アジア最後の植民地
XX9マカオ運用レポート
XX9SARの記念コールサインで、2446 QSOを達成 |
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ポルトガル領マカオは1999年12月20日に中国に返還されましたが、香港に次ぐ特別行政区(SAR)として、2050年末まで軍事及び外交以外のすべての分野の高度な自治が保証されています。 マカオの通貨パタカや郵便切手の発行も、引き続き行われます。
私は12月20日の返還に合わせて、ボーイスカウト・ガールスカウトの知人たちと、マカオへ無線をしに行きました。今回は以前に運用したタイパ島でなく、XX9CHが引っ越して空き家になったマカオ市街地のアパートで落成検査を受け、XX9TSSを開局しました。
また、今回は昨年7月頃から今年1月まで持ちまわりで運用されていた記念コールサインXX9SARを使用しました。交信結果は表1のとおりです。
サフィクッスのSARは「Special Administrative
Region」中華人民共和国澳門特別行政区の略です。
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ひとつ問題が生じました。アメリカの免許をもっていない日本人をゲスト運用させようと考えていたのですが、香港と違いマカオでは運用者すべてが免許証を持っていなければならないと、郵電司CTTで言われたのです。しかし、事情を説明し7K1OUOの1アマ免許証を見せると、もう5回目の開局で担当官たちが顔見知りになっていたので同情してくれました。そして、最近10年間だれも受けられなかった日本の資格をもとにした運用が許可され、1ヶ月間有効のコールサイン入りの免許証が発行されました。数日後に到着した2名も同様にでき、問題が無事解決しました。
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←郵電司CTTのXX9KKを囲んで、左からXX9TVI(7K1OUO),XX9KK,XX9TSS
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郵電司CTTのXX9KK(写真中央)からマカオ返還最後の免許を取得したXX9TND(JO3TND),XX9KUH(7N2KUH) |
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マカオには3種類の資格が設けられています。
・A類 600W 電信の試験がある
・B類 150W 10MHz、1200MHz、2300MHz、5600MHz、10GHz以外のバンドが使える。
電信は運用したい人だけが別に試験を受ける
・C類 75W 10MHz、50MHz、UHF以上が使えない
マカオの周波数区分表で特筆すべきことは以下のとおりです。
1800-1825kHz SSBも可。日本のバンドは不可。
3500-3900kHz SSBとFMは3600kHz以上。
7000-7100kHz SSBとFMは7050kHz以上。
18068-18168kHz SSBとFMは18155kHz以下。
24MHzと50MHzはSSB不可。FMならOK。
430MHzは一切なし。
RTTYを表わすF1BとF2Bが一切なく、わずかにA2BとJ2Bが28MHzと144MHz、UHF以上で許可され
ているのみ。
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マカオではC類のアマチュア資格試験が94年12月に初めて実施されました。ポルトガル語に加えて中国語でも問題が作られ、多くのローカルハムが誕生しました。合格者には翌月、無線従事者免許証とともに、XX9AAから始まるコールサインが発給されました。以後、1年に1回程度試験が行われています。
B類も試験が行われ、数名の合格者がいますが、1年ほど前に行われた電信の試験には、約7名
の受験者全員が不合格だったとのことです。
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←猛烈な寒波でこごえながら運用するXX9TVI |
12月16日から25日のQSLはハムフェアまでに7M1STTが発行し、JARL経由でみなさんにお送りします。それ以外のQSLはXX9AUが発行しますので、澳門業餘無線電協會までJARL経由か郵便(澳門郵政6018信箱)で請求してください。また、同行した日本人3名は各自のコールサインで運用しました。QSLは日本のコールサイン宛に連盟経由でお送り下さい。
QSLカードの送り先(JARL経由)
XX9SAR via ARM マカオの無線連盟
XX9TVI via 7K1OUO 佐藤いづみ
XX9TND vis JO3TND 足立太郎
XX9TUH via 7N2KUH 大野泰生
次回は3月末にBA4DWの協力で上海オリンピックホテルBY4AOHからWPXコンテストに参加する予定です。みなさん、また交信してください。
2000年3月 CQ
ham radio掲載
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