないので中古では見つからない様子、新品の価格を調べてみると;

ウイーン:(ポイントエレクトロニクス) 3500EUR =47万円 !!

ドイツ: 安いところで3200EUR=43万円

アメリカ: 標準的に3000USD=31万円程度。かなりヨーロッパよりは格安なのですが、最近アメリカからの小包の通関でトラブル多発。最悪の場合受け取れなかったり法外な関税をかけられる可能性があるのでできれば避けたい。

日本で試しに数件の販売店に問い合わせてみると、思ったより安い販売価格(定価は41万円ちょっと) 。海外に発送してくれない販売店が多い中、送ってもいいよという販売店があったのでそこにお願いすることにしました。送料はもちろん別途。

経験的には郵便小包が一番割安です。15kg程度の小包として送れるのでヨーロッパまで、船便で8500円SALで16000円程度EMSだと2万円程度。