K3 by JH4RHF (last updated 2020/08/16)


* 2010/1/20
2010年のWRTCにJK3GAD渡辺氏のチームメイトとして参加することになったのですが、いろいろと検討の末、無線機にはK3を採用することにしました。2人ともK3はまだもっていないので今から買うことになります。私は未だK3に触ったこともありません。
また4月から行われ、私も参加するYI9PSE DXpeditionでもK3を使用することになり、K3を使う練習にはちょうどいい機会になりました。私の購入するK3はカリフォルニアに送ってもらってイラクに持ってきてもらい、イラクで(DXpeditionで散々使われたあと)引渡して貰う予定です。

今のところ購入する予定の構成は以下の通り
• K3/100-F : K3本体
• KRX3-F: サブRX
• KAT3-F:アンテナチューナ
• KXV3A: IF out RX ant I/F
• KFL3A-200 ルーフィングフィルタ 200Hz 5極
• KFL3A-500 ルーフィングフィルタ 500Hz 5極

渡辺くんからの情報で、K3で混変調などのトラブルはキットの個体で発生していて、組立済の方が安心ということですべて組立済(-F モデル)にすることにしました。
KXV3Aはなくてもいい気もするのですが、RX ant端子があった方が将来的にローバンドで使うときに便利かなと。KAT3もなくてもいい気がするのですがAnt2端子があった方がいいかと思い追加。

狭いルーフィングフィルタはWRTC という地理的に狭い範囲で50局が運用する条件を考えて入れることにしました(渡辺くん発案)。MLによると5極で十分とのことでそっちにしました。サブRXには入れません。

本体だけだと結構お買い得な気がしたのですが、ここまですると3000ドル超えるんですよね。結構な額でちょっとガクブルです。
イラク向けにケーブル等の準備をすることになったのでそのあたりのことも追々追記して行きます。どういうわけかRTTY局のセットアップを任されることになったので一通り準備します。

• ヘッドセットは後面の端子につなぐのであればマイク(ミニジャック)フットスイッチ(ピンジャック)とつなぐことができて8ピンのマイクアダプタは要りません。マイクアダプタはKenwoodのものが使えるとのこと。

• バンドデータはYaesu(FT1000MP)と同様のものが出ているのでバンドデコーダは流用できます。K3-ICE419 BPFとのI/Fはこれを流用する予定。ただしK3は諸々のデータがDsub15ピンでまとめて出てくるのでそれを分けてやる必要がある。バンドデータは後々の互換性も考えてDIN8ピン(メス: FT1000MP互換)に取り分ける方針。その他RTTY関係は1つづつピンジャック(メス)に分配。今まで作ってきたI/Fにつなげるようにする。

• リグコントロール用のRS232はFT1000MP同様ストレートケーブルで良い模様。

* 2010/2/6
Elecraftの社長のEricとかNI6T Garryのアドバイスもあって構成を以下の通り変更することにしました。
> K3/100-F K3 100W Xcvr.
> KRX3-F K3 2nd RX
> KAT3-F K3 ATU
> KXV3A K3 RX Ant, IF Out & Xvrtr Intf.
> KFL3A-200 K3 200 Hz, 5 pole filter (main RX only)
> KFL3A-400 K3 400Hz, 8 pole filter (main RX only)
> KFL3A-2.1K K3 2.1kHz, 8pole filter (main RX only)

WRTCの予備機も含めて2台用意する予定です。3月までにはカリフォルニアで準備され、4月にはイラクで目にすることができる予定です。

*2010/5/10
YI9PSEの度重なる計画変更でどうなることかと思いましたが、4月はじめに無事入手できました。
結局YI9PSEではK3を使わなかったため、購入は1台のみとしました。私のK3はAH6HY宛に送ってもらい(W6に送ってもらわなかったのは州税を免れるため、せこい) バンコク経由でウイーンに来る際(そしてその後イラクにウイーンから出発するのです)に持ってきて貰いました。というわけでYI9PSE出発の前日4月1日にウイーンで受け取ったのですが、開封だけしてそのまま置いていったのでした。

結局仕様は
> K3/100-F K3 100W Xcvr.
> KRX3-F K3 2nd RX
> KAT3-F K3 ATU
> KXV3A K3 RX Ant, IF Out & Xvrtr Intf.
> KFL3A-250 K3 250 Hz, 8 pole filter (main RX only)
> KFL3A-400 K3 400Hz, 8 pole filter (main RX only)
という構成にしました(組み立て済)。まあこれでもいい値段ですよね。支払いは3500USD余りですが、日本の代理店経由だと60万にはなるようです。

WRTC用に作成したI/F類は
* K3 の15pin D-SUBコネクタからバンドデータを取り出してFT1000MP互換8pin DIN(メス)に出力。これを以前作成したMP-ICE 419バンドデコーダにつなげばK3でICE419のバンドチェンジができる。ただし15pin D-SUBには12Vが出ていないのでK3背面の12V端子(RCA)から取ってきてD-SUB15pinの中で合流させて8pin DINに出力。
更に、2台のK3で同時送信できないようにするためTX INHを利用する必要がある。このためCONFIGでTX INH=LOに設定、TX INH端子を12V端子から引っ張ってきた12Vを分圧して5Vで釣ってやって、TX INH入力(ショート)時に0Vに落とすようにする。TX INHの入力はRCAメスで受けることにし、相手のK3のリニアコントロール用のリレー端子に接続できるようにする。これは15pin D-SUB内に組み込む。(抵抗2本)
FSK入力の取り出しはまだやってないが、15pin D-SUBからあと引き出してこないといけないのはこれだけの模様。FSK用のライン出力は独立しているし、アンプ用のALCも特に必要はなさそう。(直線性の観点からElecraftも推奨していない)

*またすでに手持ちのMP-ICE419のバンドデコーダにはバンドデータを分岐するために8pin DIN(メス)を増設。これはルール上、外付けのアンテナチューナが必要なため、手持ちのAT500を使用するため。K3からICE419とAT500(と必要であればIC2KL)が同時にコントロールできるようになった。

K3はPCとの接続がRS232のストレートケーブルでできますが、同じケーブルのRTSとDTRを使ってPTTとCWのキーイングができます。Wintestがこれに対応しているのでそのように設定。CWだけだとPCとの接続がケーブル1本で済みます。WintestとHP TC4200 (WinXP)で試した限りの結果ですがCWのキーイングはUSB-COMアダプタでもそれほど問題なくできるようです。一方PCMCIAのCOMカードでも裏でタスクが動いているときにはキーイングが多少乱れることがあるようです。

K3のCONFIGで変更した箇所
*バンドチェンジでWARCバンド、60mをスキップするよう設定。(でもロギングソフトからだと設定可能)
*ヘッドセットは背面につなぐので背面のマイク端子をONに。
*液晶のコントラスト、バックライトの明るさ。
* RS232のDTRとRTSを使ってCWのキーイングとPTTの制御

さてK3を触ってみての印象ですが、期待が高かったからか、値段が高かったからか、ちょっと期待はずれでした。もともとキットの設定の機械だから致し方ないのかもしれませんが、触ってみて高級感はない。(でも40万からの機械なんです…)
メインとサブのVFOダイアルの重みを変更できるのですが、パネルとつまみの間にフェルトが挟んであってパネルとつまみの感覚を微妙に調整することによってフェルトの抵抗を変更するという、なんともメーカー製では決して見ることのないような仕掛け… この抵抗の感触がどうも合わないので感覚を広げてフェルトがこすれないように調整しました。

またProIIIの時にも同じようなことを書きましたが、ケースの立て付けが完璧ではなく、多少蓋がたわんで隙間が開いているところがありました。

K3の真骨頂をあらわすようなゴリゴリの環境でまだ使っていませんが聞いた感じ、受信音などは特に違和感なく使えます。ただDSPのNRはProIIIに比べると違和感があります。MPかそれ以上の違和感。多分ダイナミックレンジが量子化で低くなっているためだと思います。それに量子化雑音も多少気になります。じっくりとDXを発掘する用途以外にはあまり使えないかもしれません。

CWに限った話ですが、フィルタの変更(Width, Shift)は使いやすいです。ただDSPのフィルタ幅を変更すると自動的にXtalフィルタも切り替わるのですが、これはユーザーで切り替えを設定したいところ。CONFIGでフィルタ幅に違う値を入れて"騙して"切り替え点を変更する技もあるみたいですが、ちゃんとユーザ設定できるといいです。因みに今のところ(4U10NPTで使用中)CW運用時1kHz幅中心650Hz位で聞いています。個人的にこの位が一番使いやすいような感じです。

細かいところですがユーザインターフェースにまだいろいろと違和感があります。VFOの周波数変更ピッチは100Hz,10Hz、1Hzと変更可能なのですが、これが粗いと受信音調が段階的に変わって気持ち悪いし、細かすぎるとダイアルをたくさんまわしても周波数が変わらないという問題があります。なんだか昔のIC740あたりの操作性。もう少し目の細かいロータリーエンコーダに交換するといいのかもしれません。それに加えメーカ製の無線機ではダイアルを回すスピードで周波数ピッチが自動で変わります。この辺の細かい操作性は大メーカ製に軍配が上がります。

また気になるのが受信関係の設定(ボタン操作)を送信時に行っても受け付けられないことです。例えばRIT ONやNRのOn/.Offなど次回の受信時に備え送信時に変更しておきたいこともあるのですが、これが受け付けられません。この不満もIC740あたりで感じたことがあるような気がします。Icomのその後の機種で実現されたような気がするのですがK3には実装されていません。

と、なんだか操作性はIC740あたりとよく似ているのかなあ。

大体今のところ気がついたのはこんな感じ。4U10NPTで今月いっぱい積極的に使うのでまた気がついたことがあれば追記します。特に月末にはWPX CWがあるのでコンテストで使ってみると新しい発見があるでしょう。

現在の4U10NPT(@4U1VIC)のセットアップです。K3+IC2KL+AT500. PCはHP TC4200、タブレットなのでディスプレーを反対に向けて手前で見やすくなるようにおいています。Windows XPにWintestで運用中。

2010/5/19
触ってみた感じの感想の追加。Sメータのメモリのふり方がどうも好きになれません。S9が真ん中よりはやや0より。普段そんなに強い信号を聞くこともないのでそんなにS9以上のレンジは必要ないように思います。
それからRITのシフト幅、できれば常時表示して欲しいです。VFO Bの表示は常時は必要ないので切り替えられるといいかと。
デイトンからTS590のニュースが入ってきました。耳がK3以上だとすると、操作性はメーカー製の方がいいでしょうから乗り換えるかなあ。TS590 2台買って片方をサブRXに使っても値段はK3と同じ程度。

2010/6/15
いきさつは後から追記しますが、WPXで隣の送信機からの飛び込みで受信初段を燃やしてしまったようです。
Elecraftのサポートにメールすると、メインRF基板のD25(送受信切り替えのダイオードスイッチ)かKXV3AのD5(RX ANT端子の直後のダイオード)が燃えているのではないかとのことで、部品を送ってもらうことになりました。待つこと1週間、交換部品到着。


写っているのはもしかしてこっちも燃えているかもと送ってもらったトランジスタと抵抗。SMDだから半田付けが大変だとは思っていましたがちょっとこの抵抗のサイズをみてびびりました。
しかもK3をばらしてみておどろき。D25ってすぐ側に子基板がのっているので半田ごてが入りにくそう。(下の写真参照)

 




































で、まず最初にした作業が手持ちのコテ(30W)のコテ先を削る作業。昔の鉛筆削りを思い出しました。削ったコテ先はこんな感じ。

このくらい尖っていれば何とかあの隙間に入りそう。

テスタで当たってみたのですが、どうも逝ってるのか逝ってないのかよく分からないので、まず回路的に先に逝ってそうなD25の交換。
死んだ(?)部品の除去は以前の"ダイオードカット"と同じ手法、ニッパでぶった切る。中身とリードが残るのでそれもニッパで取り除いてソルダウィックできれいにしたのがこんな感じ。

きれいになったでしょ?

新しい部品の固定はどっかで読んだことがあったような気がしたので瞬間接着剤で。ところが足の方が出っ張っているようなので本体に接着剤を盛っても基板に着かない… 仕方がないので(ちょっといい気はしなかったですが)足の一本に接着剤をちょっとつけて基板に接着。半田をその上に十分盛って導通をきちんと確保。

機械ほどきれいには半田付けできないですね、素人ですから。まあきちんと導通しているようなので良しとしましょう。

ところがVICのシャックに持って行って確認してみると、改善なし。 orz
となるとKXV3AのD5。こっちは更に小さいんですよね。しかも部品密集。

同じ要領で部品除去、接着固定、半田付けと何とか済ましたのが下の写真。アップでみると汚くてがっくり。

でもこれでようやく感度が戻って使えるようになりました。一安心。

K3持っている人はそれなりにいるし、修理した人もそれなりにいるでしょうが、SMDの半田付けまでして直した人は少ないでしょうね。ここまで苦労するとちょっと愛着が湧きますね。

2010/6/17
次回は飛び込みがあっても中を焼かないように、ランプヒューズを入れることを考えています。FT101に入っていたのは有名な話で、私も昔コンテスト時(マルチTX)背面にあるランプヒューズが仄かに光っていたことを覚えています。そういえば最近の無線機には採用されていませんがどうしてでしょうか?
見たことない人のために説明すると、ランプヒューズとは過大入力が受信段に入った場合に保護するためのヒューズで、だいたい送受切り替えのアンテナリレーの直後、受信段の前に入っています。小さめの電球がちょうどいいくらいの規格なので(恐らく)小型のランプが使われたのが名前の謂れだと思います。FT101では後面パネルアンテナコネクタの横にソケットに入った電球が付いています。FT102だとちょっと見分からないですが(私も修理に出すまで知らなかった)内部の送受リレーが載っている基板上に麦球くらいの電球が半田付けされています。そういえばトリオの無線機では見たことないなあ。八重洲だけのアイデアでしょうか?

さて、ランプヒューズを入れるとしてどのくらいの電球を入れるといいのでしょうか? インターネットでFT101などのサービスマニュアルを検索してランプの規格を調べてみるとFT101 では16V 0.1Aが使われていたことが分かりました。またFT102では8V0.1A、調べてみるとFT757あたりまではつかわれていたようです。念のため手元にあるFT1000MPの回路図を見てみたのですがランプヒューズは見あたりませんでした。
K3では飛び込みがあるとHI RFIとの警告メッセージが出ます。(これはWPXの最中に何度も出ました) これは受信時に約1w超の入力があったときに出るようで、ランプヒューズの消費電力と同じくらいであることが分かります。どのくらいの入力があったときにランプヒューズが飛ぶのかは明らかでありませんが、定格の2倍程度の電力で切れると言うことはありそうなのでまあランプヒューズはきちんと役割を果たしてくれそうです。

試しにConradで扱っている同程度の電球を何種類か買ってきてテストしてみることにしました。IC735にはRX antのin/outが後ろに出ていてRCAケーブルで短絡してあるので、その間に鰐口でつないで入れてみて受信時の挿入損失が無いかどうか実際の信号を聞いてみて確認しました。SGなんかがあればいいのですが残念ながら無いので実際の信号を聞いて確認するしかありません。いろいろとやってみた結果どの電球でも有意な挿入損失は見られなかったので一番手頃な物で試してみることにしました。28MHzでも有意な挿入損失は耳では分かりませんでした。

Conradのオンラインカタログで8V100mAの電球は見つけたのですが、在庫が店頭にないのは田舎の悲哀で、注文すれば入荷するそうですが、いちいち1週間も待ってられないので近い規格の12V0.1Aの物を買ってきました。なんかの時のために20個くらい買っておこうと持ったのですが、これまた田舎の悲しさ、在庫がある12V0.1Aも13個しかなかったので全部買ってきました。

WRTCで使うK3,予備機のMPともに背面にRX ant in/outの端子があるのでそこの間にランプヒューズを入れて受信部がRX antにつながる設定にしてやればランプヒューズが有効になるはずです。K3はBNC、MPはRCA pinなので2種類3個ケーブルを作りました。ランプヒューズが飛んでもすぐに取り替えられるようソケットを使用しました。長さが短いのでたいした影響はないでしょうが、念のためインピーダンスの乱れが少なくて済むよう同軸ケーブルの形状で済むところは壊れたMPから部品取りしたハーネスの同軸(1.5D相当くらい?)を使用しました。

どうもなかなか作り方が決まらなかったのですべて違う形をしています。むき出しの部分が多いとそこからの飛び込みも発生するような気がしたのでなるべく少なくしたつもりですがはてさてどうなるか。

2011/7/1
今年の初めからシャックで日常的にムセンができるようになり、K3をHF用として机の上に並べています。
JAの友人と20mで試しにQSOしてみたところ、どうもこちらの送りに比べて受けが悪いようで、最初はそう言うモノかとも思っていたのですが、試しにMPを引っ張り出して見たところ明らかにK3の方が20dB以上感度が悪い。
早速Elecraftのテクサポとメールでやりとり、調べてみました。今回はKXV3をジャンパーする方法を教えて貰ったので試してみるとどうも前回同様KXV3のD5が飛んでいる模様。今回はいつ故障したのか、何が原因かよく分かっていないのがちょっと気持ち悪いのですが。
とりあえず前回同様、Elecraftに部品の手配をお願いしました。良く確認してみると前回の予備のダイオードが余っていたのでそれを使って修理。小さい部品なので楽々というわけにはいきませんが要領は分かっているので短時間に終了。晴れてMPと比べても遜色ない感度に戻りました。

赤丸(?)がターゲットのD5。(前回同様)


ニッパーでぶった切って指でごしごしして、半田吸い取りあみできれいにして。

 


新しい部品を瞬間接着剤でのり付けして半田付け。コテ先が汚かったのでちょっと手間取り角が立ってしまったけど、気にしない。

それにしても原因は何だろう?一応雷かなんかってことで納得することにしましたが、どうも落ち着きが悪いです。

 

2020/08/16
随分放置していました。
特記事項がなかったわけですが、K3を放置していたわけではなく移動用の無線機として重宝しているのは他のページの通り。
Panadapterには前々から興味はあったんですが、自宅で特に本気でDXしているわけでもこんてすとしてるわけでもなく、K3につけてもほとんど使わない気がしていたので敢えて手を出さないでいました。
ところが、OEの連盟の会報の”ハム交換室”にLP PANとUSBサウンドユニット(192kHz まで対応可能)が出ていたので早速連絡を取り確保しました。


取りに行った家はこんな感じ。そろそろ終活でセカンドシャック関係など処分し始めたんだとか。そういうわけで格安で譲っていただきました。


ブツはこれ。LP PANだけでも格安な値段だったんですが。

モノ自体は前々からあるものですし、特に苦労もなく動くようになったので詳細は割愛します。
Windowsタブレットで無線機の上にのせて稼働させてみました。

なかなかコンパクトにまとまっていて、一体感があっていいと思います。
とりあえずガシガシに使う予定がないのでこれ以上の設定はせず放置します。

CWスキマも動いて、

これを見ながらパイルをさばけるかどうか試してみたいところですが、当面予定がありません。

ついでに最近の移動時のセットアップの様子もお見せします。ロギングは8インチのWindowsタブレットにBluetoothキーボード。
CATとCWキーイングはUSB-COMアダプタでコンパクトにまとまっています。
この写真では使っていませんが、SSB運用時にはiPhoneについてきたマイク付きイヤホンを4極→3極2本に分岐させて背面に差し込み、フットスイッチを使用しています。出張時にも安心、荷物がかさばらないセットアップです。

 

 

2020/08/23
前回LP-PANの導入についてさらっと流したのですが、実はきちんと動かすまでにはちょっといろいろあったので備忘録として書き残しておきます。

NaP3と日本語Windowsの問題
LP-PANはNaP3というソフトと一緒に動かすのが主流ですが、どうやらNaP3は日本語のWindowsとはあまり相性が良くないようです。原因がWindowsとの相性だとわかるまでに随分と手間をかけました。
NaP3は最新でv5までありますが、v4以降では日本語版のWindowsでは”コントロール”の表示がうまくいかないことがあるようです。うちのPCでは日本語版Windows(らしい)の3台が3台とも同じようにうまく表示できません。
具体的には、
- 周波数表示とSメータがすべて重なって表示される。
- スパンコントロール(スペクトラムの幅替えたりする)が表示されない

試しに英語版WindowsのPCにインストールしたらなんの困難もなく表示されました。

NaP3 v3では問題がないそうなのでv3をインストールしてなんとかうまく動かせています。

恐らく、.NETフレームワークの互換性の問題とか、開発に使っているプラットフォームのライブラリの言語版互換性とかそういうことなんだと思いますが、あまり本気で使う予定もないのでしばらく放置しておきます。

NaP3 データベースファイルの互換性
上記のすったもんだの最中に遭遇しました。
NaP3は”データベース”ファイルに動作状況などを保存して毎回立ち上がり時に参照しているようです。
実はこのファイルv5からフォーマットが変わったそうで、v4からv5にアップグレードする際にはソフトが勝手に書き換えるのですが、ダウングレードするとフォーマットの違いで読み込めなくなるようです。
アプリケーションの削除ではこのファイルまでは削除しないので知らないと沼にはまり込んでしまいます。
ファイルは標準のインストールの仕方だと
C:\Users\(user-id)\AppData\Roaming\NaP3\NaP3.xml
あたりにあります。中身は普通のxmlファイルなのでエディタ等で読めます。このファイルを削除の上古いバージョンをインストールする必要があります。AppDataフォルダは標準では隠しフォルダなのでエクスプローラの設定を変えて表示させるようにしないと見えません。

PC固有の問題
上の写真で分かる通りLP-PAN用に激安で売られているFujitsuのタブレットARROWS Tab Q584/H を使っているのですが、思った以上に非力で標準の設定のままではうまく動かせませんでした。
ソフト(NaP3とCWskimmer)は古いソフトなのでCPUパワーはそれほど要らないと思っていたのですが、
- CWskimmerのスペクトル表示が数十秒で止まる。
- NaP3のスペクトル表示が無線機の動作(周波数の変更)に追随してこなくなる。
NaP3の方の障害はCAT関係かといろいろ試してみたんですが、どうやら画面表示を大きくするとうまく動かなくなることを発見。

ARROWS Tab Q584/Hの液晶は結構きれいで、10インチ 2560x1600ドット。発色もよくきれいなのですが、この処理がしんどいようです。
標準だとディスプレーの設定が2560x1600 の200%拡大で表示になっているのですが、これを250%にするとなんとか動くようになりました。勿論ディスプレーの解像度設定を落としても動くようになります。
NaP3のスペクトル表示もついてくるようになりましたし、CWskimmerも止まることなく動くようになりました。

ドライバを変更するなり描画ルーチンのライブラリを変更するなりすればいいのかもしれませんが、機能上それほど高解像度を求められないので当面はこのままでいきます。

ところでこのARROWS Tab Q584/H、かなり安い値段でたたき売りされていますが、私の買った個体はバッテリサイクルから見てもほとんど使われてない個体のようで、外観も中古にしてはきれい、液晶の発色もよくかなり程度のいい印象です。
どうやら教育用として調達されたもののようです。(以前話題になった佐賀県に納入されたものかもしれません 笑)
32bit版のWindowsしか入らないそうですが、Windows10 Proへのアップグレードもすんなりできましたし(売っている状態ではWindows8) 日常の普段使い用にはそれほどイライラしない程度には動くので割り切って使えばお買い得なのではないかと思います。
タブレットにして持ち歩きにも使えて、Windowsなので無線用(SDRやロギングソフト)にも使える、便利な一台ではないでしょうか。以前その目的で8インチのLenovo Miix2 8を買ったんですが(上の写真でオレンジのカバーがついてるやつ)ロギングには10インチの方が老眼の身にはいいかもしれません。
ARROWS Tab Q584/Hにはドッキングするキーボードがついてくるのですが、これが本体と同じくらい重い(約600g)ので持ち歩きようには別の軽いキーボードを用意したほうがいいかもしれません。