アメリカのNorth California QRP clubから発売されている「38スペシャル」の製作過程をレポートします。
38specialの由来は、マニュアルの表紙からもわかる通り、あの38口径のピストルからとったものです。ただし発射されるものは弾ではなく電波です。^^;
本当は・・・
38スペシャルは、電源電圧8Vの30mトランシーバーです。
この辺のお話は、直接NorCalのページにジャンプして頂ければ、詳細がレポートされています。
このキットは、$25+$5(送料)で購入できます。シルク印刷された両面基板と部品、更にマニュアルまで付いてこの値段は、お買い得です。
そして、この値段で受信部シングルスーパーのトランシーバーが作れる事が素晴らしいと思います。
更にこのキットのすごい所は、改造を前提とした基板が提供されている事でしょう。基本はQRPpトランシーバーですが、エレキーをオンボードで搭載でき、そしてQRPpまでは...と思っている方にも出力5Wのアンプもボード上に取り付ける事が可能です。
マニュアルは非常によく出来ています。マニュアルに書かれた手順に従って部品を取り付けていきます。
右の写真は、水晶とICを取り付けた状態の基板です。
写真でもわかる通りシルクが印刷してあり部品の取り付けは、簡単に出来るようになっています。
写真中央上寄りのICが終段の74HC240です。
キットの部品が全て取り付いた状態です。数時間後と書いてありますが、実際は会社の昼休みを利用して組み立てたので、数日後と言った方が、より現実味を帯びていますね。
ここまでは、特に難しい作業もありませんでした。強いてあげれば、両面基板でグランドがしっかりしているので、半田ごての熱容量が不足し、はんだ付けが少々やりにくかった(?)事くらいでしょうか。
エレキー改、出力改等のときに、オリジナルから部品の削除追加や変更等があるので、改造を考えている方は、最初にマニュアルを一通り読んでから作業にかかったほうが良いでしょう。
基板は完成したので、次に外付け部品の取り付けと調整が待っているのですが、その前にこのトランシーバーの入れ物を探してみたくなりました。
実は、ネットサーフをしていたら、紅茶箱に入れた38SPを見つけたのです。
http://www.geocities.com/SiliconValley/5582/gandr.jpg
隣に置いてあるパドルと箱が妙にマッチしています。こんなものを見せられると、私も変わった入れ物に入れたいという気になりました。
でも、選んだケースは、、、オーソドックスなTAKACHIのYM−100でした。
薄形のケースでコンパクトにまとまりそうだったので買いました。(これが、後で苦労の元になるのですが・・・)
写真: 38spとケース。それに外付けの部品一式。
註> ケースも Creative Enclosuresから発売されています。
・ケースの穴あけ
ケースに穴を空けた状態です。
フロント左から、Powerスイッチ, RF VR, イヤフォン, キー, プッシュスイッチ(TiCK用), TUNE
VR
リア 左から BNCジャック, 電源ジャック用の穴です。
・部屋の中が・・・
ケース加工が始まると部屋の中がこんな風になりませんか?
新聞紙は敷いてあるものの乱雑に置かれた工具や部品で床は大混乱です。
基板と外付け部品を付けたり外したりする事3回...途中で電源の逆挿しによるIC破壊などありましたが、ようやく38spのケース組み込みが完了しました。
実は、ケースが小さくて、基板を外すには外付けの部品を外してからでないと取れないのです。
もう少し大き目のケースを選んでも良かったかなと思いましたが、出来上がってみると、なかなか かわいいので気に入りました。
上から覗いた、様子です。
TiCK IC部分の拡大図です。ICの右にあるTRがキーイングのドライバー、上の5本の線がパドルと押しボタンへの線材です。
調整は、いたってシンプルです。ドライブ段入力のBPFの調整だけです。
送信状態でトリマーを回しRF出力の波形がきれいになるようにします。
(調整は、初めにバラック状態で行います。その後ケースに組み込んで再度行います。)
以上で38spが完成しました。