寺子屋シリーズ253のCM8685 D級アンプでは、CM8685の3番ピンをアナログアースにつないでいません。 このアンプにラジオ等の外
部信号を入れる場合は特に問題は起きませんが、このアンプの電源を共通にしてプリアンプ等を作る場合は3番ピンをアナログアースに落とさないとノイズに悩
まされることが判りました。 やはりこの配線はしておいた方がよさそうです。
既に製作された方はアース線を1本追加しておいてください。
D級アンプでAMラジオの音を聞く分には特に問題は起きませんがFMラジオの音をこのアンプで聞こうとすると大変なノイズに悩まされることが判り
ました。 原因はクロック周波数の高調波のようです。
このアンプは小さな電池で大きな音を出すと云う得意技がありますがやはり良い所だけではないようです。 悪い所は「ある」と認識して良い所を伸ばして使
うことが大切なようです。
7月26日にD級アンプを購入し、早速組み立てました。
今回組み立てるに際し、ピン3をアースする他、当日来店されていたお客様のお話も参考に、オリジナルのメーカのデータシートをダウンロードして キットと比較して以下の点を変更しました。 なおメーカのAPPLICATION CIRCUIT例が以下の2種類あり迷いましたが主に新しいversionの方を参考にしました。
1.2002/04/22 Rev.6
2.2001/05/21 Draft
組み立てに際して変更した点は次の通りです。
1. S.D.用ピン4からディジタルアースへのR4 470k をアナログアースへ落としました。
上のAPPLICATION
CIRCUIT例でDRAFTではディジタルアースへ接続していたのがRev.6ではアナログアースへ接続している。BLOCK
DIAGRAMからみるとアナログアースが正解と思われる。
2 PWMを復調する積分回路のコンデンサが省略されていたのを追加しました。
RFC3.RFC4のAF OUT側からディジタルアースへ積層セラミック1UFをそれぞれ落とす。APPLICATION
CIRCUITからすると15UHと330nFの積分回路であり、本キットは10UHなので0.5UFのコンデンサが適当だろうが手持ちの関係で高周波側
がすこし落ちてもいいので1UFを使用した。本キットではC4
1UFで共用していると思われるがBTLのそれぞれで積分する必要があるかと追加しました。
3.APPLICATION CIRCUITではディジタル電源からアナログ
電源への平滑が強化されているようなので本キットの100UFの電解コンデンサにさらに100UFの電解コンを2個追加して300UFとしました。
またRFC1,RFC2 10UHであるがAPPLICATION
CIRCUITではL1,L2として350となっているが単位不明で350UHなのか35UHかが分からないので手持ちの関係でとりあえず100UHを
RFC1.RFC2の替わりに使用。これに関連してAPPLICATION
CIRCUIT Rev.6でR3 5.6 が使われているが用途が分からないのとこれを入れるとL2
350をシャントしてしまい、L2の意味がないのでこれはL2の直流抵抗と勝手に解釈して入れるのを止めた。
今回のその他の状況は以下の通りです。
ケースには納めていません。
電源はニッケル水素電池単3タイプ1.2VX4個
音源は当初目的としていた100円ラジオはチョークを入れたりコンデンサで切ったりと接続が面倒なので今回はイヤフォンラジオおよび普通のラジカセから
の出力をVR1に直接接続したりVR1に22オームを並列に接続したりして試しました。
以上オリジナルのキットを改変しましたのでこれらの変更点がどのように影響したのかは分かりませんが数時間つけていても正常に動作しました。
また、説明書やお店でお会いしたお客様の言われた次の点について再現しませんでしたのでご参考に報告します。
1.テスタで電流を計ってもシャックリ現象はでない。(報告書N0.2参照)
テスタはアナログ式で30,300mAレンジで測定。ラジオの番組なので200mAくらいまでしかふらせられなかった。単純正弦波を入れての測定 はしていない。30mAレンジでも特に問題なし。
2.キットに電源を入れたまま、オーディオ入力を抜いても特に変な現象は出ず、また接続すれば正常動作する。お邪魔したとき異音が出るのをデモして 頂きましたが・・・(*FCZ注)
3.3端子レギュレータでは上手く動作しないと来店のお客様が言っておられましたが7805で正常に動作します。
7805の入力を3V位まで落としても動作します。7805の入出力には100UFの電解コンデンサと1.5UFの積層セラミックの並列したのをそれぞ
れ接続しました。お客様は5000UFの電解コンデンサでも駄目だと言っていましたが・・・
何かのご参考なればと思いメール致しました、今後も面白いキットを開発して下さることを期待しています。
(FCZ注)お店でのデモはラジオの電源はONのまま、D級アンプの電源をきった時、D級アンプのクロック周波数が電圧の低下のため変化してそれをラジオ が拾ったものです。 入力のON/OFFでは異音は発しません。 開発途中でダイオードを入れなかった時には破壊的な異音が発生しましたが…。
July 28, 2002
2台目を組み上げましたので報告します。
チョークは全部10UHを使用しました。。
ピン3はアナログアースへ、R4 470kも片側はアナログアースへ。RFC3,RFC4のAF
OUT側は1UFでそれぞれディジタルアースへ接続しました。
C2,C5は手持ちの関係でそれぞれ1.5UF の積層セラミックを使用。今回ディジタル電源の強化をやめてオリジナルの100UFのみとしました。
以上の状態で正常に動作しています。電源音源とも1台目と同様です。 電源を入れたまま音源を抜いてもまた再接続しても異音などの異常はありませ ん。
電源としての3端子レギュレータ7805の使用も問題ありませんでした。
前回の報告時に
「テスタで電流を計ってもシャックリ現象はでない。」とかきましたがテスタで計るとシャックリ現象がでました。
これは私の不注意で問題なしとの報告を致しましたが注意深く試すと1台目も出ていました。
音量が小さいときはアナログテスタで30mAレンジを使い問題なく、音量を大きくする場合は30mAレンジでは振り切れるのであらかじめ300mAレンジ
にして150mAない200mA位まで流しても電流は計れました。
問題は30mAレンジでフルスケール以上になるような入力を入れると確かにシャックリ現象はでますが、300mAレンジに切り替えれば正常に計れ ますので大久保さんが言われるようにテスタの内部抵抗によりシャックリ現象がでるようですので電源インピーダンスの低い電源を使うべきですね。
以上1台目の報告が厳密でなかったのをお詫びし、2台目もばらつき無く正常に動作していますので報告いたします。
July 30, 2002