私の使用していたのはCD-78なので、その上級クラスの「CD78-L」については経験がなかったが、JA1UQP 山田正美氏よりその「CD78-L」の改造レポートをいただいた。 山田氏のご厚意により掲載の許可を頂きましたのでそのノウハウをご覧下さい。

 

CD78-L 改造160m受信アンテナ ・マッチングBox 改造例

JA1UQP   山田正美

 

私の160mは1994年から1999年の約5年が第一次時期で、送受ともスローパーでやっておりました。この間、78エンティティーを稼ぎましたが、飛ばず、聞こえずでQRT。
しかし、ローカルのJA1GV、JA1BRK、JA1SYY、JE1TSDなどの刺激を受けて2006年10月に再開しました

とにかく受信能力を上げなければとJA7AO/松本さんのHPや、JH3VNCさんのCD78改造製作記事を参考にしましたが、CD78-Lでの改造記事はどこにもなく本当に苦労しました。

当初、MFJのアナライザーでSWRの最小点を探したのですが、上も下もまったく見つかりませんでした。これには本当に悩みました。製作記事を見ると一発でSWRが下がったと書いてあるし、これを使っている友人も同じことを言ってきます。

私のアナライザーは下限が1750KHzで範囲狭くこれ以下は測定できません。高い方は10MHzまで測定したのに同調点がないので、1750KHzより低いところに同調点があるのでは?と考えました。

そこでJA1BRK/米村さんにディップ・メーターをお借りし、ディップ・メーターとアナライザーでカットアンド・トライを繰り返しながら追い込みました。
その前にも電源ケーブルの配線や、同軸ケーブルの準備など多忙を極め、12月2日から始めた工事が12月15日にようやく完成しました。

前置きがながくなりましたが、それでは調整方法について説明します。

最初は40ターンから1ターンづづ解いていき、ディップ・メーターで測定しました。
リレーはAC100Vを使用しました。これはディップ・メーターもAC100Vだったのと、半田コテを使えるようにと切替ボックスの中にテーブルタップをもうけるためです。

40ターンではディップ・メーターの測定下限が1500KHzでまだこの範囲には入ってきません。
さらに1ターンづつ解き、アナライザーの測定範囲に入ったところでディップ・メーターからアナライザーに切換えました。
最終的には32ターンで周波数は1848KHzになりましたが、このままではSWRが高いので次にリンク用のコイルの位置をスライドさせてSWRの最小点を探します。

SWRは、1.0近くまで見事に落ちます。
次に32ターンの最後の方のコイルを疎巻きにして周波数を下げ、1818KHzに調整しました。

そうするとSWRがまた変化しますので、リンク用コイルの位置をスライドさせてSWRを1.0まで追い込みます。微調整をする場合は以上を繰り返して目的周波数へ追い込めばOKです。

周波数とSWRを再確認してOKならば接着剤でコア側のコイルとリンクコイルを固定して完成です。

ここで分かったことは1ターンで約50KHz変化するということでした。

と、まあこう書けば簡単ですが、ディップ・メーターが1500KHzまで測定できるのに、この測定範囲をさらに下側にあったのには驚きでしたし、ディップ点が出ないので本当にこれでいいのかと悩みました。

CD78-Lの場合、32ターンで1848KHzでしたから、1ターンで約50KHzとするとスタートした40ターンでは1450KHz付近にあったことになります。
CD78は40ターンから38ターンなので(フェライトバーの種類によって若干違う)これにはあせりましたし、やってみなければ分からないといったところです。

JAの出れる周波数はご存知のように1810KHz~1825KHzです。
私の受信アンテナのSWRは以下の通りで、ほぼ理想的に調整が出来ました。

1808KHz-2.0
1813KHz-1.5
1818KHz-1.0
1823KHz-1.5
1828KHz-2.0
 
写真を取りましたので添付します。
なを、私のCD78-Lは製品でなく自作です。1984年10月28日にAFAー80という80m用の2エレの1本をJF1IST/藤原さんからいただき、自分で製作しました。
このころはCD78-Lという製品はまだなく、CD78だけでした。
「JA1UQPが75/80mで飛ばしてる!」というのをクリエイトが聞きつけ、CD78のL版を製品化したのです。

その後いろいろ改良をしました。
パワーを入れるとインシュレーターをよく燃やしてしまったので、Uボルトの当たるマストクランプ側にガラエポを1/4に割って差込、エレメントとマストクランプ間の隙間を多くしました。
CD社の友人にそのことを話したら、CD社ではコロナ放電防止用リングとして採用されてしまいした。 hi

キャパシティーハットを外し、先端に7.5Φのエレメントを37cm延長して使っています。
このアイデアはFEDXPなどのHPで公開しております。JA0DAI,JH7DNO,JA2QPY,JA1BRKJA1HGY,JA1SYY、
JA1ADT各局もこの方式を採用しています。

コイルがエレメントのリベットで止まっていますが、振動で長く使っていると折れてしまいます。
そこで私はコイルとケースの間に縦横4箇所、前後をいれて8箇所固定して振動しないように改造しております。

また、私の場合アンテナ工事は一人でやるため、いろいろ工夫しております。
CD78-Lをシーソー式にして、アンテナの上げ下ろしや、エレメント調整を一人でも楽に出来るようにしています。
回転マストから70cm程度のアルミパイプ出し、そこへ載せるように取り付けていますが、雪の多い地方では給電部に雪が着雪しないよう何らかの工夫がいります。
写真をご蘭になるとその辺のところがお分かりと思います。 参考までに。   de JA1UQP   山田正美

製作したM_BOX (取り付け前)

 

給電点にマウントして調整 正面から

 

↓ BOX  真上から

↓ BOX 斜め上から

 

↓ BOXの蓋を閉めたところ

山田OM   有難う御座いました。