デルタループアンテナ 提供 JA7NI 冨樫 國和 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
デルタループアンテナは160m DX用のアンテナとしては有名でこれまでもON4UNやGW3YDX等によって解説、紹介されているので詳細をご存じの方は多いと思うし一度は使ってみたいアンテナの筆頭に入るものだと思うが、日本では短縮されたものや変形されたものは別として、本格的に使用された例はそれほど多くはない。 50メートル以上の高さが必要ななため、広い敷地がないと理想的な展開が出来ないこと、他のバンドのアンテナとの共存が難しいせいもあるだろう。 ところでEUの有名なトッブバダーIV3PRKを始め、 G,DL,等から「JA最強の信号を送り込んで来る局」と言われているJA7NI冨樫氏のデルタループアンテナは有名で、その詳細を氏のご厚意により紹介しよう。 |
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まずは全体の写真を下さい。 これをみれば細かい説明は不要かも知れないがアンテナ全体をデジカメに収めるにはるかに離れたところでないと入りきらない。そのためにエレメントやタワーの3段ステーも霞んで写らないのでデータは作図してある。 |
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全景 (低いタワーは受信アンテナ等の実験用) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
エレメントのサイズはON4UN著「 LowBand DXing」によると1.05λ~1.06λにしてあとはカットアンドトライで調整することとなっている。給電箇所も正三角形にして△左隅と右隅、頂点、底辺の水平部センターからと複数の方法があるが給電箇所によって水平偏波になったり垂直偏波になったりするからDX向けには垂直偏波になるように底辺の角から給電することが推奨されている。
そして現在ではGW3YDXが提唱した頂点から1/4λの位置から給電するのがエレメント上の電流分布が最適になり効率がよい、ということなのでそのスタイルを使用している。実際に給電部を3角頂点でやってみたら、打ち上げ角が高くて国内に適し、DXには使えなかった。 給電点のインピーダンスを1 /2λの測定用同軸ケーブルで測定したところ、120Ω~150Ωだったので7C2V 27.5mの1/4λQマッチセクションを入れて50Ωとしたあと8D2Vの任意長でシャックに引き込んである。給電点の同軸には8D用の ビーズコア9コ(セイワ製A-637) を通している。給電線は8D2V長さ50mを使用して いる、手元でのインピーダンスがが50オームより低めだったので補正に写真のLC整合器 「簡易チューナー」を入れて反射を10W以内に抑えている。チューナーのコイルは写真のように2mmメッキ線で十分。バリコンは調整後、固定コンデンサにしている。 |
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(Qマッチなしで 直接8D2V 50mにした場合は 手元でのインピーダンスが高く、150オーム。 その場合はチュナーのlコイル巻数は倍になり、コンデンサーはANT側にはいる。) |
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アンテナエレメントの線材はある程度のひっぱり強度が必要。1.6mmのIV線では心細い。今使用している線材はIV5.5m㎡で、この太さだと、いくら強く引っ張っても切れることはない。もっと細くても良さそうで、HFのキュビカルクワットで愛用されている、導体抵抗の高い2mmのステンレスワィヤーでも何等 問題なく軽くてFBだった。ところでエレメント長だが、前述のようにON4UNによると、1.05λとのことで、周波数1820Khzで計算すると、164.8m ×1.05 = 173m となる。冒頭の写真でそのサイズを示しているが、3辺を合計すると161.5m である。 ちょっと差がありすぎるのではないか、と疑問を持ち、再確認したところ、何回も上げ下げしてエレメントをカットアンドトライしているのでその時のメモった長さなので間違いないと思うが、ロープで吊り上げているので降ろして計測してみるとのことで、猛暑の中(2007/07/26) エレメント長の再確認をお願いした。 |
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再計測の結果、実測値には間違いはなかった。最良の状態では0.98λであった。 理論値は自由空間での値であり、現実にはループを吊り下げるための52mhの鉄塔及び支線等の影響があり、それらを含めて最良のシステムとして 調整を重ねた結果、FBに機能し、13年間も使い続けられたものと、あらためて 納得出来たし、自信を持ってこのデータを紹介できる。 160mでデルタループを展開するのにこの設備以上とするためには気球で1波長以上の高さを確保して自由空間に近い環境にしない限り無理だろう。 |
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垂直偏波のデルタループの放射パターンはワイヤー展開方向(北米、インド洋方向)が3db落ちるが、不満を感じたことはないとのこと。ほぼ無指向性なので受信ノイズが多く、受信アンテナが必要。 今は54m高のcd78改と、シーズン中は6面8方向のビバレージを使っている。 |
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参考まで 数年前のログの一部(ローカルのクラブADXAにレポートしたときのもの) 2001年頃はCONDEX自体はローバンド向きではなかった時期なのでレポートを見た時はバンドを間違ったかなと思ったりした人も居たようだ。 |
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(下)昨2006シーズンに交信できた局からのQSLカード | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(貴重なアンテナのデータ及び交信データ等有り難うございました。) |