BV(Taiwan) 従事者免許取得に挑戦


米国Extra級に続く、第三国での従事者免許取得記

私は1997年に台湾に滞在していた際、現地からBV7/7M1STTとして日本を始め各国の皆さんと
交信を楽しんでいました。以来、何度か台湾から運用していますが、それらの運用はすべて
台湾の好意により日本のライセンスを元に運用許可を得たものでした。1997年当時は外国人が
現地の試験を受けることは出来ませんでしたが、その後の法律改正により、外国人も試験を
受けられるようになりました。そこで、今回ゴールデンウイークを使い台湾の従事者免許取得に
挑戦しました。


現在、台湾の資格は日本と同じく4級に分けられており、3級からは欧文電信の受信および送信の
試験が課せられます。1級を受験するには2級に合格してから1年以上の運用経験が必要となります
ので、今回は、2級までを一気に受験する計画を立てました。
試験は月曜日に4級、その他の級は金曜日に実施されます。

問題集は台湾の交通部電信総局より出版されており、あらかじめ台湾在住の7N4TEN(exVR2SS)河津氏
にお願いして日本に送ってもらいました。問題の内容は4級〜2級まですべて統一で、問題集の中から
出題されます。事前に勉強する予定だったのですが、あっという間に出発日が来てしまい、とりあえず
友人のBV7FD黄さんに連絡を取り、試験の予約をお願いして、何の勉強もしないまま、
4月26日台北に向けて出発しました。

今回は、台湾一週旅行の合間に受験するため、台北到着後一路西岸を南下し4月28日月曜日に高雄で4級を、
その後東回りで花連、宜蘭を経て5月2日金曜日に台北で3級および2級を受験する計画を立てました。
私の怠け癖から結局勉強を始めたのは前日の夜になってからで、高雄のホテルで徹夜する羽目に
なりました。

試験は9時からですが、8時半くらいには電信局に到着し、日本の銀行にあるような
受付カードをもらい、申込書を書いて順番を待ちます。番号を呼ばれ中に入ると、一人一人申込書を
確認され、係員がパソコンに入力していきます。高雄の電信局で外国人が受験するのは
初めてとのことで、パスポートナンバーが入力できないらしく、後に何人も待っているにもかかわらず、私の
申込書を入力するのに20分もかかってしまいました。このあたりが南国台湾ののんびりした所です。
後ろに並んでいる人も特に文句ひとつ言わず待ってくれました。
彼らも外国人の私が無線の試験を受けに来ていることが物珍しいらしく、いろいろ雑談をして待ちました。

係官の入力が終わり、200元(約800円)の受験料を払って試験開始です。
学科試験は、近代的にすべてパソコンを使った出題です。一人一台のパソコンの前に座り、4択の問題を
答えていきます。回答し終わり、終了ボタンを押すとその場で合否がわかります。
やったー!とりあえず4級合格です。ここで500元(約2000円)の免許作成手数料を支払うとその場で
免許が発給されました。夢にまで見た台湾の従免です。裏面は英文表記になっています。日本もこのように
すれば、海外に行く際に英文証明など取る必要が無くなり便利だと思います。

5月2日金曜日は予定通り、台北で3級および2級の試験に挑戦しました。学科はほぼ4級の内容と
同じですので、軽く復習をして試験場に向かいます。台北はご存知のとおりSARSの影響が深刻で、
試験場に入る際には検温、およびマスクを支給されマスクをつけての受験と相成りました。
この日に受験に来ていたのは私ともう一人だけで、2級を受けたのは私だけでした。
学科は難なくクリア、電信の試験も2級を受けるなら3級は受けなくて良いといわれ、
2級の送受信のみを受験しました。送信試験の際、縦振れ電鍵が少し手になじみませんでしたが、
普段CWで運用していれば特に問題はないと思います。
電信の結果は少し時間がかかるから、午後3時になったらここに電話するようにと電話番号を書いた紙を
貰って帰りました。

待ちきれずに2時半くらいに電話をかけると、「おめでとう、完璧に合格ですよ。」と言われ、
喜び勇んで免許を受け取りに向かいました。入り口ではまた、検温、マスク贈呈です…
無事2級の免許を手にし、2003年の有意義なゴールデンウイークを終えることが出来ました。


尚、現時点では台湾にて外国人が開局することは認められていないとのことですが、私を含め何人かの
外国人が試験に合格しているようですので、今後状況は変わるでしょう。
近い将来、BVの現地コールサインで皆さんと交信できることを楽しみにしています。


台湾の免許取得に関する情報は中華民國業余無線電促進会(CTARL)のHPで得ることが出来ます。
 http://www.ctarl.org.tw/ (中文BIG5フォント))

取得したライセンス(第二等) 表面

同 裏面 英文表記になっています。

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