タワーシャントフイードアンテナ(タワードライブ)
はじめに

シンプルなわりにはDX向きで実用的な160m用のアンテナとして近年急速に利用者が増えたので有名になった。タワーに直接給電するので俗にタワードライブと言われている。 JAの実情としてそんなに広くない土地に20メートル程度のタワーを建ててHFのマルチバンドのアンテナを上げ7-28メガのDXを楽しむ、というパターンが多いと思う。

DXハンティングも頭打ちとなり、かと言ってローバンドにシフトするにはどうも、と思って居られる方には取り敢えず160mに出てみようかと、このアンテナが気になることだろう。あるいは水平系のアンテナでQRVしているが、他人より飛びが悪いと感じて垂直系でやってみようかという人もいることだろう。 さて、どうやるかについてはWEBで検索すれば多くのデータを見つけられるだろうと思うが、以下は私の経験談なのであまり参考にはならぬだろうが5年ほど使用してみてそれなりの手応えがあったアンテナなのでメモとして記録しておくことににした。

形 状

タワーはCD社のKT-25S。搭載アンテナはCD社の714X, 248A, CY104,で通常の取り付け状態。

これにタワートップから間隔35cmでロッドを最下部まで伸ばす。(下の写真では見えにくいので黒く線をひいてある部分)

外誌の参考例やアンテナハンドブックの参考例ではタワーの途中から(2/3あたりから)ガンマロッドを出している例が多く、タワーとの間隔も1m位離れているのが多かった。 最初それでやってみたが、まるでマッチングが取れない。バリコン1個でなく、2個使ったオメガマッチでやれば、SWRの低い点は見つかるが、使用してみると信号も良く聞こえないし飛んでも行かない。いわばダミーアンテナみたいなもので、ダミーなら部屋の中にあるもので間に合っている。 それにガンマロッドの位置は上に乗っているアンテナの大きさや周囲の状況でかなり違うようで上げ下げしてみた。

最終的には上のスケッチのように天辺からおろし、間隔は35センチでちょうど良い点が見つかった。巷間言われているようにガンママッチのCの容量は130ー180PFの値でないと飛ばなくなるようである。

ロッドの線径も関係ありそうなのでIV線ではなく5D2V同軸ケーブルを使用し、心線と外皮をショートして圧着端子をつけてタワーのボルトにガッシリと付け、風などで間隔が替わらぬようエンビパイプのセパレータを2mスパンで取り付けた。バリコンはロッド側が高電圧になるので、耐圧と耐電力には注意した方がよい。

「使用部品」

ガンママッチ用コンデンサー(調整時に使ったもの)

150PF 20kvチタコン

65PF 6kv VC

条件が変わったときに対応できるように最終的にはバリコンを2個用意してそのうちの1コは微調整出来るようにギヤードモーター(DC-24V 1RPM 逆転可ジャンク品)で駆動し、シャックら調整できるようにして未来工業のウオルナットボックスに収納しタワー直下に取り付けてある。(150PF + 65PF)

SWRはほとんどゼロで反射電力は1KWで0.5Wくらい。但しバンド幅は狭く10Khzずらすと急激に反射が多くなるから微調整は必要だった。

「いたずらをしてみた」

少し離れたところに古いタワーが撤去せずに残してあったので、頂部同士を接続して2タワードライブとはならないか、とやってみた。調整のずれはバリコンでOKだった。バンドを受信するとノイズフロアの感じが少し違い丸くなったような感じ。 切り替えての比較は出来なかったが心持ち良くなった感じだ。「ツータワードライブ」等というアンテナなど聞いたことはない。一人で勝手に付けた名前は横から眺めて「コの字アンテナ」。T型やL型、逆L型、があるから「コの字アンテナ」があっても良いではないか。 このアンテナ、未だに未練があり使ってみたいな、と思う。

 


(私がタワードライブを使用していた1990年代初め頃、多くのDX局とQSO出来た。その中のカード)