ZF & 6Y 運用記

JA DXer の皆様、沢山のコールとQSOありがとうございました。
今回の DXペデイションにつき報告します。



1.行き先の検討

昨年8月に仏領カリブ海の FM及び FG のレンタルシャックから運用し、合わせて 4,000局、
JAも1,000局以上と交信できました。

今回は、英国領カリブ海エンテイテイーに焦点を当て、候補の島を検討しました。J6や、VP5
も検討しましたが、J69B は忙しくシャックをクローズしており、又、VP5JM Jodyの所は、逆に
常にゲストオペが有るという非常にタイトな状況で、わざわざ出向く事も無い状況でした。

DX summit cluster で、digital modeで検索した所、何と ZFと 6Y は、ここ数年、約 20-30
report/Y というレアな状況だったため、これは行かざるを得ないという事になりました。
AA5AU の RTTY wanted list では決して高くはないのですが、これは、既に交信済みの
Top DXerが主に vote しているためと見られます。



2. レンタルシャック

レンタルシャックの予約をそれぞれ、ZF1EJ, 6Y5WJ にEメールと電話でお願いし、年末年始
でお忙しい中、快く OK して頂きました。昨年の一連のハリケーンの影響が心配でしたが、
問題無く、現地でもアンテナはOKでした。



3. ライセンス

これは、www.dxholiday.com で紹介された通りに手続きし、問題無く ZF2CJ, AB2RF/6Y5を
受領しました。約1ヶ月かかりましたので、今後申請される方は参考にして下さい。
又、通関のためリグ機材リストも合わせて送り、ライセンスにつけてもらい役に立ちました。
尚、6Y からのコールを6Y5/AB2RF の順序でサインできないか聞いた所、発給ライセンス
通りの AB2RF/6Y5 にしなさいと連絡有り、従いました。


4. いざ ZFへ


アメリカンのマイアミ経由で午後グランドケイマンに到着し、まずレンタカーでホテルに行き、
暫くして ZF1EJ Edenさんが来てくれ、車で誘導し、島の南側中央 Savannah にあるご自宅
敷地内のシャックまで連れて行ってくれました。
ここのアンテナは、空港の業務用タワー上の30mH 17エレログペリで、40-10mまで SWR 1.2
以下フラットで QSYが楽でした。

JAは、とにかく長時間オープンし、06-07Z頃のEU向け 40m 運用時もロングパスで呼ばれ、
急遽、JA指定に切り替えたり、30m でも突然HL に呼ばれ、JAサービスに切り替えたりと、
ほぼ1日中どこかでオープンしました。

冬場だけに 80mも良く、ZF, 6Y 共JA 150 QSO 以上できました。ZFでは、この 30mHタワー
からの InV、6Y では G5RV でした。グレイラインパスで、1140Z頃ピークが有り、強い方は
50 +20dBまで振っていました。

7マイルビーチに有るホテルから島の中央反対側の ZF1A まで、車で約30分かかりました
が、JAオープンに合わせ、まだ暗い早朝4時にはホテルを出て、夕方の JAオープン後、
NA/EUのローバンドをやり、深夜1〜2時にホテルに戻るというパターンで、何をしている人
かと思われた事でしょう。hi

1日2時間弱の睡眠でさすがに最後は疲れ、RTTY/PSKで、Zakanaka のオートCQモードを
使い仮眠しました。Zakanaka では、マクロに$loop$ を入れると5秒毎に CQ を繰り返し、
$loop$ を6個入れると30秒毎になりますので、PSK には丁度良く、居眠り状態で呼んで
きたら起きました。

160m については、残念ながらアンテナが今ひとつで、ZF1A にはInvL が有りましたが、
SWR が下がらず、80m用の受信アンテナとして使いました。6Y は、ローバンドは G5RV で
したが、80mまでの長さで、Josh は、160m用に継ぎ足そうとしてくれましたが、給電用の
リボンフィーダーが足りず断念しました。

今後、トップバンドのスペシャリストのペデイションも有ると思いますので、そちらにお任せ
したいと思います。



5. 6Yへ移動

6Yへは、Air Jamaica の直行便が有り、帰りも Kingston-JFK directで便利でした。
こちらは、Malvern という 800mもある丘の頂上で、6Y5WJ の自宅のゲストルームをお借り
し、シャックから運用しました。アンテナは、20-10m 5バンドCQ で、スプレッダーが中心から
放射状に出ておりハイバンドに行くほどエレメント間隔が狭くなるという理想的なデザイです。
CQには詳しくないですが、写真のようにシャックまで来ている各バンドの同軸をスイッチで
切り替えました。良く調整されており、どのバンドも SWR 1.2以下でした。ローバンドはG5RV
で、これは持参のMFJ 962D ローラーインダクターチュナーで落としました。

6Yからの運用では、ハイバンドのコンデイションが今ひとつで、40mを主に使い RTTY も厳し
かったため、時折、PSKに切り替えました。
この PSKではどうにかコピーできた方もおられたようですが、残念ながら呼ぶ局が少なく、
CWにQSY せざるを得ませんでした。
RTTY/PSKは、当局が使用した Zakanaka を使えば、COMなど同じ設定で切り替えられます
ので、是非、両方対応できるようにされる事をお奨めします。

又、RTTY は、Zakanakaでは、MMTTYを使いますが、弱い信号のコピーは厳しく、2台目の
バックアップ PCを立ち上げてリグの AF出力を分け、TrueTTYで読みました。

6Y5WJ Joshは、プロのエレクトロニクスエンジニアで、DXにはさほど興味は無いものの CW
運用に興味有り、NYでも時々聞こえています。今回、RTTY に興味を持たれため Zakanaka,
N1MMLogger などのソフトウェアをコピーして渡しました。

現在、自宅の隣に本格的なレンタルシャックを建設中で、今年4月には完成予定で、50ft
(15mH)クランクアップタワーを設置し、HFマルチバンド八木も上げるとの事です。JA DXer の
皆さんにも紹介するよう頼まれましたので、よろしくお願いします。



6. JAとのパス


各バンドのJAオープンの時間帯を下記にまとめました。
現地ローカルタイムのグレーラインに 80m, 20m のピークが有るのが分かります。




Gray line





7. お礼

今回、ZFでは、Internetアクセス無く、又、6Y では、コンデイションが悪く、DX clusterへの
スポットや 17mへの QSY、40m SSBで、RTTY の空き周波数を探して来て頂くなど、JAの
皆さんに色々サポート頂きました事をこの場を借りてお礼申し上げます。
又、当局の信号が弱かったためか、リターンしても何度もコール頂いた方もおりましたが、
問題無くログされていますので、このサイトのオンラインログでご確認下さい。


8. カリブツアーまとめ


2003年末の KP2/AB2RF から、昨年8月の FM&FG/JJ2RCJ と11月のV47/AB2RF、更に
今回の ZF (3100QSO/1445JA), 6Y (1365QSO/493JA)を合わせ総 QSO数1万以上で、
お蔭様でJA 3,200 QSO となりました。

カリブ海のレンタルシャックの主な所から運用した事になり、当分 QRXしたいと思います。

今まで訪問した各島とも、FB なアンテナ、シャックは有りますが、残念ながらDXer のオペ
レーターがいない状況です。
今回も数少ない休憩時に FBな ZF1A のアンテナを見上げては、太陽黒点サイクル、コン
デイションは悪いとはいえ、こんなに JA から強力に入感しているのに何故、誰もパイルを
さばけないのかと自問自答しました。

結局、レンタルシャックにしているのは、オペレーターは皆、仕事や家庭など種々の事情で
忙しいからで、これは矛盾した問いかけでしょう。
又、W やヨーロッパの DXer によるカリブ海ペデイションも結構有りますが、JA向けとなると、
特別なリクエストが必要で、ローバンドはまだしも RTTYとなるとそんなには運用しないため
難しいようです。

結局、JA向けは、JA DXerが行って、パイルをさばくしかないようです。
当局が訪問した所や、未訪問の所でもアクセスは容易にできますので、これからカリブ海
DXバケーションを計画される方は、是非、ご連絡下さい。少しでもサポートさせて頂ければ
幸いです。

今後の課題として、レンタルシャックでなくても FBなコンテストシャックの有るエンテイテイー
の島がまだ多数有りますので、ここへのアクセスができないか、リサーチする予定です。
今までの WW/WPX コンテストを見ていますと、どうも殆どの運用可能なエンテイテイーには、
アンテナファームの有るコンテストシャックが有るようですので、次のサイクルも考慮し、今後、
長期的に運用の可能性を探りたいと思います。

又、どこかからお会いしましょう。



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