電力線搬送通信設備に使用する周波数帯域の拡大の件
JH2AYB 加藤氏よりの緊急要請です
アマチュア無線の将来に大きく影響する事が考えられます
是非一読下さい・・・出来れば要望書を送って愚行愚策に反対しましょう
以下、本文そのまま掲載します(一部本ホームページの趣旨に鑑み、政治的中立性を保つために名前を伏せます)
7月5日配信分・・・・・・・・・
6月21日国会(総務委員会)で電気通信役務利用放送法案が議題とされ、そ
のなかで電力線搬送通信についての質疑応答が行われました。
その会議録の中から電力線搬送通信に関する討議の部分を抜粋しました
が、答弁の中に研究については促進意向であるとありますので予断を許し
ません。
また、討議された方たちの詳細を参考までに記しておきます。
小坂副大臣
総務副大臣 小坂憲次 長野1区選出衆議院議員
TEL03-3508-7219 FAX03-3502-5120
http://www.kosaka.gr.jp/normal/index.html
xx委員 衆議院議員 比例代表四国ブロック選出
----------衆議院総務委員会議録第24号----------
平成13年6月21日(木曜日)午後3時10分開議
電力搬送線通信に関する討議の部分を抜粋
○xx委員
法案審議に入る前に、一点お聞きしておきたいことがございます。現在、電力線搬送通信設備に使用する周波数帯を拡大できないかどうか
という検討がされております。要するに、電力線をインターネット配信に利用することができないかどうかということであります。これは規制改革3カ年計画の中での提案でもあります。
現在、電力線は10KHzから450KHz以下の周波数帯を使用していますけれども、スピードアップのために、もっと上の周波数帯、2MHzから30MHzの短波帯を使えるかどうかを検討するということになっていると聞いております。
ところで、その周波数帯には、約100万局のアマチュア無線、短波放送、船舶無線などが含まれております。私のところにも、アマチュア無線家の方々から、こんなことをしたらアマチュア無線ができなくなるんじゃ
ないかという不安の声が寄せられております。
実態はどうなっていますか。
○小坂副大臣
xx委員のところにも多くの御意見が寄せられているようでございますが、私も、アマチュア無線を以前やっていました経緯から、連盟の会員の方々から大量のメールをいただいておりまして、それぞれにお返事を書いているところでございます。
電力搬送通信は、今まで、軽微な、屋内インターホンで、配線をしないで、差し込みに差し込めば二階と一階でも通信ができるような、そういう
ものに利用された経緯がありますけれども、使用する周波数帯を、御指摘のように2MHzから30MHzに拡大して、電力線の搬送通信を高度化するという動きがあるわけでございます。
これが実現しますと、既存の家庭内の電力線を用いてインターネットを容易に行うことを可能といたしますし、また、インターネットの利用につ
いて多くの選択肢が用意されることになりますので、国民の利益につなが
ると認識をいたしておりまして、この研究については促進をしているとこ
ろでございます。
他方、御指摘の、アマチュア無線家からの、電力線からの漏えい電波が
アマチュア無線の受信に妨害を与える、あるいはほかの通信に対しても妨害を与えるのではないかという懸念が寄せられております。総務省といた
しましては、アマチュア無線のみならず、その周波数帯を使用している、今おっしゃった船舶通信とか短波放送受信など、既存の無線通信に妨害を与えないことがあくまでも前提であるという認識に立って研究を進めてお
ります。
このため、総務省では、e―Japan重点計画に示すように、最初に放送その他の無線業務への影響について調査を行い、その調査結果などをもとにしてその帯域の利用可能性についての検証をして、利用が可能であることが確認できた段階で必要に応じて技術基準の改正等に向けて取り組んでいく、こういうステップを踏むようにいたしております。
現在、電波産業会におきまして、アマチュア無線製造機器メーカー、ま
さにこのアマチュア無線の利用実態について一番詳しいメーカーの方、それから妨害を受ける側の立場として日本放送協会などが参加して、その技術的な検討を行っておりまして、厳密、厳正な影響調査に基づいた検討を
行うことができると考えているところでございます。
総務省では、既存の無線通信への影響に十分配慮した上で、電力線搬送通信の高度化について取り組んでいく所存でございます。
○xx委員
先ほど副大臣は、妨害を与えないことが前提であるということをおっ
しゃったんですが、妨害を与えるということになりますと、もしなった場合には実施しないということでいいかどうかの確認と、その妨害の影響が出る内容なんですが、小坂副大臣のところの方がたくさん行っていると思うんですが、98年の規制緩和要求では、例えば、アメリカでは、漏えい電波の電界強度が30メートル法で30μV/m以下の程度までは許容されているという表現が出てきて、規制緩和の中身としてそういう要望が、アメリカの程度にこういうのがある、アメリカはこうなっているんだということになっている。
しかし、日本とアメリカは条件がまるで違う。電力線が地中でなく空中
にある、家屋の多くが木造で遮へい効果がない、それから、狭い国土に
100万局ものアマチュア無線の局が密集している。アメリカと条件がまるで違うわけなので、アメリカの基準をそのまま横滑りさせて、そこから影響がないというような話になると、それは話が違いますよ、こういう懸念
もあるわけですよね。
その2点、影響が出るということがもしわかれば実施をしない、そして、その影響の中身が、アメリカの基準なんかを影響の基準にするという
ことはない、そのあたりを明確にしておいた方がいいんじゃないでしょうか。
○小坂副大臣
その点につきましては、米国と日本の国情の違いも勘案に入れまして検
討してまいりたいと思いますが、しかし、同時に、アマチュア無線の利用者におきましても、アマチュア無線を発信しますと、家庭のいろいろな受信機、テレビとかラジオに電波障害を起こす場合もあるわけですね。そういう場合に、個別に対策をちゃんととって、そして、理解を得てアマチュア無線の局を開設するようなことをやっております。
それと同じように、この電力線搬送通信が実現をいたしましたときに、もし個別の障害が起こるようであれば、それを除外するにはどのような対策があるのか、それによる実施のメリットとその対策とのバランスというものも考えながら、具体的な技術基準というものを設定していくことが必要だ、このように思っているところでございます。
例えば、今のインターネットのDSL通信のように、音声通話と同じ回線を利用しておりまして、従来でありますと障害が起こったんですが、これを、同じ回線を使っても障害が起きないようなDSL方式を日本流に開発して実施に踏み切ったところでございます。
このような技術的な検討をさらに進めて、今のお説のように、障害が起こらないような最大限の努力をしてまいりたい、また、そのような事故が起これば、それは直ちに対策をとって、お互いに通信の可能な状況というものをつくり出していく、このように対策をとってまいりたいと思っております。
○xx委員
改めて、影響がそういうことでもし出るというような結論になれば、検討し直しということも含めて確認しておきたいと思いますので、よろし。
それでは、本法案の質疑にいきたいと思います。
----以下省略----
de JH2AYB 加藤隆雄 E-mail: [email protected]
このやり取りで愈々確信部分に突入してきた事が伺えます・・・・・まったく予断を許さない状況にある事に変わりは有りませんが、少なくともこの方式が進められる状況下に措いて当局(官憲)がハムに対する影響や認識を一応把握している事は伺えます。導入に当たっては正に米国の基準を横滑りさせない事が重要であると考えますが、基本的には導入絶対反対の立場を貫くべきであると確信します。
先般もあるハムの茶話会で話題提供しましたが、HF帯での運用をされてない方々には中々問題意識を持って頂く事が難しいようであります。更に形骸化しつつあるJARLには最早なんの期待も出来ませんが、現存する我が国最大のハムの組織たるJARLが何もしないなどと言う事は本来許されません 我が国のハムの利益代表(全てではない)であるべき立場を如何なく発揮してほしいものです 是非とも各局がまず問題意識を持ちそしてJARLにも早急に意見を出して下さい・・・・
(副大臣の答弁に”連盟の会員の方々から大量のメール”をとあるが5月の総会の議事録を見ても本件問題提議はない)
現存の高速インターネット方式での更なる開発を目指せば十分に事足る事であり、ノイズを撒き散らす安易な電力線搬送通信方式の帯域拡大には
断固反対します!!
無線を始めた時から、常にノイズとの戦いであり如何にS/Nを改善するかがすべてのアマチュア無線家の共通する”宿命である”と言っても過言ではありません 今度の宿敵は中々手強いようです 発信源は元から断とう!!
De JA2KOW
突然のメールをお許しください.
アマチュア無線、とくに短波無線の存続にかかわることでもあり、失礼を省みずお送りしました。
ご存知の方も多いかと思いますが、電力線(AC100V)に信号を重複させてインターネットに接続する実験が現在行われています。
日本の場合は電波法により重畳できる信号の周波数が規制されており、10KHz〜450KHzしか使用できません。
しかし、これでは十分な伝送速度を確保できないということで、規制緩和の動きがあります。
今年の3月末に閣議決定された「規制改革推進3か年計画」に、「電力線搬送通信設備に使用する周波数帯域の拡大」が盛り込まれました。
これは、2〜30MHzの短波帯において放送その他の無線業務への影響について調査を行ない、その帯域の利用について検討するというものです。当初2005年を目標にしていましたが、2002年目標に計画が前倒しされピッチを上げています。
また、総務省の関連団体の電波産業会でも検討会を発足し、電力会社や電力線モデムメーカーなどが参加して標準規格策定に取り組んでいます。
ところが、2〜30MHzは私たちがアマチュア無線で使用している帯域でもあります。
そこに空高く上がった電柱上の電線、つまりロングワイヤーアンテナのようなものからモデムの発生する2MHz〜30MHzの電磁波が強力に漏洩し放射されれば、短波帯全域がノイズだらけになるのは明らかです。
このノイズがどの程度かというと、経団連が主張している規制緩和が実行されれば、リグのSメータでいうとS9+5dBです。
つねにS9+のノイズの中で、あなたは無線ができますか?
このように電力線インターネットはアマチュア無線を壊滅させる危険なものです。
すでにドイツ国内ではこの電灯線インターネットが実用化されており、HFアマチュアバンドはS9+のノイズです。
NATO(北大西洋条約機構)もこの有害なシステムに猛反対しています。
日本ではまだ実験段階でもありどうなるかわかりませんが、結論が出る2002年まであとわずかです。
このまま黙って見ているわけにはいきませんので、ぜひともみんなの力でこの愚行を阻止するため、関係各所へ反対意見を出しましょう。
また、あなたの友人にもこの件についてQSPしていただき反対の輪を広げていきましょう。
(友人や知人にこのメールを転送していただいてかまいません。)
[意見送付先]
IT政策に関する意見箱(官邸)
http://www.iijnet.or.jp/cao/kantei/jp/it/ikentou.html
政策に対し直接意見するパブリックコメントページ(受付期間限定)
http://www.mha.go.jp/comment/index.html
総務省の意見受付用メールアドレス
[email protected]
総務省総務副大臣 小坂憲次氏(IT担当)
[email protected]
電波産業会(ARIB)意見欄
http://www.arib.or.jp/otoiawase/index.html
[送付用反対意見の例]
雛型として簡単なものを2,3上げておきますので、これに加筆などして利用してください.
「さまざまな短波通信に妨害を与える電力線インターネットに反対します.」
「光ファイバーやCATVに比べて伝送速度の劣る電力線インターネットを、各種短波通信に犠牲を強いてまで導入するのは愚行としか言いようがありません.」
「短波通信に多くの犠牲を強いる電力線インターネットは必要ありません。それより伝送速度の優れた光ファイバーなどによる通信インフラ整備を実現すべきです.」
[資料、引用その他]
両サイトとも詳しく解説されてますので、ぜひご覧ください.
JG1RVN加藤氏
http://www.inv.co.jp/~jg1rvn/
JL4CVB鹿山氏
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/7270/index.html
de JH2AYB 加藤隆雄
E-mail:[email protected]
先日は緊急とはいえ、突然メールをお送りしてすみませんでした。
今回は続報ということでお送りしましたが、今後このようなメールは必要ないという方は、このメールをそのまま返送してください。
前回のメールに対しては多くの方からいろいろな反応をいただきました。それだけでも失礼を省みず送った甲斐があったと安心しています。
今回は、2〜30MHzに対する電波法の規制緩和を前提に、ソフトバンクが電灯線インターネット開始に動き出していると報じた記事の抜粋を送ります。
------ 日経コンピュータからの抜粋 ------
ソフトバンクが“電灯線”を使った高速データ通信を開始へ
この6月には,サーバーのホスティング・サービスを月額1万円台からの低料金で提供開始。8月には日本と米国を結ぶバックボーン・ネットワークの運用を始める。さらに2002年3月までに,一般家庭にある電灯線を使って高速なデータ通信を可能にする機器の提供を開始する。同社はこれらに先立ち,昨年からオフィス・ビル/集合住宅向けの高速インターネット接続サービスも提供している。
新たに投入するサービスや製品のうち特に注目されるのは,電灯線によるデータ通信のための機器だ。日ごろ家電製品への電力供給などに利用ている電灯線をそのまま使い,2.5M〜40Mビット/秒の速度でデータを送受信できるようにする。機器は,提携先である英エヌサインの製品を日本市場向けに改良して開発。同社との合弁会社を通じて販売する。
国内における電灯線を使ったデータ通信の規格としては「ECHONET」があるが,電波法の規制により450KHz以下の周波数帯を使うため,通信速度は9.6kbps程度と遅い。この方式が国内で普及しないのは,そのためだ。だが,総務省は2001年度内にも電波法の規制を緩和することを検討している。ソフトバンク
ネットワークスは規制緩和の実現を待って,機器の販売を開始する。-------------------------------------------
de JH2AYB Takao Kato
E-mail: [email protected]
「アマチュア無線存続の危機」の3回目を送ります.
現在、マルペロのDXペディションでお忙しいかと思いますが、最後まで目を通していただければ幸いです.
なお今後このようなメールは必要ないという方は、このメールをそのまま返送してください。
■電力線搬送通信設備開発部会の第1回会合が、さる5月28日に開かれました.
その時までに総務省および電波産業会(ARIB)に寄せられた意見(計61通)は、すべて参考資料として配布されました.
E-メールによる意見などは握りつぶされてしまうかと思ったのですが,すべて原文のまま会合で資料として配られています.7月には実験が開始されますので、今すぐ意見や希望を出しておきましょう.でないと意見受付が終わってしまい、2度と聞いてもらえなくなります.
[意見送付先]
電波産業会(ARIB)窓口
http://www.arib.or.jp/otoiawase/index.html
[email protected]
総務省窓口
[email protected]
また会合では、開発部会入会にあたってのアンケート結果も資料として配られました.そのうち私たちが気になる無線機メーカーおよび放送、通信関係会社の関心,要望を抜粋します.
[無線機メーカー@]
当社は、無線機器等の製造販売を行っており、その中で、無線LAN機器の市場に共通する方向性の要素があり、この方面でのサービスに興味が有る。
[無線機メーカーA]
音声や映像が伝送できるように、数十Mbps以上の伝送容量が確保できる規格の制定を希望します。
[無線機メーカーB]
一般家庭内のネットワークの一環−無線LANの補完、共存OA、FOネットワークの一環−無線LANの補完共存イーサーネット10Mbps)に遜色のない仕様の標準化
[放送関係]
コンテンツの「著作権」と、情報の「セキュリティ」はどのように守るのか?開発部会の検討に積極的に貢献するとともに、当社と立場の異なる各社の動向把握を行い、今後の業務推進の参考にしたいので、関心をもっている
前記事項に結論の出る開発部会であることを要望する。
[通信関係]
電力線搬送通信が発生する電波(屋内)があり、雑音源が増えることになるため、移動通信との技術的共用条件について整理してほしい。
それぞれの会社名は特定できませんが,無線機メーカーはいざとなったらPLC機器製造へ切り替えるかもしれません.
ARIBに無線機メーカーが入っているから、抑止力が働くかも?という期待は裏切られそうです.
■アイコムのWEBマガジンに電力線搬送通信(電力線インターネット)が取り上げられました。
それによると、シールドのない電灯線からHF波が輻射され、この周波数帯での無線通信はノイズに埋もれてしまうと心配されています.
ちなみに、ドイツのDARCが、HFモデム使用時に7MHzを測定するとS9+50dB以上のノイズとなったそうです。
http://www.icom.co.jp/beacon/hot_line/index.html
de JH2AYB Takao Kato
E-mail: [email protected]
当局の出した要望書
前略御免下さい
所謂、電灯、電力線インターネット通信に反対します
現行法の規制緩和(電力線搬送通信設備に使用する周波数帯域の拡大)は短波帯
周波数に大きく悪影響を与え通信に支障をきたす事は明白であります
この周波数帯は歴史あるアマチュア無線界の銀座通りであり国際的な通信周波数帯であります
電力線インターネットに開放されると強大なノイズ源となり通信が出来なくなります
他の通信に与える影響も勿論危惧されます
単にコスト面や商業主義のみにとらわれる事無く十分な配慮を求め、他の通信方式の開発を計り
愚行を行わないように要望するとともに電波法改悪に断固反対するものです
たかがアマチュア無線
されどアマチュア無線です
名古屋市名東区引山3−605
アマチュア無線局 JA2KOW
長谷川 裕行
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