OE1ZKC...another permanent call of JH4RHF

仕事の都合でウイーンに引っ越してからこのコールサインを受け取るまで約半年, あれやこれやでなかなか大変でした. ここでは, その紆余曲折(七転八倒??)を不定期に友人のみなさんにお知らせしたe-mailをまとめて掲載いたします. まあ笑ってやってください.  

1999/07/24 

興味をお持ちかもしれない皆さんへ

いかがお過ごしでしょうか.こちらは暑い日と寒い日が半々くらいで体調を崩しそうです.暑い日は30度くらいですが, 寒い日は20度そこそこです.良く雨が降ります.

無線は4U1VICで出来るからいいやとOEの免許の申請はほったらかしていたのですが引っ越しの荷物も全部届いたので(その中にHF機5台amp3台あったのにはびっくりしましたが)そろそろ申請方法など調べ始めようかとごそごそ始めました.

まずは郷にいれば...でOEの連盟にコンタクトを取るべくホームページを調べてみました. (www.oevsv.at) 実は先月半ばに連盟にe-mailは出して見たのですがなんの返事もなく, 色々見ているとウイーンの支部は毎週木曜にミーティングをやっているみたいなので行ってみることにしました.

地図で調べたとおりに行ってみると, あるあるアンテナがあがっている.おそるおそるアパートの中に入っていって,階段を上がってみると"May I help you ?"と声を掛けられました. すぐ後ろからあがってきたJan(OE1JNBだったかな?)は英語が結構出来たので彼について入って案内してもらうことにしました. 事情を話すとたぶん問題ないと思うけどといいながら事務局の資料でPTTの担当者の電話番号を調べてくれました.それから彼について中を一通り見せてもらいました.

ウイーンの支部(事務局)は街の中心から少し離れた古いアパートの2階と3階にあり, 2階には事務局,図書室, ビューロー, ミーティングルーム工作室があり, 3階にはHF,VHF,SWLそれぞれのシャックに講習会用の教室がありました.HFのシャックは最近rigを入れ替えたとかでTS950があります.アンテナはトライバンダーとワイヤーがあり, 結構楽しめそうです.ただTVIの可能性があるとかでampは使わないことにしてるそうです.ここからはクラブコールOE1XA(Xがつくのはクラブコール)の他コンテスト用にOE1W, IARUのHQとしてはOE1XHQのコールで運用しています.ただHFを運用する人は少ないようです. たまたま盛岡クラブのNH0Mが14で聞こえておりJanがCWで一生懸命呼んでいましたが, パワーはないし向こうのopが比較的悠長に捌いておりEuのパイルがどんどん大きくなるわで30分以上掛けてやっととれました.

それから話がでたのでOEの連盟にも入会手続きしておきました.どうせ長くいるんだし, 入っておいた方がこれから色々頼みやすいし.どういう訳か入会金は免除してもらって,半年分の会費4500円也.

その後下の部屋に降りてみんなとわいわい, (半分くらいの人は何とか英語がしゃべれる) ミーティングは5時から9時までなんですが(5時半には到着していた)9時過ぎに漸く散会しました.ミーティングといっても事務局が開いてみんなが三々五々集まってきて自分の用事をしたりみんなでわいわい言って帰るだけの想像通りでした.

さて翌日担当者に電話してみました. ま,まずい英語が殆ど通じない.外国人で免許がほしい旨言うと名前を聞かれ"Tanaka"と言うと誰かが電話を入れていてくれたのか, はたまた向こうの勘違いかは知りませんが何かを送るからとこちらの住所(のつもりらしい番地)を言ってきました.違う住所だったのでこちらの住所を伝えました. "じゃ送るからねバイバーイ"って言うのでおいおいと引き留めそれはアマチュア無線の申請書の事??って英語で訊くとそうそうって言ってるみたいですがamateurfunkの何とかって言ってくれるだけでいまいち不安. とりあえずなんか送ってくれるらしいけど何が来るんだろう???間違って他人の免許とか送られてきたらやだな.

来週の前半にはつくと思うので中身を見てみて,変だったら仕事さぼって直接行って見よっと.

さて果たして免許はもらえるのでしょうか? 続きは次回

1999/08/08

関心をお持ちかもしれない皆様へ

前回のあらすじ

OEのcallがほしいRHFは姑息にもOEの連盟に接触,電監の担当者名前と電話番号を入手した.担当者に電話してみたものに英語が全く通じず,向こうは調子のいいことを言ってるようだが果たして.....

さて待てど暮らせど電監からは何も送られてきません.1週間待って英語でfaxを送ってみました. 電話で通じなくてもfaxなら誰か英語が読めるだろうとの思惑です.丁寧に免許がほしいこと,しばらく住むことなどを書いてfaxしました.

3日ほどして届いたのは"Guest license"の申請書.これは短期滞在者の為の申請書でホテル名や滞在期間などを記入するようになっています. 恐らく相互運用協定等に基づき"OE/****"形式の許可証をくれるのだと思います.うーむこれで用が足りるのだろうか. 厳密に言うと運用許可がほしいわけではなく, callsignがほしいのだが. 現在でもCEPTで通用する免許は持っているので(ZL)運用許可だけならいらないのだが...まあ何もしないのも何なのでこの申請書に"resident"と大きく書き込んでZLとWの免許のコピーを添えてfaxしました. JAの免許を送らなかったのは現在有効の局免の英文証明が無かったからです. 日本の免許は元号で有効期限が書いてあるため,そのままでは有効期限が分からないからです.そこさえ西暦で書いてあればあとは名前以外は何とか外国人にも読めるのでいろんなところで何とか使えるはずなのですが. (運転免許もそうですが)今ひとつ不安です.

その後再びOEVSV(連盟)Wien支部のミーティングに顔を出した際, OE1JNB Janに申請書を見せ訊いてみました. "この申請書でもいいんじゃない? 別に短期間の申請用なんてどこにも書いてないよ. "なんて言われました.ほんとかよ?? "だけどお役所仕事だから許可が送られてくるのに3週間くらい掛かるよ" さて果たしてちゃんと免許はもらえるのでしょうか. かなり不安ですがとりあえず申請は出してみたので(今までに突き返されてきていない) 3週間待ってみたいと思います. (続く)

因みにオーストリアの運転免許も申請しました. こちらは日本の免許の書き換えでOKです. オーストリアのは一生有効なんだそうです.

1999/08/20

関心をまだお持ちかもしれない皆様へ

前回までのあらすじ

OEのcallがほしいRHFは姑息にもOEの連盟に接触,電監の担当者名前と電話番号を入手に成功した.担当者に電話してみたものに英語が全く通じない.仕方がないので手紙を英語で書いてfaxすると既に持っている, guest operationの申請書が送られてきた.とりあえずfaxで送ってみると.......

3週間くらいは放って置かれると連盟で脅された割には1週間でなにやら送られてきました. 開けてみると免許ではなく手紙が一枚. ドイツ語は大学で2年やらされた割には文法の基礎の基礎程度しか覚えてないので昔使った辞書を引っぱり出して片っ端から引いていきました. ご存知の方も多いと思いますがドイツ語には複合語(幾つかの単語をくっつけて一つにした単語)が多く, 素人にはどこで区切るのかなかなか分かりません. ばらして1つずつ引いても意味がぴんとこないと後は連想ゲームになります.

とりあえず最初の幾つかの単語を引くと, "このことをお知らせするのは残念ですが....." 最初の行半分で大体後の想像はつきました.私の解読した内容はJAとOEの間に相互運用協定がないため免許できないこと,WとZLの免許を添付されてもJAとの相互運用協定に基づく免許(ここは勘違いされている)を元には免許できないこと.それでも免許がほしければ試験を受けなさい. 詳細はOVSV(連盟)に相談すること.

考えられる最も厳しい状況であります. とりあえずWの免許は試験を受けて取ったものであるからCEPTの基準はクリアしているはず,それでも受験が必要なのかと言う内容の手紙を送っておきました.

次のミーティングの日にこれをJanに見せました. 彼は英語がかなり出来る上にほぼ毎週ミーティングに来ているので私には非常に助けになります.彼はこの手紙を見て(彼は絶対に免許が下りると言ってくれてた)半分怒りながら全くどうしようもないお役所仕事だと言っていました.

ところがもう少し内容があったようです. 1行ほどどうしても意味が分からなかったところがあるのですが, (ドイツ語は英語のように整然と単語が並んでいない.順番を替えても同じ意味になるらしいのですが, 英語みたいに並んでないと素人には理解できない)そこには"OEの国民でJAで免許を受けた例が証明できればそれを前例と見なし免許を与える"と書いてあるらしいのです. OEの国民が免許を受けるとなればJAで試験を受けるか, WやDLの免許を持っていてそれを元に相互運用協定で免許を受けるかの方法がありますが, OEの人間が日本にそんなに多く住んでいるとは思えないので可能性としてはどうか分かりませんが取り合えずJARLに問い合わせてみることにします. 私はまだ会員です, 会費ちゃんと払っているので調べてください. hi

それ以外の方法としてはやはり試験を受けるしか無いようです. ところが最近OEもWと同様のVE方式に切り替えたらしく, 試験はOVSVが行うとの事.

JanによればOVSVで公式に英訳してもらって英語で試験を受けれる可能性もあるとのこと(ホントかな??). 試験は9月か10月にあるそうです.

さてJARLからどういう回答が返ってくるか,それに電監がどう対応してくるか.本当に英語で試験は受けれるのか(英語で受けられるのであれが一度受けてみてもいいですが). 当分毎週木曜のOVSV通いが続きそうです.

(続く)

1999/10/05

関心をまだお持ちかもしれない皆様へ

前回までのあらすじ

そろそろ皆さんも飽きてきたことかと思います.私も進展がなかなか無くて飽きてきました.会社のクラブ(4U1VIC)からはとりあえず無線も出来ますしね....

CQ出版桜田さんの紹介でJARLの岡さん(国際担当)を紹介してもらい, オーストリア国籍で日本で開局した人を調べてもらいました.いるもんですね.

2例あり,一人はオーストリア大使館員で日本の従事者免許をとって開局したケース. もう一人は, もう帰国してますが, DLの免許をベースに相互運用協定で開局.

日本に帰る機会があったので,その際にJARLを訪ね, 書類のコピーをいただいてきました.

さてそのcopyを持って件のOVSVのミーティングに行って見せました."これでいいんじゃない??" (DLの相互運用協定で開局した人の書類を見て)"このJAの免許と,OEの免許だけ出せばいいよ,このDLのはいいから" (おいおいそれは事実曲解だろうが)電監にも顔がよく効くOVSVの会長を紹介してもらいました.

都合がなかなかつかず,翌々週に会長を訪ねてOVSV本部を訪ねました.事情を説明, 電監から来た手紙と, JARLからもらった書類のコピーを渡しました.diplomaticの資格はあるのかと聞かれたので元気よくハイと答えておきました.(半分嘘) 最近の事情では2002年(?)のWRC会議で世界共通の免許制度導入の方針なので, 今後相互運用協定締結国が増える見込みはないこと.免許制度改革で一緒に協議しているので地方電監だけでなく中央電監にも顔が利くことなどなど情勢を伺いました.何でも9/25からIARU RegI会議があるため2週間留守にするため遅くなるが,帰ってきたら担当官に電話してくれるとのこと. その日も会議の準備で忙しい中時間をとってもらいました. 担当官が気が変わって免許を出す気になったらコンタクトをとってくるだろうとのこと.

という間に2週間は経ちまして,10月になりました. 果たして本当に電話してくれたのでしょうか(たぶんしてくれたとは思う)

果てさてこのコネはうまく通用するでしょうか.今月末まで何も進展がなかったら,また会長を訪ねてどうなったか聞いてみようかと思います.

いやー越年ですかね??

1999/12/26

興味をお持ちかもしれない皆さんへ

前回までのあらすじ

前回がもうだいぶ前ですのですっかりお忘れかと思います.電監で免許を断られたので, 反論の書類などをJARL岡氏などのご協力で入手, 最後はコネとばかりこちらの連盟の会長氏に手渡し担当者に直接電話していただくことにしました.

会長にお会いしてお願いしたのが9月末, 10月一杯何もせずにまって,11月初旬に連盟事務局に電話を入れてみました. 催促するつもりはありませんでしたが, 忘れられているのかどうか, 電話してくれたのだったら感触(だめなら試験を受けるしかない)を確認したかったのです.

会長氏は事務局におり,話をすることが出来ました. 名前を名乗ると覚えていてくれ(良かった!)忙しくて電話はまだしてないけど, 忘れているわけではないので必ず電話はするから少し時間をくれとのこと. 急ぐわけでもないので, 丁重に礼を言い, 決して催促したわけではないからとちょっといいわけもして電話を切りました.

それから1月何も起こらないまま経ち,来年になったら受験する準備(事務手続等の下調べ)を始めようと思っていた矢先, 郵便受けに電監の封筒が届いていました.開けてみると, 許可証らしく, A4の用箋に文書形式であれこれと書いてあり,ドイツ語なので詳細は分かりませんが, コールサインとクラスC(最上級),それに有効期限が書いてあるのが分かりました.

コールサインはOE1ZKC昔通っていた大学のクラブ(J*3Y*C)のバッタもんみたいなコールですが好みを行っている場合ではないですし,苗字の頭文字をとって茨城の大学のまがいもんになってもなんですから. (こっちのコールはイニシャルの1文字が入っている場合が多い. 本人の希望か役所の勝手な配慮かは不明)

とりあえず,半年にわたって大騒ぎをしましたが何とかコールサインをもらうことが出来ました.正攻法では全くだめで,結局人の力に頼るしかありませんでした. 連盟(OEVSV)会長Dr. Ronald Eisenwagner(OE3REB), JARL岡氏, CQ出版桜田氏のおかげで何とかここまでたどり着いたというところです. この皆様に感謝いたします.

結論は

* 正攻法では長期滞在の日本人には運用許可の道はない.試験を受けて合格するしかない.

* オーストリアは自国民も認める官僚主義社会なので, 無理を押し通すなら"前例"と"コネ"

さて早速アンテナを自宅に建てようかと思いましたが, 屋上には雪,春になってからにします.(hi)

 

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