カリブツアー運用記 August, 2005

JA Dxer の皆様、今回のカリブツアーでは沢山のコールと QSO頂き、
ありがとうございました。現地の状況や運用につき、報告させて頂きます。


FM

FM5BH ローレンのレンタルシャックは、コンテスト用で、ローレン自身
も数多くのタイトルを持っています。今まで、コンテストでの運用が主で
ペディションにはあまり使われず、又、JA局による運用は何故か今まで
無かったようです。

ロケーションとアンテナ

ロケーションは、FDF空港からタクシーで約10分の Ducos という町の
丘の上です。写真でご覧のように、70ft(21m)のタワーのトップに
40m 2ele(Cushcraft 402CD) その下に 20/15/10m Force 12 C31XR
が有ります。ロケ的には JA及び EU方向の北側に丘の頂上が有り、
ローレンは、少しでも飛びを良くするため、ANT を高く上げたとの事
でしたが、結果的にこの北側の丘が反射器の役目をし、強力な南周り
のパスを生んでいるようです。南側は完全にオープンです。

レンタルシャックと運用

シャックは、ローレン宅の一階部分で、写真のオペレーションルームと
ベッドルーム及び、トイレ/温水シャワールームがその間に有ります。
又、ベッドルームにエアコンが有り、そちらの冷えた空気を大きなファン
でオペルームに送ることができます。

ローレンは、最初にアンテナ切り替えなど一通りの説明をしただけで
後は、1日に1〜2度様子を見に来るのみでありがたかったです。
80mのダイポールが、3.8Mhz用になっていたため、屋根に上がって
ワイヤーを継ぎ足し 3.5MHz用にしてくれました。

JAからの信号

特に 11-12Z 20mで皆さん強力に入感しました。当初、RTTYまでできる
とは思わず驚きました。エリア順に開けるようで、ピークでは 59+10dB
まで振る局も有りました。40mも 9-11Z に開けましたが、コンディション
が続かずコール確認のため、かなり QRSとなりました。40mオープン
確認のため、少しずつ早起きし最後は、4時(8Z) 起きとなりました。

デジタルモード運用

RTTYは、1-10KHz up で、広がるようお願いしましたが、殆どの局が
正味 59で来ており、重ならなければ綺麗にプリントできていました。

PSK の方は信号が弱くても QSO可能ではと、21Z辺りに 20m で CQ
JA を出し、数局の方と交信できました。オープンのメインとなった
11-12Z はさすがに RTTY で皆さん呼ばれており、QSY 出来ません
でした。PSK を運用されている JA DXer の方は、W や、EU と比べ、
まだ少ない印象を受けました。

サバイバル

今回、一人だった事も有りほぼ フルタイム運用となりましたが、食べる
必要も有り、ローレン宅から徒歩5分ほどのテラスレストラン(名前不明)
と丘の頂上付近にあるチャイニーズテイクアウトが役に立ちました。

特に、日曜と何故か月曜は全ての店が閉まり、このチャイニーズのみ
空いていて救われました。結局、いくつかのメニューを買い込み、シャック
の冷蔵庫に入れ、夜、レンジで暖めては食べました。当局、仏語は
挨拶程度しか話せませんが、この Ducos では、英語を話せるのは
ローレンのみようで、スーパーでも困りましたが、身振り手振りで
どうにかしのぎました。

FMからの運用


このシャックは、いつでも運用できるようになっており、今回の JAオープン
の時間、バンド情報をローレンに知らせ、時間有ればサービス頂くよう
お願いしました。ただ本人は、ご家庭やお仕事(高校の物理の先生)で
忙しく現在は、メジャーなコンテストで少し運用するのみとの事でした。
JAオープン時間は、現地では早朝(9-12Z= 5-8am)のため運用できるか
疑問ですが、期待しましょう。

RTTY運用

又、今回、RTTYを、PCサウンドカードを使用して運用していた所、興味
を持たれたようで、Signal Link+ という接続デバイスを送る事にしました。
ご本人は、20年も前に TNCを使って運用したきりとの事で、今後、RTTY
にも出て頂ければと思います。
現在、FMでは、FM5AA Frantz と FM5WE Guy が RTTYにアクティブで、
今回もブレークして来ました。


FG


FG5BG ジョゼスのレンタルシャックからは、立ち上げられた JA2EZD
米塚OM ご本人や、JH7BZR 岩淵OM、JR7HAN 花野OM、JR3IXB 沖OM
など多くの JA 局がこれまで運用しています。
今回、3日間と短期間にはなりましたが、FMへのフライトが経由する事も
有り、現地の調査も兼ねて運用する事にしました。

ロケーションとアンテナ


レンタルシャックは、空港からレンタカーで約1時間の Basse Terre という
島の反対側の南東海岸ビーチにあります。空港は、Grand Terre という
蝶型になっている島のもう一方に有ります。(Summary 地図参照)

国道から海岸に向かう道に入り、ビーチに出る直前の未舗装道をビーチに
平行して 100mほど行くと、100ft(30m)のタワーが眼に飛び込んできます。

レンタルシャックと運用


ジョゼスは空港まで迎えに来てくれ、当局のレンタカーを誘導し、まず
シャックから更に車で 5kmほど行った Capesterre Belle の自宅に行き、
宿泊に必要なものを積んで、シャックに向かいました。

普段は、シャックにはリグなど何も置いて無く、全て持ち込む必要が有り
ます。シャックに到着した時点で日が暮れていましたが、ジョゼスは C4XL
の 60ft(18m)クランクアップタワーを上げてくれ、電気と水のポンプ SW
を入れ泊まれるようにしてくれました。

水は近くの泉からくみ上げて 1立米ほどのタンクに入れてあり、ポンプで
シャワーと流しに送っています。従いシャワーは冷水のみですが、日中
34Cまで上がり、エアコンも無いため、かえって爽やかでした。

トラブル発生


初日の深夜に、ANT ミスマッチのプロテクト異常のようで、持参したリグ
FT-100 の電源が入らなくなり、止む無く翌朝、ジョゼスの自宅にリグを
借りに行きました。JA オープンが、10Z(6am) 頃から始まると分かって
いたので、申しわけ無い事に朝5時に起きて貰いました。借りてきた
TS-450Vは、動いたものの今度はエレキーも不調で CW もできず、結果、
予定外の SSBでのサービスとなりました。その後、エレキーも持って来て
貰い、RTTY もPC のスピーカー経由でマイクから送信し使えるように
なりました。SSBでアナウンスしていたシステムの問題とはこの事でした。

JAからの信号

JAからの信号は、ここでも強力で 20mのみとなりましたが、CW/RTTY
とも非常にクリアにコピーできました。

RTTY 運用

初日は SSB 主体で RTTY 数局、2日目はCW、RTTY 半々で、3日目に
CW で信号が上がってきた 1030Z頃に、RTTY にQSY しようとした所、
SARTGコンテストの第3部なるものが 8-16Z で始まっており、空いている
周波数が有りません。
結局 CW に戻り、JF3局に PSKへのQSY を Spot するようお願いしました
が、混信のためか QSOに至らず、もう一度、CW に戻り、今度は JA1局に
RTTY への QSY と Spotをお願いし、QSOできました。

その後 14075で、SARTG のQRM を跨いで Up 30-40KHzで JA 各局と
順次 QSOでき、最後は Condition も下がったのか呼ぶ局も無くなり、再度、
CW に戻りました。

このようなドタバタ運用となったため、CW で追いかけられた方はかなり
大変だったと思いますが、今回、よりレアモードと言う事でRTTY を優先
しましたので、お許し下さい。Hi

サバイバル

昼間の 34Cという暑い時間帯に近くのフレンチクレオールレストランに
行きました。英語は通じませんが、看板のメニューを見て注文しました。
ここのパンチ(ラム酒の焼酎?)はかなり効きました。Hi

又、今まで運用した方のインターネット情報などで、蚊が多いと聞いて
いましたので、到着して直ぐに、一ヶ所だけある網戸を押しピンで止めて
修復し、蚊取り線香やベープマットをフル使用し、どうにかさほど喰われず
に済みました。

ジョゼスは扇風機を回していれば大丈夫だと言っていましたが、寝る時は
2つのベッドに各々備え付けている蚊帳を使いました。

FGからの運用

FG5BGシャックの ANTは、特に 100ft(30m)H の A4Sはすばらしく、殆ど
この ANTを使用しました。残念ながら、常に運用できる体制には無く、
特に JA 向けとなると JA から出かける必要有るようです。

ジョゼス自身、本業の先生に加え、レガッタというセイルボートの監督
をしている関係で非常に忙しく、空いている時間で良く対応してくれました。

今回、TS-450V がどうにか使えましたが、これも JARL技適シールが
貼ってあり、JA のどなたかが寄付されたようです。他のリグは、表示が
点滅(TS-440)、表示つかず(TS-930S)など殆ど不調です。従い、今後
行かれる方は、バックアップも含めリグを持参される事を、強くお奨め
します。

ジョゼスは海岸に近く潮風の影響と言っていましたが、リニアも含め
故障が多く、修理にも出せず困っているそうです。

今回、約2日半しか運用できず、JAは 390 QSO 程度となりました。
ただ、現地の様子が良く分かりましたので、できれば次回、どこかと
組み合わせて再トライしたいと考えています。


サウンドカードインターフェースについて


今回の運用では、米国 Tigertronics 社の Signal Link + という PC
リグ間インターフェースを使いました。 http://www.tigertronics.com/

宣伝する訳では有りませんが、非常に優れものですので紹介して
おきます。特徴は、VOX 機能による PTT 切り替えで、面倒な
COM 設定が不要です。当局が検討したきっかけは、PCの更新
に伴い、USB 2.0 で、COM が切れなくなり困ったためでした。

この Signal Link + を使うと、PC の Phone/Mic に接続するだけ
OK です。各社リグと接続するケーブルも揃っており、ケース内の
コネクターを、各社の端子に合わせてジャンパー接続すれば
使用可能です。

日本でハム用品の輸入代理店など取り扱いが有るか不明ですが、
当地では、FAX 注文すると直ぐに確認の電話有り、対応も FBです。

ログについて

運用では、Logging Soft(Logger) を使いましたが、JA QSO では、
余裕無く、殆ど紙ログとなりました。従い、入力漏れや入力ミスが
残っている可能性有り、もし、QSO した筈なのに NIL という方が
おられましたら、メール頂ければ幸いです。元ログにてチェックします。

最後に

カリブ海は、JA からは遠いですが NY からは近く、時間さえ有れば、
今回のようなレンタルシャックからの FB な運用が可能です。

現地にも DX局はいますが、どちらかと言うと皆さんのどかで、いわゆる
カリビアンタイムというゆっくりしたリズムで時間が流れています。

最近は、JA からも DXpedition にお越しになる方も多いようですので、
是非、これらのレンタルシャックからの運用をご検討頂きたいと思います。

現地の情報などお役に立てれば幸いですので、お問い合わせなど有り
ましたらメール下さい。

今回のツアーに辺り、NY でスーパーローカルだった JR3IXB 沖OMに、
現地の状況や運用につき色々ご相談頂きました。この場を借りてお礼
申し上げます。
FM Photos

FG Photos

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