
第1話 「にっくきモード」
無線家の妻になってから早×年。幸福な家庭生活を夢見て結婚したはずだったのに、現実は甘くなかったのでありました。DXサー無線妻として、つぶさに見てきた闘いの記録や感想などをつれづれなるまま、述べてみたいと思います。
無線といえば、何やらムズカシイ言葉が飛び交っています。「無線のことなんか、知りたくもない」とイヤイヤする私に、夫が無理矢理教え込んだものに「モード」があります。
無線には、3種類あって、声を使って交信する「SSB」、いわゆるモールス信号である「CW」、そして音楽プロデユーサー小室哲哉が使っていそうな感じのする(?)「RTTY」であります。
無線をやっている人にとっては、単なる交信手段の種類にしかすぎないのでしょうが、一緒に生活している家族の立場からしてみれば、重要な意味を持ちます。
まず、「RTTY」。私はこのモードが一番、好き。無線を始める人がいたら、(今の時代、そんな人を探す方がムズカシイでしょうが)絶対に、この「RTTY」をイチオシに勧めたいです。これは、パソコン上の画面に電波の入り具合を視覚的にして、行うものですが、ハイテクのかっこよさと、「ピーヒョロヒョロ〜」という、情けない音のミスマッチが、何ともいえない風情をかもしだしているからです。無線室の隣室で、うたた寝をしていても、音が邪魔にならない奥ゆかしさもよい。「無線を始めるなら「RTTY。」」ビギナーはこれで決まり!
次に「CW」。こちら「SSB」と並んで、代表的な交信方法のひとつと教え込まれました。こちらも、比較的、私の好きなモードです。Eメールや携帯電話が当たり前の時代に、相も変わらず「トン・ツー……」で交信するという、クラシカルさと、それを護り続ける男の意地とロマンが感じられます。
最後はにっくき「SSB」。無線家がいう「NEWカントリー」が、突如、深夜に聞こえることがありますが、こちらは眠たくてしかたがないのに、真夜中に大声で「チャーリー・オスカー・ブラボー」などと叫ばれては、たまったものではありません。しかも、すぐにできなければ、その叫びは長時間にわたります。いくら専業主婦とはいえ、こっちも夜中にフツウに寝たい。長引くにつれ、イライラも増大して、「Rの発音が悪い。へたくそ。」などツッコミをつい、入れてしまいます。「ネガティブ・ネガティブ」「ディス・イズ・ジュリエット・ホテル・エイト……」読者諸氏に音声でお届けできないのには誠に残念でありますが、おかげで夫の無線のモノマネまでできるようになってしまいました。こういう自分が実に情けなく感じます。
と、いうわけで、特に真夜中のSSBは家族のためにはなりません。家族と共存できる無線ライフを考えましょう!
2001.05.11 無線妻記す